ロッテルダムで一番“気になる家”

ロッテルダムで一番有名な住宅建築といえば、キュービックハウス(Cube Houses)。
黄色い立方体を45度傾けた、どう見ても普通じゃない建物です。
ずっと気になっていたので、今回初めて内部を見学してきました。
正直に言うと、住みたいとは思わない。
デッドスペースは多いし、家具も置きづらそう。
でも、不思議と面白かった。
キュービックハウスは単なる変わった家ではなく、オランダ建築の挑戦精神が詰まった実験住宅だったのです。
キュービックハウスってどんな建築?

キュービックハウスは、建築家ピート・ブロム(Piet Blom)によって設計された集合住宅。
1984年に完成し、現在も普通に人が住んでいます。
最大の特徴は、45度傾いた立方体。
でもこれは単なるデザインではありません。
建築家のコンセプトは、
「都市の中に森をつくる」
というもの。
柱部分が“木の幹”、
キューブ部分が“葉っぱ”。
つまり、建物全体で“抽象的な森”を表現しているそうです。
そう聞くと、変な建物というより、巨大な都市アートに見えてくる。
まず外観が面白すぎる

実際に近くで見ると、とにかく違和感。
角度がおかしい。
視界の基準が狂う。
「なんでこれで成立してるんだ…?」
という気持ちになる。

しかも周囲には、
- マーケットホール
- 高層ビル
- 近未来的な駅周辺
など、ロッテルダムらしい現代建築が集まっています。
この“実験建築エリア感”がかなり面白い。

実際に中に入ってみた

そして気になっていた内部へ。
入った瞬間に思う。
「床以外、全部斜め。」

壁も窓も天井も傾いていて、三半規管がちょっと混乱する。
普通の四角い部屋に慣れてると、かなり不思議な感覚です。

特に気になったのが家具配置。
めちゃくちゃ難しそう。
デッドスペースも多いし、 IKEA泣かせの家。
でも、秘密基地感がすごい。
“住みやすさ”より、“住む体験”を優先してる感じ。
最上階はちょっと宇宙船っぽい

上階に行くほど空間が細くなっていき、最上階はかなり特殊。
なんというか、宇宙船っぽい。
夜の雰囲気がかなり良さそうなので泊まってみたくなる。

窓の角度も独特なので、外の景色が切り取られて見える。
普通の家なのに、視界が建築作品みたいでした。
正直、住みやすそうではない

正直に言うと、
めちゃくちゃ住みやすそうかと言われると、そうではないw
- 階段急
- 壁斜め
- 家具置きにくい
- 空間クセ強い
でも、それが面白い。
「普通の家じゃつまらない」という、ロッテルダムの建築精神を感じました。
なぜロッテルダムにこんな建築があるのか

ロッテルダムは、第二次世界大戦で中心部が大きな被害を受けた街。
その後、“新しい都市”として再建されました。
だからこの街には、
- 実験建築
- 未来的デザイン
- 挑戦的な建物
が多い。
キュービックハウスも、その流れの中にある建築。
単なる“変わった建物”ではなく、ロッテルダムらしさそのものなのかもしれません。

今見ると少し無茶にも思える。
でも、こうした実験的な建築があったからこそ、現在のロッテルダムの建築文化へとつながっていったのかもしれません。
東京の中銀カプセルタワーが失われた今、キュービックハウスが今も残り、実際に使われ続けていることにも価値を感じます。
住みやすさや合理性だけでは測れない。
時代の挑戦精神そのものを体現した建築として、これからも街の中に残り続けてほしい建物です。

ロッテルダム建築巡りと一緒に回りたい
キュービックハウス周辺には、建築好きに刺さるスポットがたくさん。
マーケットホール

巨大なアーチ型建築。
内部天井アートも圧巻。

Depot Boijmans Van Beuningen(MVRDV)

鏡張りの巨大な壺みたいな建築。
ロッテルダムの未来感がすごい。

Fenix(MAD Architects)

移民をテーマにした現代美術館。
建築もかなり独特。

ロッテルダム・ザウド建築巡り

川を渡ると、さらに近未来建築エリア。

まとめ|住みたいとは思わない。でも残っていてほしい建築

正直に言うと、住みたいとは思わなかった。
壁は斜め。
デッドスペースは多い。
家具の配置も難しそう。
合理性だけで考えたら、もっと住みやすい家はいくらでもある。
でも、だからこそ面白い。
キュービックハウスは、効率を追求した建築ではなく、
「家とは何か」
「街とは何か」
を問い直すための実験のような建築だった。

45度傾けた立方体。
都市の森というコンセプト。
普通の住宅では生まれない発想。
そこには20世紀後半のオランダ建築らしい挑戦精神が感じられた。
今見ると少し無茶にも思える。
でも、こうした実験的な建築があったからこそ、現在のロッテルダムの建築文化や、MVRDVのような設計集団へとつながっていったのかもしれない。
住みたいとは思わない。
でも、これからも残っていてほしい。
そんな建築でした。

