アムステルダムの北部、Markermeerの岸辺にある小さな町エダム(Edam)。
E川をダム(Dam)で堰き止めて開拓された事から E Dam(エダム)と町の名前がついています。
エダムの起源は13世紀にダムが作られて町が開拓されました。かつては造船所があったり材木商が盛んだったりとオランダ指折りの商業都市だったそうです。
時代とともに船造りの技術が発達すると、より大型船舶が主流となります。しかしエダムの地では運河よりも大きな船が作れなかったために、それまで経済の中心となっていた造船業や貿易商は廃業してしまいました。
16世紀からはチーズ産業を中心にシフトチェンジし、チーズマーケットがエダムの経済の要となりました。
オランダを代表するゴーダチーズと同じくらい人気の高いエダムチーズはしっとりと柔らかく、程よい塩味と香ばしい風味が特徴です。
チーズの町エダムは自然豊かで観光+散歩がおすすめの町です。日帰りでも十分に散策できるのでチーズマーケットと合わせてのショートトリップを楽しんでみてください。
エダムの観光スポット
エダムまではアムステルダム中央駅からバス316番で約40分、地下鉄ノード駅からバス312番で約30分で訪れることができます。
チーズマーケット
本場のエダムのチーズマーケット(Kaasmarkt Edam)は1922年に閉鎖されてしまいましたが、今では市民ボランティアなどの協力のもと毎夏にエダムのチーズマーケットがイベントとして開催しています。
ボートや馬車でチーズを運搬したり、吹奏楽やオルゴールの音楽が奏でられたりとエンターテイメント性が高い演出で、伝統的なスタイルのチーズマーケットを観覧することができます。
2024年は8月21日までの毎週水曜日に開催されています。
特別イベントで8月10日の土曜日の夜20:30〜22時に、一夜限りの夜のチーズマーケットが開催されます。
大きな教会
15世紀に建てられた木造屋根の大きな教会(Grote Kerk)はオランダの歴史的建造物の1つで、1600年代の32枚の美しいステンドグラスが現存しています。
訪れた日がお葬式の日で入場ができませんでしたが、普段は一般開放しています。
壊れかけの鐘楼塔
16世紀に建てられた小さな教会(Kleine Kerk)には鐘楼塔(De Speeltoren)があり、今でも定時刻になると鐘の音が響き渡ります。
町のシンボルでもある鐘楼塔は、1972年に突如外壁に亀裂が入り崩壊寸前になりました。当時の町は大パニックとなり、一大事件として記録されています。エダムの象徴を守るために市民が一丸で補強し、応急処置を施したことで崩落を防ぎました。
その後に改修工事が行われましたが塔は傾いた姿となってしまいました。
教会部分は19世紀後半に取り壊されてしまいましたが、鐘楼塔は残されて毎時にその音を行くことができます。
チーズ屋さんのミュージアム
オランダチーズお土産専門店のHenri Willigではエダムチーズの歴史と製法が学べるチーズミュージアム(The Story of Edam Cheese)が併設されています。
オランダの駄菓子屋さん
カラフルな外観でひときわ目立つピンクの駄菓子屋さん(V.O.F. ‘t Snoepwinkeltje)は子どもたちと観光客に大人気のお店です。
店内にビッシリと詰まったチョコやキャンディー。ここはまるでお菓子の家です。
お土産にもなるレトロ缶のクッキー、グラム売りのカラフルキャンディー、色んなデザインのチョコレートと、見てるだけでも楽しめる素敵なお店です。
エダム博物館
ものすごく傾いた建物は1540年頃に建てられたエダムで最も古い石造りの住宅です。木造よりも高価だった石造りの建物で、商人の住宅だったそうです。
現在はエダム博物館(Edams museum)となっており1600年ごろのインテリアを復元しています。
地下にキッチン、1階にオフィス、2階に寝室と、当時の生活様式が再現されています。
屋根裏部屋ではエダムの歴史が展示されていましたが、床は傾いているし、床板はベコベコしているし、今にも崩れそうなスリルを味わいながらの見学で内容が頭に入ってきませんでした。(補強は十分に施されています。)
観光案内所
エダム博物館の入場券で観光案内所(VVV Edam)の2階で開催されている企画展も見ることができます。(※企画展によりけり。)
建物の1階には観光案内所と旧市議会ホールがあり、旧市議会ホールを見学することができました。ガイドのお兄さんがいらっしゃって、旧市議会ホールとエダムの歴史を教えてくださいました。18世紀に作られた旧市議会ホールの内装材には、かつてエダムの経済を支えていた船の材料が再利用されているとのことです。
白鳥の家
白鳥の家(Het huys met de Swaen)は1659年に建てられた木造の住宅で、アムステルダムの運河ハウスのスタイルの建物となっています。
建物正面のデザインが近隣とは異なり、窓が大きくてフレームのデザインが凝っている、アムステルダム旧市街の建物と類似しているのが良くわかります。
エダム砦
エダム中心街から20分ほど歩いたところにあるエダム砦(Fort bij Edam)は、20世紀初頭に建設されたアムステルダム防衛線の最北東部の軍事要塞施設です。
1908年から建設が始まり1913年に完成している5年がかりの建物は、約2000本の杭で支えられています。コンクリート造のの建物の上には土が覆い被さり、周囲からは建物があるようには見えなくなっています。
大掛かりの建物には1914年から1918年までの4年間ほど駐屯兵がいましたが、それ以降は空き家となっています。
1996年に世界遺産登録され、今では博物館として公開されています。
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エダムの端っこ
エダム砦から10分ほど歩くとマルケル湖(Het Markermeer)へと到着します。ここはエダムの最東部で、眺めの良さそうなカフェの脇には桟橋が飛びでています。
今にも朽ち果てそうな桟橋ですが、エダムの端っこまで歩くことができます。
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オールガト通り
エダム中心部からマルケル湖までのびるオールガト通り(Oorgat)は自然豊かな景色を楽しめるのでお散歩におすすめです。
エダムの観光案内所からマルケル湖の桟橋まで歩いて約30分ほどの道のりになります。美しい運河に、手入れの行き届いた庭先のお花、見渡す限りの大草原、牛や山羊などの動物たち、と飽きることなく楽しめるお散歩コースです。
Pietersbrugの跳ね橋と、跳ね橋からの眺めがとても素敵でした。
時には変わったオブジェも見かけました。
エダムのマップ
本日ご紹介したエダムの観光スポットをまとめたマップです。