オランダのお隣の国のベルギー。
首都ブリュッセルまではアムステルダムから高速列車で約2時間で訪れることができるので、日帰り観光を楽しむこともできます。
ブリュッセルにはEU(欧州連合)の主要機関が集まっており、EUの首都とも呼ばれている重要な都市です。
そんなブリュッセルには小便小僧に世界遺産グランプラス、そしてベルギーワッフルとチョコレートなどと日本やオランダとはまた違った文化がたくさんあります。
オランダとは建築様式も違って中世のゴシック様式は少なく、18〜19世紀の新古典主義建築や、ブリュッセル発祥のアールヌーボー様式、20世紀以降に建てられたモダン建築と、多世紀にわたっての建物を見ることができます。
ブリュッセルの観光情報をまとめたので、お出かけの参考にしてみてください。
ブリュッセルを観光しよう!
ブリュッセルで見逃せない観光スポットを10箇所選んでみました。
1日観光でも見て周れますが、博物館などをじっくりと見たい場合は2日を目安にしてみてください。
グランプラス
中央広場グランプラス(Grand Place)は、ブリュッセルで見逃せない観光スポットです。
グランプラスを囲う建物は11世紀から17世紀の600年以上をかけて建設された歴史的建造物で広場と周囲の建物一帯が世界遺産に登録されています。
グランプラスは夜間にライトアップされるので、昼間と夜の2度楽しめる観光名所です。
2年に一度の夏に開催されるフラワーカーペットや、毎年の冬のクリスマスマーケットなどとイベント行事にはグランプラスがメイン広場となります。
市庁舎
グランプラスに面した市庁舎(Brussels Town Hall)は、1401〜1455年にかけて建設されたグランプラスで唯一の15世紀の建物です。
高さ96mのタワー部分は建物の中央に位置しておらず、正面から望むと左右非対称となっています。これは設計時のミスだったのか、また敷地の大きさによる制限のためだったのか、本当の理由は謎のままとなっています。
建物内を見学するにはガイドツアーに申込みが必要です。ガイドツアーは市庁舎にある観光案内所で申し込むことができます。
王の家・市立博物館
市庁舎の向かいにある市立博物館(Brussels City Museum)は、元の建物は15世紀ごろに建てたれ、16世紀に今の外観のベースとなる後期ゴシック様式に大改装され公爵の家となります。その時の公爵がのちにスペインの王となったことから、この建物は王の家(King’s House)と呼ばれるようになりました。
しかし1695年に爆撃で大きな被害を受け復元されています。その後に18世紀には新古典主義の大屋根や門が付け加えられ、19世紀にはネオゴシック様式で改装され外壁に彫刻をあしらい、さらにタワーが追加されました。
現在は市立博物館となっており、ブリュッセルの歴史や美術品が展示されています。
この市立博物館には本物の小便小僧の像が展示されています。また小便小僧の衣装コレクションも必見です。
ビール博物館
グランプラスに面した黄金の騎馬の像が飾られた建物は、かつてはビール醸造業者組合が使用していました。今では地下の部分がビール博物館(Beer Museum)となっています。
ビール博物館では18世紀の醸造所で見つかった醸造道具やプロダクト、またアンティークのビールジョッキなどのコレクションを見ることができます。
見学後にはバーで本場のベルギービールも楽しめるので、喉が渇いたらぜひとも立ち寄ってみてください。
楽器博物館
ブリュッセル発祥の建築様式アールヌーボーは新しい芸術を意味し、花や植物などのモチーフや曲線美にこだわりをもったデザインが特徴的で、鉄やガラスなどの当時の新素材の建物です。
ブリュッセルにはアールヌーボー建築がいくつか現存していますが、グランプラスから徒歩圏内にあるのが楽器博物館(Musical Instruments Museum)です。
楽器博物館には1万を超える楽器が保管されており、中には世界的に貴重な楽器も展示している博物館です。
小便小僧
<2011年の小便小僧>
裸の姿でおしっこをする小便小僧(Manneken Pis)の噴水はブリュッセルの有名なシンボルです。
<2022年の小便小僧>
小便小僧の起源は、爆弾の導火線に着火した火をオシッコで消化して町を救った少年ジュリアン君に由来しているとの伝説があり、小便小僧はジュリアン君との愛称で呼ばれています。
現在の像は1965年に製作されたレプリカで、オリジナルは市立博物館に展示されています。
