オランダを代表する設計集団MVRDVの代表集合住宅建築inアムステルダム、WOZOCOに続く2003年竣工の建物がSilodamです。
Silodam(シロダム)は、アムステルダムが抱える住宅不足・土地不足問題を解決する試みとしてスタートしたプロジェクトの1つで、高密度な都市部に新たな居住空間を設けるために住宅をウォーターフロントへと移行してみようと建てられた集合住宅です。
Silodamとは…
Silodam(シロダム)の辺り一体は元々は工場地域になります。
建設地にはもともとは大きな倉庫のSilo(サイロ・穀物庫)がありました。
またアムステルダム繁華街北部を流れるアイ川に面しているこの土地は、川の氾濫を防ぐDam(ダム・堤防)の役割もあります。
Silo(サイロ)のDam(ダム)なことから、Silodam(シロダム)という愛称で呼ばれています。
設計コンセプト
低所得者、高齢者、会社員、アーティストなどが共存でき、それぞれのライフスタイルに対応できる様々なレイアウトをもったスペースが設計コンセプトです。
<立面ダイアグラム>
移民が多く、多人種でインターナショナルなアムステルダムを象徴するかのような住み方を提案するSilodam(シロダム)には、157戸の住宅スペースの他に、オフィス、作業スペース、商業スペース、公共スペースと多目的な用途を持っています。
新たな土地を水上に生みだし、多文化交流な生活スペースを発信する、新しい住み方の提案でもありました。
建築デザイン
<コンセプチュアル模型>
全長300m、幅20m、地上10階建てのSilodam(シロダム)は、元々のSilo(サイロ)をリノベーションしています。
外壁はレゴブロックを積み重ねたかような多種多様な色と素材で構成され、内部も家ごとに違ったユニットから構成されています。
見た目が港の輸送用コンテナに類似していて、シンプルなのに遊び心を感じ、かつ河岸に馴染むデザインにもなっています。
構成やデザインがル・コルビュジエのユニテ・ダビタシオンの影響を強く受けており、巨大な船のような印象もあるデザインになっています。
高密度な集合住宅ですが、建物4方向から採光が取れるため室内は明るいようです。
またアイ川に面している、というか川の上に建物があるので自家用ボートでもアクセスできるオランダらしい作りです。
賃貸物件もあるので、時どきKamernetやFundaなどの不動産会社のHPに空き部屋が掲載されています。100㎡の1LDKで月€2000〜2500くらいの相場です。
一度でいいから住んでみたい物件の1つです。
用途:複合施設、集合住宅
竣工:2003年
面積:19,500 m2(165戸)
費用:€ 16.8 million
所在地:Silodam 351, 1013 AW Amsterdam
Silodamのご近所にあるランドマークPontsteigerも素敵な建築です。