ドイツ西部の国境の都市アーヘン(Aachen)は古代ローマ帝国時代より温泉保養地として栄えました。
アーヘンという街の名前はラテン語で水を意味するアクア、また古いドイツ語で水を意味するAhhaが語源になっているそうです。
16世紀から20世紀にかけて侵略や戦争により、街のほとんどが崩壊しています。現在の街は戦後に再建された建物が多いですが、中には古い建物がほぼ無傷で現存しています。
アーヘンでしか見ることのできない貴重な歴史的建築物を見て周り、アーヘングルメを食べ歩き、疲れたら温泉で一休み、年末にはクリスマスマーケットも楽しめる、1泊2日をフルに遊べるアーヘン観光をしてきました。
アーヘンの見どころ食べどころをまとめたので散策の参考にしてみてください。
アーヘンの見どころ・食べ処
クリスマスマーケットで訪れたアーヘン観光。1泊2日で観光+温泉+クリマと楽しむことができました。旧市街地の観光だけなら日帰りでも周れると思います。
皇帝のカテドラル・アーヘン大聖堂
北ヨーロッパで最も古い大聖堂だとされているアーヘン大聖堂(Aachener Dom)は、10世紀〜16世紀の600年の間に神聖ローマ帝国の皇帝たちの戴冠式が執り行われた場所で、「皇帝の大聖堂」とも呼ばれています。
約1000年の時をかけて建設と増築され、現在の姿になったアーヘン大聖堂。
建物に入って目の前に広がる八角系の礼拝堂は796年に建てられたものが現在でもほぼ無傷で残っています。礼拝堂の高さは30mもあり、12世紀の貴重なシャンデリアが吊るされています。このシャンデリアはアーヘン大聖堂の守護神である聖母マリアのために皇帝が寄贈したもので、当時の金細工の最高傑作の1つだとされています。
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繊細で美しいステンドグラスがある祭壇にはマリアヌムと呼ばれるマリア像が吊るされています。また天井のフラスコ画やモザイク画もとても精妙で美しかったです。
アーヘン大聖堂に入ると違った時代に訪れたようなタイムトラベル感がありました。
お城のような市庁舎
まるでお城のような建物の市庁舎(City Hall Aachen)は14世紀に建てられましたが、災害・侵略・火災・戦争などで幾度も再建されており、その度に建築スタイルがゴシック→バロック→ネオゴシックと変更しているそうです。
現在は市庁舎の中は博物館のようになっており、神聖ローマ帝国皇帝の神器や戴冠式の晩餐会ホールなどを見学することができます。
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18世紀のインテリア・クーヴェン博物館
市庁舎の裏にある建物のクーヴェン博物館(Couven Museum)は見た目は質素で古い建物ですが、18世紀〜19世紀に人気だったスタイルのインテリアが残っている貴重な博物館です。
この建物は17世紀に建てられた薬剤師さんのお家でした。1階には薬局スペースがあり1662年〜1939年までアドラー薬局がオープンしていました。今でも薬局部屋が残っています。
18世紀にドイツの建築家ヤコブ・クーヴェンにリフォームされ、様々なインテリアが追加されました。バロック様式、ロココ様式、皇帝の部屋風、ブルジョア風などと、各部屋ごとに違ったコンセプトのデザインで飾られています。
20世紀に建物を市が購入しクーヴェンの建築を保護しています。1958年からクーヴェン博物館としてオープンしました。
18〜19世紀に人気のあったインテリアを1つの建物内で見て周ることができる素敵な博物館でした。
個人的に最も感動したのはタイル部屋です。壁4面が6000枚のタイルで覆われていました。全部が違った絵柄で、古いもので16世紀のタイルも使われているそうです。
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温泉水が湧くエリゼンブルネン
2000年前から温泉文化があったアーヘンは、古くから温泉保養地として栄えてきました。保養に訪れた人が質の高い温泉水を市内で汲めるように水飲み場として1827年に建てられたのがエリゼンブルネン(Elisenbrunnen)です。
元々のエリゼンブルネンは大理石のタイルが張られており、音楽堂などのレクレーション施設も兼そろえたエレガントな水飲み場だったようです。
1907年には建物内にレストランやバーが加えられ、温泉水の試飲が有料だった時代もあったそうです。
かつての建物は戦争で崩壊してしまったので、現在あるものは20世紀に再建されています。昔のような優雅さは失われてしまいましたが、現在でも温泉水を汲むことができます。(飲用はできません。)
