一昨年から始まった24時間アムステルダム(24uur Amsterdam)というイベントは、アムステルダムの工場や風車など、普段は入ることの出来ない所にを見ることができる社会科見学のような要素が含まれています。
2022年の初回はセントラルをメインに開催され、市立劇場を見学してきました。
昨年の2023年はノード(北)をメインに開催され、風車や船舶ドックを見学してきました。
2024年の今年は5月にウエスト、9月にイースト、10月にニューウエストをメインに開催されました。
イーストとニューウエストのイベントには参加できていないのですが、ウエストの24時間アムステルダムでピクルス工場と旧中央市場と製材風車の3カ所を見学してきました。
ピクルス工場を見学
1948年創業のKesbeke(ケスベーケ)はオランダで定番のピクルスブランドです。
スーパーマーケットの瓶詰めコーナーにてKesbekeの商品を見たことがある方は多いのではないでしょうか。
そんなKesbekeの工場がアムステルダムにありました。
工場の奥にあるスペースで野菜を洗い、カットして瓶詰めにしています。作業の大部分が機械作業ですが、瓶詰めする直前に野菜が痛んでいないかなど、クオリティーの確認を目視で入念に行なっているそうです。
瓶詰めされた製品はラベルを貼って、パッキングして出荷されていきます。ラベル貼りからコンテナに積まれるまでは全自動で流れていました。
Kesbekeのピクルスは種類が豊富で、いろいろな野菜の瓶詰めがあります。
筆者は正直ピクルスが苦手なのですが、Kesbekeのキムチは好きです。ほどよい辛さで酸っぱすぎないキムチは美味しいので試してみてください。
普段は工場見学はできませんが、工場前にKesbekeのピクルスショップがオープンしています。スーパーマーケットには並んでいないKesbekeの全商品がならんでいるので、ピクルス好きさんにはおすすめのお店です。
旧中央市場を見学
かつてはアムステルダムの台所だった中央市場。全盛期には専用の水路や鉄道まで有していた活気あるマーケットだったそうです。
1934年には市場の中央に当時のヨーロッパで最大のマーケットホール(Centrale Markthal)が建設されました。
21世紀を迎えると、その役割を終え空家となったマーケットホール。歴史ある建物は文化遺産として保存されています。
70m×100mの巨大なスペースでは定期的にイベントが開催されています。音楽系のフェスから見本市、スポーツ競技などと多種多様な催しも多いですが、食べ物系のイベントも多いのは旧マーケットだからかもしれません。
普段は入場不可なマーケットはイベントの時のみ訪れることができます。市場は広く、敷地の入り口からマーケットホールまでは専用の車に乗って移動します。
風車を見学
ウエスト地区を流れるシンゲル運河沿いには、かつて大規模な製材工場群があったそうです。その工場の最後の1つとして現存しているのがデ・オッテル風車(Molen De Otter)です。
オランダ国内で現存する製材用の風車はたったの5基。その中でもデ・オッテル風車は最も古い歴史ある製材工場の風車だそうです。
2008年に工場は廃業してしまったそうですが、その後に改修工事が行われ、今でも製材ができる風車に復旧しています。現在は毎週火曜に風車を見学でき、ワークショップなどを開催しているそうです。
オランダの風車は、なぜか背面に顔が描かれてることが多いです。デ・オッテル風車のお顔は目玉がクリクリで可愛らしかったです。
24時間アムステルダムはアムステルダムの歴史・文化・地域性を学べる市民向けのイベントです。また社会科見学以外にも様々なイベントが市内各地で催されていました。
次回は2025年の3月22日にセントラルを舞台に開催が予定されています。イベントの詳細は通例1〜2ヶ月前くらいから発表されることが多いです。
次はどんなところを見学できるか今から楽しみです。