オランダ南部の都市マーストリヒト(Maastricht)は、市内に流れるマース川(Maas)が街の名前の由来になっています。
マーストリヒトの歴史
オランダで最も古い街だといわれているマーストリヒト。
マーストリヒト西部では旧石器時代のネアンデルタール人のものとみられる遺跡が発見されており、約25万年前にはこの辺りで人類が生活していたとされています。
紀元前10年頃にはローマ人の集落があり、その後に中世紀(500〜1500年)頃に豊かな都市へと発展し、17世紀頃にはフランス帝国の支配下となりました。
マーストリヒトがオランダの統治下となったのは19世紀に入ってからでした。
フランスの支配下だった歴史もあり、また土地的に隣国のベルギーやドイツに挟まれているマーストリヒトは、オランダ国外の文化の影響を大きく受けており街並みからしてオランダの風景とは少々異なる都市です。
オランダなのにオランダではないヨーロッパの風景が堪能できる、歴史ある古都マーストリヒト。街の歴史が異なれば、食の歴史もまた違ってきます。
マーストリヒトはヨーロッパ各国の様々な食文化の影響を強く受けており、オランダ国内で食事が美味しい街としても有名です。マーストリヒトは美食の街だ!と言われるほどです。街のレストランは平日でもランチタイムから賑わっています。
マーストリヒトの観光スポット
マーストリヒトで人気の観光スポット7選です。観光の参考にしてみてください。
ロマネスク様式の大聖堂・聖セルファース教会
マーストリヒトの初代大司祭だった聖人セルファースが384年に埋葬された場所に小さな木造のチャペルが建てられたとされています。
11~15世紀にかけてロマネスク様式の聖セルファース教会(Basiliek van Sint Servaas )が建設されました。現在でも多くの巡礼者が訪れる大聖堂です。
開館時間:10〜17時(日曜12:30〜17時)
入場料:€5
住所:Keizer Karelplein 3, 6211 TC Maastricht, オランダ
URL:Basiliek van Sint Servaas
牛の血で赤く染められた真っ赤な鐘楼塔
聖セルファース教会のお隣にそびえる真っ赤な塔は聖ヤンス教会の鐘楼(Sint-Janskerk)です。高さ70mの赤い塔はかつては牛の血で赤く染められていたとか、いないとか。
後期ゴシック様式のプロテスタント教会で、教会への入場は無料です。
開館時間:11〜16時(月〜土)
塔の入場料:€2.50
住所:Vrijthof 24, 6211 LD Maastricht, オランダ
URL:Sint-Janskerk
争い事が仲裁してくれる聖母マリア像
聖母教会(Basiliek van Onze Lieve Vrouwe)は11世紀に建てられたローマカトリックの教会で、ロマネスク様式の建物です。
海の守護神でもある聖母マリア像が有名で、この聖母マリア像を拝むと争い事が仲裁できるという言い伝えがあるそうです。
※2022年の秋より宝物館が閉館しています。再開は2023年の春予定です。
開館時間:8〜17時
入場料:€3.00
住所:Onze Lieve Vrouweplein 7, 6211 HD Maastricht, オランダ
URL:Basiliek van Onze Lieve Vrouwe
オランダ最古の地獄門
マーストリヒトには13〜16世紀に建てられた城壁が残っており、城壁の東には地獄の門と呼ばれるオランダ最古の門があります。
中世期にペストが大流行したさい、さらなる蔓延を抑えるためにペスト患者をこの門から追い出したことから地獄の門(Helpoort)と呼ばれるようになったそうです。(患者さんは門の外の建物へと収容されたようです。)
現在は地獄の門の外には城壁に沿って公園が整備されています。公園内にはオブジェが展示されていたりと、まるで屋外美術館のようです。
49個の鐘が鳴る市庁舎
マルクト広場に建っている市庁舎(Stadhuis van Maastricht)は1664年に建設された歴史ある建物です。
塔には49個の鐘を組み合わせたカリヨンがあり、決められた時間に鐘が鳴り、美しい音が街に響きわたります。
しかし何時に鳴るのかのルールがよく分かりませんでした。中途半端なヘンテコな時間に鐘の音を耳にしました。
住所:Markt 78, 6211 CL Maastricht, オランダ
URL:Stadhuis van Maastricht
水車でひいた粉を使った焼きたてパン屋さん
観光雑誌でもおなじみの水車のあるパン屋さんデ・ビショップス・モーレン(De Bisschopsmolen)では、水車でひいた粉を使った名物フルーツパイや、焼きたてのパンを買うことができます。
お店の裏には水車があり、この水車の動力を使って製粉し、その挽きたての小麦で焼きたてのパンを提供しています。
カフェが併設されているので店内で食べることもできます。朝食やランチで焼きたてのパン。間違いなく美味しいです。
焼きたてのフルーツパイが最も人気のパン屋さんです。カフェのメニューには記載されてなかったですが、店員さんに伺ったらピース売りもしているとのこと。
マーストリヒトに訪れたら立ち寄りたいおすすめのパン屋さんです。
営業時間:8時30分〜17時、日曜9〜17時(月曜定休日)
住所:Stenenbrug 3, 6211 HP Maastricht, オランダ
URL:De Bisschopsmolen
教会を改装した本屋さん・天国の書店
13世紀に建てられたゴシック様式のドミニカ教会を改装し、2006年にオープンした本屋さんドミニカネン(Boekhandel Dominicanen )は、「世界一美しい書店」「天国の書店」との呼び名がつくほど神秘的な空間の本屋さんです。
アムステルダムの建築家Merkx + Girodがこの本屋さんのデザインをしました。歴史ある天井フレスコ画やステンドグラスは保存されており、まるで神が舞い降りてきそうな書店です。
販売しているのは他の本屋と変わらないラインナップですが、3割増しくらい神聖な本に感じらます。
外壁や入口も、ほぼ教会のままなので、知らなければ本屋だとは気がつかない外観です。
約5万冊の本が並んでいる店内の奥はカフェになっています。ここで読んだら聖人に近づけそうです。
営業時間:9〜18時、日曜12〜18時、月曜10〜18時、木曜9〜21時
住所:Dominicanerkerkstraat 1, 6211 CZ Maastricht, オランダ
URL:Boekhandel Dominicanen
マーストリヒトで泊まるならココ!
ゴシック様式の修道院を改装した5つ星のクルーシュレンホテル(Kruisherenhotel)は中世の建物に豪華なデザイナー家具のインテリアがあしらわれています。
教会を改装したレストランでのディナーはまるで天国の晩餐会です。是非ともクリスマスに泊まりたいホテルです。
アクセス
アムステルダムからマーストリヒトまでは電車(IC)で約2時間20分です。
交通費を抑えたいときは長距離バス(FLIX BUS)がおすすめです。時間は約3時間ほどかかってしまいますが料金は電車の半額くらいにおさえられます。
周辺情報
マーストリヒトは春のカーニバル、夏の食の祭典、冬のクリスマスマーケットと有名なお祭りが四季折々あるので、イベントに合わせて観光するのがオススメです。
電車で15分の隣町ファルケンブルグには温泉と洞窟の観光名所があります。洞窟のクリスマスマーケットはヨーロッパ・ベストクリスマスマーケットを受賞しています。
マーストリヒトから電車で約2時間のブリュッセルでベルギーチョコとワッフル食べ歩き