アムステルダムの東にはアイ湖(IJmeer)と呼ばれる大きな湖があります。
アイ湖は入海なので厳密に言えば海で、アイ湖に面したビーチには毎夏に多くの人が訪れます。

そんなアイ湖の中心に浮かぶ人工島パンパス砦(Pampus)をご存知でしょうか?
Googleマップで見るたびに気になっていた人工島。調べてみたら自家用船で誰でも訪れることができるようです。
「船を持ってないよ!」って方のために観光用の定期船もアムステルダムのIJBrugからと、マウデンの2箇所から出航しています。
マウデンにも訪れてみたかったので、今回はマウデンからフェリーに乗ってパンパス砦に訪れてみました。

ミュージアムカードがあると€9.5でフェリーの旅を楽しめます!フェリーの予約方法は後半に書きました。
パンパス砦の歴史
パンパス砦とは?
アイ湖に浮かぶ人工島のパンパスは要塞島で、1887年に建設された軍事施設の跡地です。
1880年から1920年にかけて、戦争からアムステルダムを守る目的でアムステルダムの防塞線(Stelling van Amsterdam)と呼ばれる要塞群が建設されました。
アムステルダム市街をぐるりと囲む全長135kmの要塞群は全部で45箇所あり、そのうちの1つがパンパス砦で、アイ湖上の唯一の砦でした。
ハイスペックの砦
4000本の杭によって建てられたコンクリートと石積み造りの要塞には、当時では最高級のボイラーや蒸気エンジンが搭載され、かつ最新の銃火器が備わった軍事施設でした。
1927年には当時では貴重な対空砲が新たに3つも追加されます。
ですが、なんとパンパス砦はいかなる戦争行為にも使用されることはなく、建設から46年後の1933年に閉鎖されました。争いが無いに越したことはありませんが、まさに豚に真珠、猫に小判なパンパス砦の歴史です。
その後の第二次世界大戦では、ドイツ軍に爆弾投下の訓練場として使われたり、その後も爆弾試験が行われたりしたそうです。
2000年になってから改装工事され、今では歴史ある博物館になっています。
パンパス砦を観光
楕円型の砦の内部はまるで迷路。地図をもらいましたが、どうやっても番号通りには巡ることが不可能でした。正しい巡り方が分かりません…。
各部屋か展示室になっており砦の詳細や歴史が説明されています。(が、案内は全てオランダ語です。)
建設当時の様子が学べるゲームや、ガイドツアーやオーディオツアーなどと、博物館としての設備は備わっていますが、全てオランダ語の案内でした。
ツアーに参加しなくても自由に見て周ることができますが、あまりにも適当に散策していると出口が分からなくなるので気をつけてください。また極端に暗い通路があったりしてとても怖い所もあります。閉所・暗所恐怖症の方やお化け屋敷が苦手な方にはお勧めできません。

82番と83番へ行く通路は真っ暗で怖すぎて断念しました。通路を覗いただけで背筋が凍りました…。
パンパス砦の眺め
館内は少し怖い印象ですが、外に出ると360度が海(湖)の景色が広がり壮観です。
砦を観光に来た方、この眺めを楽しみに訪れた方の双方がいる印象を受けました。ちょうど天気が良い夏日に訪れたので、芝生の上でゴロゴロしながら過ごすかたが多くいらっしゃいました。
パンパスの人工島では砦以外にサンサンの太陽、心地よい海風、見渡す限りの海(湖)、喉かな眺めを楽しむことができます。
船に乗って島に行くってだけで気分が上がって、天気が良ければ春でも秋でも夏気分を味わうことができます。
通常は4月〜10月末までフェリーが運行しています。夏休みシーズンは混雑しそうですが、5〜6月、9月上旬は人混みを避けて観光することができると思います。ぜひ晴れの日に訪れてみてください。
パンパスへの行き方
アムステルダムからマウデンへ
アムステルダム中央駅からスプリンターでWeespまで行き、そこから110番のバスで4駅ほど、所要時間約1時間弱でマウデンまで訪れることができます。
またはアムステル駅から322番のバスで20分+徒歩20分でも行けそうです。
ちなみに筆者は自転車で行ってみました。自転車でも約1時間ほどで訪れることができます。アイ湖ぞいの自転車道がものすごく田舎道で、牛や羊や山羊が多発して楽しいサイクリングになりました。

片道1時間は程よい運動になりました♪
自転車で訪れた場合は、マウデン市街地で駐輪場が見つけられなかったのでご注意ください!道の隅っこや、駐車場の裏とかに停めるようになりますが、チェーンロックを引っ掛けるところが無かったので少し不安になりました。
お車で訪れる場合は、マウデン城やMuseum Muizenfortの前に駐車スペースがありました。

フェリー乗り場
マウデンのちょうど中心あたりにフェリー乗り場(Veerboot naar Pampus)があります。
2021年はフェリーの乗車には事前予約が必須でした。空きがあれば当日券を購入できるようですが、予約チケットを購入してから訪れた方が安心です。
マウデン発のフェリーの時間は10:30から14:30まで1時間おきに出航しています。(月曜運休)
乗船時間は約20分くらいの船旅です。室内席と屋上席があって自由に空いているところに座れます。屋上席の方が断然眺めが良いですが、日焼け対策と防寒対策をお忘れなく!海風が冷たくて寒かったです。
フェリー料金とパンパス砦の入場料で€19.50です。ミュージアムカードがあるとフェリー料金の€9.5のみになるのでお得です。
帰りの船も1時間おきに出航しており、好きな時間帯に自由に乗船できます。最終の船が17時です。
パンパス観光の予算
パンパス観光とマウデン観光でこの日に使った金額は€19でした。(
※掲載価格は2021年の状況です。
この日に使ったお金
アムステルダムからマウデンまで(自転車)
€0.00パンパスのフェリーと博物館(ミュージアムカード保持)
€8.50マウデンでのブランチ(クロワッサンとケーキとコーヒー)
€7.50マウデン城の観光(ミュージアムカード保持)
€0.00帰り道でアイスクリーム
€3.00(2021年9月)
マウデンまで公共交通機関で訪れた場合、またミュージアムカードを持っていない場合の金額は下記になります。参考までに。
アムステルダムからマウデンまで(電車+バス)
€6.75(片道)
パンパスのフェリーと博物館(割引なし)
€18.00
マウデン城の観光(割引なし)
€16.50

フェリーに乗るってだけでワクワクしますよね!

日帰りで夏っぽいことが楽しめる素敵な観光地でした!