裸の小便小僧ですが時には衣装を纏うこともあります。イベントやお祝いなどでプレゼントされた洋服は1000着以上あり、その一部は市立博物館で見ることができます。
小便少女
小便小僧のパロディー作品の小便少女(Jeanneke Pis)は1985年に制作され、1987年から飾られています。
ギャルリー・サンチュベール
ガラス天井のショッピングアーケードギャルリー・サンチュベール(Galeries Royales Saint-Hubert)は1847年にベルギー建築家ジャン・ピエールによって設計された美しいアーケードです。
ルネッサンス様式の装飾があしらわれた壁に、アーチ型のガラス天井は、当時はもとより今でも美しさと華やかな印象を感じます。
ギャルリー・サンチュベールにはハイエンドのショップやレストラン、劇場、お菓子屋さんやお土産屋さんなどがあります。
サン・ミッシェル大聖堂
1936年に歴史的建造物に指定されたサン・ミッシェル大聖堂(Cathedral of St. Michael and St. Gudula)は、9 世紀に聖ミカエルに捧げられた礼拝堂があったブリュッセルの最も重要な場所だとされています。
現在の大聖堂の建設は11世紀にロマネスク様式の教会として建設が始まり、その後にゴシック様式に変更されながら16世紀に完成しました。
その後も何度も増改築されているため、礼拝堂は後期ゴシック様式とバロック様式、ステンドグラスのある通路の一部がネオゴシック様式の装飾だったりと、盛りだくさんの建築様式仕様で仕上がっています。
ノートルダム・デュ・サブロン教会
ノートルダム・デュ・サブロン教会(Church of Our Blessed Lady of the Sablon)は1400年ごろから1世紀をかけて建設されましたが、その後は増改築や修復の記録はなく、19世紀後半に修復工事が始まったときは荒れ果てた姿だったそうです。
今では美しい彫刻やステンドグラスがあしらわれた美しい姿を取り戻しています。
ベルギーチョコレートを食べよう!
カカオが貴重な時代は上流階級の高級お菓子だったチョコレート。
20世紀初頭にアフリカから大量のカカオの仕入れルートを確保したベルギーは、一躍チョコレートの生産大国に仲間入りし、一般市民でもチョコをお手軽に食べれる時代がやってきました。
1894年以来ベルギーではチョコを生産するカカオの割合が法律で規制され、高品質を維持していることからベルギーチョコレートの名が世界へと広まりました。
ベルギーの有名なチョコレート屋さんはGodiva、Neuhaus、Wittamer、Marcolini、Leonidas、Galler、Côte d’Or、 Belcolade、Callebaut、Mary’s Chocolaterieと、キリがないほどたくさんあり、そのうちのいくつかのブランドは王室御用達にもなっています。
Godiva
日本でもお馴染みのGodiva(ゴディバ)はベルギー王室御用達のチョコブランドです。
1945年にゴディバ1号店がグランプラスにオープンし、一口サイズの美しいチョコレートが販売されたことから、チョコが贈り物として定着しはじめたといわれています。
今でもゴディバ1号店には多くのチョコ好きが訪れています。ぜひ1号店で本場のゴディバチョコを味わってみてください。
Neuhaus
ボンボンショコラの生みの親Neuhaus(ノイハウス)もベルギー王室御用達のチョコブランドです。
1857年創業のノイハウスはブリュッセルで老舗のチョコレート屋さんです。中に詰め物をした一口サイズのチョコレートのボンボンショコラの生みの親であり、宝石箱のようなチョコレート専用の箱の発案者でもあります。
クリームがたっぷり詰まったカプリスチョコはノイハウスでしか味わえません。
Leonidas
1913年創業のLeonidas(レオニダス)もベルギー王室御用達のチョコブランドです。
創業当時は作り立てのチョコレートをショーウインドーに並べ、グラム売り販売していたことから、気軽に買える庶民派のチョコ屋さんとして人気が広まって、創業100年を迎えた2013年に王室御用達のチョコブランドに仲間入りしました。
レオニダスは他の高級ブランドよりお手軽に買える商品が多く、今でも気軽に買えるチョコ屋さんとして大人気です。店頭で販売しているソフトクリームはコーンの内側がチョココーティングされていて最後まで美味しいソフトクリームです。お試しあれ!
