2022年にアムステルダムの旧ガス工場に没入方アートスペースFabrique des Lumieres(ファブリック・デ・リュミエール)がオープンしました。
プロジェクションマッピングが大好きな筆者が一推しするアートスペースです。
新しい芸術鑑賞のスタイル
没入型アート(Immersive Arts:イマーシブアート)とは、プロジェクションマッピングの手法を使ってヴァーチャルな空間へとトリップするような没入感を体験するアートです。
建物の壁などにプロジェクターで投映するプロジェクションマッピングの技法を室内全面に施すことにより、現実と映像がシンクロする世界が生まれます。
リアルとバーチャルの間の世界のような、新感覚の芸術鑑賞スタイルです。
壁や建物に映像を投影するプロジェクションマッピングは、インスタレーションやイベントで目にする機会が増えてきました。
オランダでは毎年11月にアイントホーフェンで開催されるライトフェスGLOWにてプロジェクションマッピングを見ることができます。またベルギー・ブリュッセルのグラン広場でクリスマス時期に投映されるプロジェクションマッピングも有名です。
アムステルダムの没入アートスペース
最近は新感覚のアート鑑賞スタイルとして、美術館内全面にプロジェクションマッピングを施し、アニメーションでアート鑑賞する没入型ミュージアムが世界各地に広まっています。
そしてオランダ初の没入型アートスペースのFabrique des Lumieres(ファブリック・デ・リュミエール)が2022年4月にアムステルダムのウェスター公園内にオープンしました。
19世紀の旧ガス工場を改装した建物は天井高さが17mもあります。その巨大空間に最先端のプロジェクターで投映した様相は圧巻。プロジェクションマッピングと心地よい音楽で、リアルとバーチャルの狭間に没入できる新感覚のミュージアムです。
筆者はあまりにも心奪われ3時間も没入してきました。
ファブリック・デ・リュミエールの展示はインスタレーションとは異なり、プロジェクションマッピングを通じて有名画家の芸術鑑賞ができる美術館仕様の没入型ミュージアムです。
メイン映像(25〜35分)とサブ映像(15〜20分)が交互に繰り返し投影されます。鑑賞の所用時間は1〜2時間程が目安です。
2024年の展示概要
毎年ごとに展示が変わるファブリック・デ・リュミエールのプロジェクションマッピング。
2024年は「Hollandse Meesters, Van Vermeer tot Van Gogh」、「オランダの巨匠、フェルメールからゴッホまで」をテーマに3月22日から新シリーズが始まりました。
オランダの巨匠画家をテーマに、オランダで有名な絵画や印象的な作品300点以上が次々に投影されます。
ゴッホの作品では一面にひまわりが広がったり、「星月夜」や」夜のカフェテラス」の世界観に引き込まれました。
レンブラントの代表作「夜警」は、燃え上がる街で自警団が奮起しているような演出でかっこよかったです。
ファブリック・デ・リュミエールには小さな展示室もあり、見逃せないのが鏡張りの部屋です。天井に投影される映像は鏡に反射し永遠に広がるアート。寝転がって見ると自分だけの世界にドップリと入りこむ事ができます。
今回のメイン映像は34分。巨匠たちが描いた325作品の絵画の世界へとショートトリップできました。
サブ映像の「モンドリアン展」はより近代的な印象で、メインとサブが対照的なのが見どころです。