観光案内所
エリゼンブルネンのレストランだった部分は、現在は観光案内所(Aachen tourist service)となっています。
カロルス温泉
カロルス・テルメン(Carolus Thermen)は、2001年にオープンした新しい温泉施設です。硫黄の香りが強く、そしてミネラルを多く含んだアーヘンの温泉水には、リウマチ、痛風、筋肉痛、皮膚疾患などの効能があるそうです。
室内温泉プール、室内温泉ジャグジー、室内スチームバス、屋外温泉プール、そしてサウナと、半日のんびり過ごせる広い施設でした。
ショッピングモールでお買い物
2015年にオープンしたショッピングモール(Aquis Plaza)には130店舗ものお店が入っています。雨の日でも買い物が楽しめます。
モール内にはドイツのドラッグストアで人気のdmが入っているので、帰る前に必ず立ち寄りたいスポットです。
ズエルモント・ルートヴィヒ美術館
訪れた日が休館日で入場できなかったズエルモント・ルートヴィヒ美術館(Suermondt Ludwig Museum)。こちらの建物はヴェネツィアの宮殿にインスパイアされたデザインになっているので、とても興味がありました。
12〜16世紀の彫刻コレクションなども保有しているので、次回に訪れたい美術館です。
アーヘン名物プリンテン
街中のお菓子屋さんに並んでいるのはアーヘン名物のプリンテン(Printen)と呼ばれるジンジャーブレッドに似たお菓子です。
試食してみたらカルメ焼きみたいな昔懐かしい味わいでした。
旧市街にはプリンテンのお菓子屋さんがたくさんありました。チョコでコーティングされたバージョンや、可愛い缶カンに入ったお土産バージョンなどと多彩です。クリスマスシーズンは特にラッピングが煌びやかでした。
どのお店もディスプレイがとても可愛いのでウィンドーディスプレイ巡りも必見です。
シナモンロール専門店
ドイツでチェーン展開しているシナモンロール専門店のシナモード(Cinnamood)。近々アムステルダムにもオープンするそうですが、ひと足先にアーヘンで食べてきました。
クラシックのシナモンロールはリッチなシナモンの味わいと、上にかかっている白いお砂糖の甘さがマッチしてとても美味しかったです。そして食べごたえのあるボリューム感でした。
ケーキ風のフレーバーもあったので、レッドベルベッドとティラミスをお持ち帰りしました。テイクアウト用の箱も可愛かったし、お洒落なオヤツタイムになりました。美味しかったです。
ケーキ風は甘味が強かったので、半分こして食べるのがちょうどいいかもしれません。
店内では食べれなかったので、食べ歩きやお家用で楽しみましょう。
蒸し餃子・ダンプリング専門店
アーヘン工科大学の近くにあるウェイウェイ(Wei & Wei)はダンプリング専門店。メニューには種類豊富な蒸し餃子がラインナップしてました。
チキン・ポーク・ビーフ・シュリンプ・ベジタブルと具材が様々で、注文を決断することが困難です。そんな時はWei & Weiベーシックメニューをオーダーしましょう。
10種類のダンプリングが1個づつ、2種類のソースで食べれる贅沢メニューです。
メニュー表にそれぞれの具材が表記されてるので、好みのダンプリングを見つけることができました。全部美味しかったけど、エビとビーフは格別でした。
蒸したてホクホクを提供してくれるので体も温まりました。
アーヘンの観光マップ
紹介した観光情報を地図にまとめました。
アーヘンに宿泊
アーヘンはアムステルダムから3時間で訪れることができるので日帰り観光もできますが、せっかくなのでクリスマスマーケットと街観光、そしてアーヘン温泉でのんびりとしたかったので1泊2日の週末旅行で観光してきました。
アーヘンの旧市街の中心、市庁舎の真横のホテル 3 Konigeに宿泊しました。夜21時頃まで観光したりと出歩いていたので、観光地の中心にあるホテルは便利で安全安心でした。
お部屋はシンプルなインテリア。綺麗でバスタブ付きで暖かく快適でした。窓の気密性が良かったので、外は賑やかでもお部屋はとても静かで快適でした。
アクセス
アムステルダムからアーヘンまで鉄道で約3時間です。
アムステルダムからオランダ南部の都市マーストリヒト(Maastricht)、またはシータッド(Sittard)までオランダ鉄道(NS)で移動し、そこからアリーバ鉄道(Arriva.nl)を利用してアーヘンまで訪れることができます。
アリーバ鉄道でもOVカード(オランダ鉄道のICカード)が使えるので、サブスクリプションNS-Flexの割引料金で電車に乗車できました。
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