ロッテルダムを拠点として活躍する建築家集団MVRDV。オランダが誇る設計事務所MVRDVは今では世界中で大活躍しており、東京の表参道にあるGYREはMVRDVが設計しています。
2000年初期には既に3Dで設計パース(完成予想図)を描いていたMVRDV。当時は最新技術とそのカッコ良いセンスに憧れと尊敬の眼差しが一挙に集まりました。今でも時代ごとの斬新さを常に表現しているMVRDVです。
1993年に設立されたMVRDV(エム・ブイ・アール・ディー・ブイ)。
名前の由来は設立メンバー3人の頭文字からとった単純なネーミングとのことですが、その響きが素敵です。
ヴィニー・マース (Winy Maas, 1959年 – )
ヤコブ・ファン・ライス (Jacob van Rijs, 1964年 – )
ナタリー・デ・フリイス (Nathalie de Vries, 1965年 – )
MVRDVの代表建築
オランダ国内にあるMVRDVの建築をご紹介します。
Wozoco housing
今では世界中でプロジェクトがあり、日本を含めあらゆる国で彼らの建築を観る事ができますが、MVRDVが一躍有名となったのはWozoco housing in Amsterdam (1994–1997)、通称オクラホマだと思います。
アムステルダムに建てられた高齢者向けの集合住宅オクラホマ。
建設に伴い要望された住戸は100戸でした。
敷地内にベーシックに建設すると87戸がマックスとなってしまい、残りの13戸を建物から飛び出した形で設計されています。
とってつけたアイディアではなく、構造的にも設備的にも住環境的にも利にかなっており、なおかつアムステルダムで建築費が最も低い「ソーシャルアパートメントプロジェクトが実現したと言われました。
建物内の一般見学はできませんが、その外観を一目見ようと今でも多くの人が訪れています。
用途:高齢者向け集合住宅
竣工:1997年
面積:7,500 m2(100戸)
費用:€ 4.5 million
所在地:Reimerswaalstraat 1, 1069 AE Amsterdam
Silodam
同じくアムステルダムにある集合住宅the Silodam Housing complex in Amsterdam、通称シロダム。
アムステルダム中央駅からも近く、かつアイ湾に面した静かな立地は今でも人気物件です。
古い穀物庫をリノベーションした建物は、オフィス、商業施設、住居を兼ねている複合施設です。
パッチワークのような、異なった素材や形が積み重なったような外観のように、内部も家ごとに違ったユニットから構成されています。
湾に面している、というか湾の上にあるということから、自家用ボートでもアクセスできるオランダらしい作りです。
時々、不動産会社のHPに空き部屋が掲載されています。100㎡の1LDKで月€2000〜2500くらいの相場です。
用途:複合施設、集合住宅
竣工:2003年
面積:19,500 m2(165戸)
費用:€ 16.8 million
所在地:Silodam 351, 1013 AW Amsterdam
Parkrand
Parkrand(パークランド)は、周辺の公園や自然にとけこむ建築がコンセプトになっています。
建物の幅135m x 奥行き34m、建物高さ34mと巨大な建築物ながら、アーチ型にくり抜かれた造形になっていることでその大きさを感じさせず、また隣接する小さな公園とも一体性を伴うデザインになっています。
建物がくり抜かれているデザインは、建物の裏側にある緑や空が垣間見え、巨大な建造物にも関わらず周辺環境に圧迫感を与えません。
Valley
見た目がカオスなこのプロジェクトは、総床面積75000㎡もあり、オフィス・住宅・商業施設の混合プログラムを含む多機能ビルとなります。
Depot
DEPO(収蔵庫)とは、貴重で繊細な文化財を長期間、最良の状態で保存しておく倉庫のことで、隣接するボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館(BoijmansVan Beuningen)の作品を保管するために建設されたのがDepot(デポ・ボイマンス)です。
収蔵庫は美術館の舞台裏です。
貴重な美術品は温度・湿度・照度の管理が必須となっているため基本的には学芸員や美術館職員しか入ることが許されないエリアです。
そんな秘密の舞台裏に潜入できるのがデポ・ボイマンスの魅力になっています。
デポ・ボイマンスではボイマンス美術館が所有する15万点以上の作品を誰もが鑑賞できるようになりました。
MARKET HALL
ロッテルダムにある人気観光スポットのマルクトハル。
1階部分がマーケットとなっている巨大な建物は、世界中から観光客が訪れるランドマークとなっています。
アーチ状の外観も目を惹くことながら、アーチ内部の一面に広がる絵画の美しさには圧倒されます。
オランダの広場でよく見られる屋外マーケット。
そのマーケットの衛生面や保護を目的とした試みで計画されたマルクトハルは、アーチ状の建物部分が集合住宅となっており、その真下(アーチの中)が全てマーケットとなっています。
小売店やレストランも含めると100店舗以上のお店が連なり、雨風しのげる密度の高いマーケットには常に活気があり、店舗ごとの商品やディスプレイもクオリティーが高いです。
集合住宅部分は、アーチ内部にリビングやダイニングが面しており、マーケットとのつながりがあります。
外面には大きな窓やテラスがふんだんに設置され、多くの日の光が取り込めるようになっています。
不動産会社の空き部屋情報では、110㎡の3LDKで月€1300〜2500くらいの相場です。階や方位によって金額が大きく異なるようです。
用途:マーケットホール、集合住宅
竣工:2014年
面積:100,000 m2(228戸、100店舗、駐車スペース1,200台)
費用:€ 175 million
所在地:Dominee Jan Scharpstraat 298, 3011 GZ Rotterdam
Book Mountain
ロッテルダム南西にあるスパイケニッセ(Spijkenisse)という小さな町にあるピラミッド型の大きな図書館。
MVRDVによって設計され、2012年に竣工したBook Mountain「本のお山」と呼ばれているライブラリーになります。
図書館のメインとなるのが書籍。スパイケニッセ図書館は1万5千冊もの書籍スペースがあります。その本棚がピラミッドのように構成されているのがブックマウンテンの最大の特徴です。
Stedelijk Museum
Coming soon,