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【オランダ】フロリアードで見のがせない建築・アート・デザイン

オランダのデザイン
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敷地面積60万㎡と広大な会場の国際園芸博覧会・フロリアード2022

施設内には数多くのパビリオン、アートワーク、庭園などが設けられています。

丸一日かけても全部の施設を隅々まで見てまわるには時間が足りません。

ある程度は見たいところを絞ってから周ってみてください。

今週は「フロリアードで見逃せない建築とアート」と題して、筆者がおすすめする見どころをご紹介します。

 

 

 

 

敷地内のエリア

フロリアードの敷地はエリア分けされており、各エリアごとにテーマにそった展示がされています。

フロリアードのエリア

・セントラルスクエア
・Urban District(アーバン区)
・Utopia Island(ユートピア島)
・Eco District(エコ区)
・Green Island(グリーン島)
・Hortus Avenue(ホルトゥス通り)

 

エリアごとに注目したい建築やアート作品をご紹介してまいります。

※記載している番号・記号は公式マップに添っています。

【オランダ】フロリアード完全ガイド!地図・見学ルート・お食事処・持ち物のまとめ
60haと広大な敷地のフロリアードには決まった見学ルートがありません。広すぎてどこから周ればいいのか悩ましかったので、上手に見て周れる散策ルートを考えました。休憩とロープウェイに乗車するタイミングが重要です。お出かけの参考にしてみてください。

 

 

Urban District(アーバン区)

アーバン区には全28個のパビリオンがあり、オランダや日本を含め19の国の展示がありました。

環境への取り組みや、庭園、特産品などと国ごとに様々な展示がされています。パビリオンのデザインも独創的なものから、環境に優しい建材などが使われています。

その中でも印象的だったパビリオンが10個をご紹介します。

 

no.48 Thailand(タイ館)

お寺を想わせる屋根が特徴的なタイのパビリオン。建物全面の水上マーケットをイメージした庭園には檸檬の木や水蓮、ハーブなどが植えられています。

館内では観葉植物やフラワーアレンジメント、特産品などが展示されています。

 

 

no.50 India(インド館)

インド館ではインドのお香やアクセサリー、雑貨を販売しています。渋谷や原宿にあるインド雑貨屋さんのような、どこか懐かしい雰囲気です。

オランダではインド雑貨屋さんを見かけることがほとんどないので、お買い物を楽しめるパビリオンでした。

 

 

no.52 Satoyama Farm(日本館)

日本庭園と茅葺き屋根の日本館は「里山の農家の庭」をテーマとしています。

古くから人々が環境と調和して暮らす里山は、自然との共存する豊かな生活文化を築きあげています。日本の古き良き風景を展示しています。

 

館内は展示スペースとなっており、生花や盆栽などが展示されています。5月上旬は押し花がメイン展示でした。屋内展示の内容は約2週間ごとに変わるようです。

フロリアード日本館公式ホームページ >>

 

 

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no.53 Qatar Pavilion(カタール館)

カタール館では砂漠を緑豊かで持続可能な都市へと変えるためのカタールのビジョン、開発、革新を提案しています。

「砂漠の巣」と呼ばれるタワーは3Dプリントで建てられており、現在のところ3Dプリントで建てられた世界一高い建物となっています。

 

 

 

no.66 Biotopia(ドイツ館)

万国パビリオンで最も賑わっていたのがドイツ館です。持続可能な方法で都市と自然がいかに共生できるかを紹介しています。

 

入口で配布されるスマートブレスレットを使って館内の様々な展示物を起動し、未来のグリーンな都市についての展望を作成することができる、体験型のパビリオンとなっています。

 

 

no.84 China(中国館)

「成長する中国の竹の庭」をテーマに、中国のガーデニングと竹産業の技巧を紹介しています。

 

古典的な竹細工の技術を用いて、近代的なデザインとすることで、昔と今を融合した庭園となっています。

 

 

no.88 UAE(アラブ館)

「陸と海が出会う塩水都市」と題したアラブ首長国連邦(UAE)のパビリオン。

水不足、灼熱の気候、塩辛い土壌。植物を育てることが不可能な土地で成長する緑の年をどのように築き上げるかの提案がされています。

 

再生プラスチックを原料に3Dプリントされた壁、そして塩水庭園が展示されています。またここのパビリオンに植栽されているアッケシソウ、マングローブ、微細藻類、海草は塩水で育つ植物です。

 

 

no.89 Mycelium Parc(菌糸体パーク)

こちらは万国パビリオンではありませんでしたが興味深かった建物です。

この建物は農産業廃棄物となる木材、麻、菌糸体、綿などの材料で構成されています。デコボコしている外壁を触ってみると独特の質感をしていました。

設計:Company New Heroes

 

