2022年の展示概要
Fabrique des Lumieresでの現在の展示は、グスタフ・クリムト展とフンデルトヴァッサー展の2本だてになっています。(2023年2月5日まで)
グスタフ・クリムト展が約30分くらい、フンデルトヴァッサー展が約10分くらいのプロジェクションマッピングとなっています。
その他にエキシビジョン展示の動画もあり、全部を視聴して平均1時間くらいの滞在になります。
グスタフ・クリムト展と、フンデルトヴァッサー展は高さ17mある旧工場内に放映されるためバーチャリティの高い体験をすることができます。
また会場内にある小展示室での鑑賞も見逃せません。3つの小さな展示室があり、最も面白かったのは全面ミラーの部屋です。ぜひとも腰を下ろして天井を見上げて鑑賞してみてください。
グスタフ・クリムト展 Gold in Motion
オープニング最初の展示はグスタフ・クリムト作品です。
19世紀後半の帝国ウィーンを代表する装飾画家グスタフ・クリムト(Gustav Klimt:1862 – 1918年)は劇場装飾家として名声を得て多くの天井画や壁画作品を生み出しました。黄金の時代の作品には多くの金箔を使い、煌びやかな時代のさまを豪華絢爛に描いています。
またグスタフ・クリムトは日本文化の影響も強く受けており、作風からはアジアの画風を強く感じさせます。
グスタフ・クリムト独特の世界観、甘美で妖艶な作風は、当時は物議や反感を醸しだすことも少なくなかったようです。
現在Fabrique des Lumieresで開催されている「Gold in Motion」では、グスタフ・クリムトの華やかで艶かしい作品から、彼がインスピレーションを得た芸術作品と幅広く構成されており、百年にわたるウィーン絵画の旅へと没入体験することができます。
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フンデルトヴァッサー展
フンデルトヴァッサー(Hundertwasser:1928- 2000年)は、オーストリアの画家であり建築家で、彼の作品のフンデルトヴァッサー・ハウスやシュピッテラウ焼却場は色鮮やかで独創的なデザインが特徴的で、今では観光地にもなっています。
グスタフ・クリムトを中心に結成された新進芸術家のグループ「Vienna Secession(ウィーン分離派)」の継承者でもあるフンデルトヴァッサーは芸術革命の影響を強く受けており、幾何学に囚われない、自然由来の曲線を用いた不規則で異質感の強い作風が特徴的です。
現在Fabrique des Lumieresで開催されている「In the Wake of the Vienna Secession」では、無限の世界を渦巻で表現したフンデルトヴァッサーの作品をアニメーション化することで、更なる無限を体感できるようになっています。
10分くらいのショート作品ですが、確実に異世界へとトリップできる作品になっています。没入後はドーパミン放出が止まりませんでした。
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エキシビション
エキシビション会場では映像クリエイティブスタジオのNohlabとSpectre Labのショート動画が公開されています。
見入ってしまって写真を撮り忘れたので、簡単に概要だけご案内します。
Nohlab
国際的に活躍しているアート・デザインスタジオNohlabの作品「Journey」は、光の粒子が電気信号に変換に変換され神経細胞へと流れる「光の旅」のプロセスを映像化したストーリーとなっています。
説明が工学的で難しいのですが、流れる映像はものすごくかっこよかったです。
Spectre Lab
フランスのデザイナーとクリエーターで構成されたSpectre Labの作品「Memories」は、コンピューターよりも複雑にできている「人の記憶」をテーマに映像化されています。
人間のアイデンティティの輪郭を形成する記憶や思い出から、世界の広大さと存在定義を考えさせる作品となっています。
とても素敵な体験でした。現在の展示は2022年の12月31日までの予定となっています。また来年は違った展示が始まると思うので、そちらも今から楽しみです。
おまけ:アムステルダムでプロジェクションマッピング鑑賞ができる場所
アムステルダムでは、北教会で開催中のVincent Meets Rembrandtでもプロジェクションマッピング鑑賞ができます。(期間限定)こちらも芸術性が高いアートとなっていてオススメです。
アムステルダム・スローターダイクにあるAmaze Amsterdamではプロジェクションマッピングや照明を使った体験・没入型の新感覚アトラクションを楽しむことができます。