ベルギーワッフルを食べよう!
ブリュッセルの繁華街には誘惑的なワッフル屋さんがたくさんあって、グランプラス周辺はいつも甘い匂いが漂っています。
ベルギーで食べられるワッフルはリエージュワッフルとベルギーワッフルの2つのタイプがあります。
リエージュワッフルは日本やオランダで一般的なタイプのワッフルで、硬めに焼いてあるのが特徴です。生地に砂糖が含まれているので、そのままでも甘くて美味しいワッフルです。
ベルギーワッフルは長方形でサクフワ食感の生地が特徴です。生地の味が薄いのでクリームやチョコをたっぷりかけて食べるワッフルです。
見た目と食感が違った2タイプのワッフルは、どちらも焼きたてが最高に美味しいです。アチコチにワッフル屋さんが出店しているので食べ歩きしてみてください。
ワッフルを食べ比べ・Maison Dandoy
ブリュッセルでワッフルといったらMaison Dandoy(メゾン・ダンドワ)が有名店です。ここではリエージュワッフルとベルギーワッフルの両方を食べることができます。
店内でも食べれるのでワッフルでお茶タイムするならココがオススメです。
ベルギーワッフルを作ってみよう!
ブリュッセルではベルギーワッフルを作って食べるワークショップ・ツアーが開催されています。
お子さまも参加できるファミリー向けのワークショップです。
所要時間が約1時間30分なので、休憩をかねて手作りワッフルでお茶タイム。ベルギーワッフルを上手に作れるコツを学ぶことができるかも!
ベルギーを食べ歩き!
フリッツ(フライドポテト)はベルギーが発祥です。食べ歩きするなら本場フリッツは欠かせません。
グランプラス近くのFritlandは深夜まで営業している人気のフリッツ屋さんです。フリッツメニューも人気ですが、フリッツをフランスパンに挟んだダブル炭水化物のサンドイッチも人気のお店で、常に行列ができています。
そしてベルギーはムール貝も有名です。Moules-frites(ムール・フリット)と呼ばれるベルギー料理は、ムール貝をおかずにフライドポテトを食べる定食的なスタイル。
大きな鍋にいっぱいのムール貝はインパクト大です。量が多く見えますが、美味しいのでペロリできちゃいます。ムール貝の味付けがしっかりしているので、あっさり味のフライドポテトとの無限ループをぜひ堪能してみてください。
ブリュッセルの観光マップ
本日ご紹介した観光情報の地図です。
オランダからブリュッセルへの行き方
ベルギーはオランダの隣国。鉄道やバスで日帰り観光できるほどアクセスがいいです
EU圏内なのでパスポートチェックも必要ありません。(身分を証明できるIDは携帯しましょう。)
鉄道
アムステルダムからブリュッセル南駅までは高速列車Thalys(タリス)で約2時間です。
また特急電車NS International(オランダ鉄道)でも約3時間で行くことができます。
タリスはブリュッセル南駅に到着するので、グランプラスまではトラムを利用すると便利です。オランダ鉄道はブリュッセル中央駅で下車するとグランプラスまで徒歩5分です。
どちらの電車も早めに乗車券を購入すると早割で安く購入できることがあります。(2週間前に購入して片道€33でした。)早めに計画を立ててお得に観光してみてください。
バス
予算をおさえたい方にはFlix Bus(長距離バス)がお勧めです。アムステルダムからブリュッセル北駅まで€8〜と低予算で訪れることができます。
移動時間は3〜4時間とかかってしまいますが、乗車してしまえば乗り換えなしで到着します。バスの揺れに身を任せて寝るもよし、バス内の無料Wifiで映画を見るもゲームをするもよし。
早朝便から深夜便まであるのでフレキシブルな旅行プランをたてられます。
ブリュッセルのイベント
ブリュッセルの2大イベントをまとめた記事です。