 

no.100 Natural Pavilion(オランダ館)

オランダ館の格子状の建物は、3.5m x 3.5mの木フレームで構成されており現場で容易に組立と解体ができるようになっています。

設計:DP6

 

館内ではオランダが抱えるエネルギーや住宅不足、農業の持続可能性の向上、気候変動などの問題解決となりうるイノベーションを展示しています。

堅苦しいテーマですが、展示方法に遊び心があり、ダッチデザインに溢れたパビリオンとなっています。

 

 

no.106 Gemeentes Amsterdam en Almere(アムステルダム・アルメール館)

アムステルダム市とアルメール市のパビリオンは、多くの建築家やデザイナー、そして市民の協力のもとに作られています。

四方を壁で囲った建物の中へと入ると庭園が広がっています。古典的スタイルのパビリオンですが、建材の多くがバイオベース素材(再生可能な生物由来の資源を原料にしたもの)が使われています。

 

曲がりくねった道をたどって進む庭園では、都市で人間と共に生活している動物との関わりをテーマに展示されています。

 

 

 

Utopia Island(ユートピア島)

ユートピア島には木材を使ったアートワークが多く展示されています。子どもたちが遊べる遊具があったり、写真映えする芸術作品や風景が広がっています。

 

no.F The look out(見晴らし窓)

未来の緑豊かな街でのアートの役割を提案しているユートピア島には、ネイチャーアーティストのウィルベッカーズ(Will Beckers)の作品がいくつかあります。

その中でもThe Look Outと題した蔦のアートは、丸い穴の部分から湖が一望できるため、人気の写真撮影スポットとなっていました。

 

 

no.H Utopia tower(ユートピアタワー)

ユートピア島のシンボルとなっているユートピアタワー。楳図かずおカラーが特徴的で可愛らしかったです。

 

no.J Horn of wishes(ホーン)

こちらもアート作品なのですがホーン(角笛)になっています。発声した声が遅れて拡張されるユニークな作品でした。

 

 

 

Eco District(エコ区)

ヨーロッパの王宮庭園を想像させるようなデザインガーデンっとなる予定なようですが、残念ながら5月上旬の段階では小さなチューリップ畑があるだけでした。今後に手入れが進んでいくと思われます。

 

 

 

 

セントラルスクエア

セントラルスクエアではフロリアードのメインとなるMVRDVの建築と、シンボルとなる巨大アートを見ることができます。

 

no.90 Flores(フローレスタワー)

敷地の中心にそびえ立つフローレス・タワーは、博覧会の期間中はイベント会場やテレビ放送の拠点として使用されますが、その後は80戸の住宅となり、そして1階には商業スペースが設けられます。

カラフルなファサード(外壁)は博覧会に植栽された植物がガラスパネルにプリントされています。

設計:Klunder Architects
ファサードデザイン:MVRDV

 

 

no.193 Kunstpaviljoen M(アートパビリオン)

アートパビリオンMでは没入型アートが展示されています。建物内部は美術館仕様となっていますが、建築物は透明なため日没後は提灯のように光るデザインになっているよう…なのですが、フロリアード開催中の夏季は日没が遅いので夜景は見られません。

設計:Studio Ossidiana

 

 

no.C Beehold(巨大アート)

巨大アート作家で有名なオランダ人アーティストのフロレンティン・ホフマンさんの作品「Beehold(ビーホールド)」は、フロリアードのメインアートとなっています。

手を繋いだ2体の巨像は近くで見ると、コールテン鋼で作られた1万匹のミツバチでパッチワークのように連なっていました。

自然界のバランスを保つために重要視されているミツバチは、このアート作品でも主要な役割を担っています。

このビーホールドを上手に撮影すると、フローレスタワーを支えていたり等のトリックアート写真っぽく撮ることができるので試してみてください。

 

 

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Green Island(グリーン島)

自然豊かな森エリアのグリーン島には小鳥のさえずりが響き渡っています。赴くままに散策して自然とアートを鑑賞してみてください。

 

no.14 Almeerse Wolunie(カラフルな景観)

グリーン島で最も綺麗だったパビリオンAlmeerse Wolunieは、壁の一面が750個のガラス瓶で構成されています。

 

ガラス瓶の中には水が入っており、それぞれに異なった羊毛と植物染料が混ぜられています。ガラス瓶が太陽光で温められることによって植物染料が溶け出し、ゆっくりと羊毛が着色されてゆきます。

フロリアードが開催される6ヶ月の間、毎日少しずつ変わりゆく色を見ることができるようになっています。

 

 

 

Hortus Avenue(ホルトゥス通り)

ホルトゥス通りは食に関連した展示が中心になっています。※5月上旬はまだ工事中のところが多く、見学できるエリアが少なかったです。

 

no.119 Woonzorgcentrum Flora(療法センター)

認知症患者用の療法センターでは、認知症の方と一緒に暮らすことがどのようなものかを体験することができます。博覧会終了後も療法センターとして引き続き使用されるようです。

設計:Borgerink Architects

 

no.136 The Green House(グリーンハウス)

長さ170mの巨大なビニールハウス内にはたくさん様々な種類のお花が咲いています。

園芸博覧会が凝縮されたような展示スペースになっており、いろんな種類のお花を見たり、映え写真を撮るなら、このグリーンハウスだけで事足りてしまいます。

 

 

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no.141 World food Pavilion(ワールドフードパビリオン)

ワールドフードパビリオンでは新しい食品の提案がされています。目玉焼きの絵の建物では食品に関するショート動画を通じて、食べ物が食卓に並ぶまでの生産過程を見て学ぶことができます。

 

 

フロリアード敷地内に建設された橋のデザインもとても特徴的でした。

 

flax bridge(亜麻の橋)

亜麻は何千年もの間、衣類や袋やロープなどに加工されて生活必需品として使われてきた植物です。

もともと強度がある繊維を持った亜麻は軽くて安定供給のしやすい材料です。この亜麻に特殊なバイオ樹脂を組み合わせることで、アルミニウムや鋼に匹敵する建材になる可能性があると注目を浴びています。

 

Tweede Leven Brug(セカンドライフ橋)

古くなった橋の材料を再利用して作られた橋です。木材からは年季を感じますが、まだまだ十分な強度を持っており、橋としての役割を果たしています。

 

 

Circulaire bruggen(循環可能な橋)

BeverbrugRondjeWeerwaterと名付けられた2つの橋は、最初から再利用することを目的として架けられた橋です。

この2つの橋にはセメントレスコンクリートと呼ばれる新素材が使われています。

 

セメントレスコンクリートとはその名の通り「セメントを使わない」で作る建材で、見た目はコンクリートのようなネズミ色ですが、材料にセメントが含まれていません。そのためセメント製造時に発生するCO2を無くすことができ、環境負荷低減へと繋がります。

この2つの橋の建設にセメントレスコンクリートを用いたことで57トン以上のCO2削減できたとのことです。

 

 

 

問われる博覧会の需要性

フロリアードは2022年10月9日まで開催されます。その後に会場となっている敷地は緑豊かな住宅地として生まれ変わる予定になっています。

 

環境への配慮、エコ、サスティナブルをテーマとした博覧会となっていますが、実際にフロリアードの建設や地盤基礎などにはコンクリートなどのリサイクルができない建材が使われています。

またMVRDVがデザインしたファサードが特徴的なFlores(フローレスタワー)は、初期デザインでは植物プランターで覆われた壁面緑化の建物となる予定でしたが、予算都合でリサイクルができないガラスパネルへと変更されています。

その他にも予算削減や工期などにより、会場構成にはリサイクルできない建材が使われることとなってしまいました。

 

 

「果たしてフロリアードを開催することは環境に優しいのか?」

「オランダの住宅不足を解消するためにも、初めから住宅を建てたほうが良かったのでは?」

 

このようなフロリアードに対する批判的な意見もあるようです。

 

 

一昔前までは博覧会や万博の場が最新技術やデザインを見ることができる唯一のスペースでした。

しかしインターネットが普及した現代では最新技術を写真や映像で閲覧でき、誰でも情報収集が容易となっていますし、専門家同士の交流の場としての博覧会の重要性が今後も保てるのかどうかには疑問を感じるところがあります。

またフロリアードにかかる費用の多くは税金と入場料が財源となっています。入場料35ユーロ(約4700円)と安くはない価格設定に見合った物があったかと言われると…、正直なところキューケンホフやナショナルパークの方が自然豊かに感じてしまうでしょう。10年に1度だけの開催というプレミア感がフロリアードの支柱になっているようにも感じてしまいました。

 

次の2032年開催予定のフロリアードには博覧会の在り方と意義が問われそうに思います。

 

 

開催概要

開催期間:2022年4月14日〜2022年10月9日
開園時間:10時〜19時
入場料金:€29〜
URL:Floriade.com

 

【オランダ】Floriade2022・国際園芸博覧会フロリアードとは?
10年に1度の国際園芸博覧会・フロリアードが2022年10月9日までオランダ・アルメールで開催されています。園芸についての知識は乏しいのですが、会場構成の建築物やパビリオン、アート展示作品などがとても気になっていたので行ってきました。
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