フランスの首都パリ。
華やかで芸術や文化が栄えていることから「花の都」と呼ばれる世界有数の観光都市です。
パリにはエッフェル塔やルーブル美術館などの有名観光スポットが数多くありますが、実は“建築の街”としても非常に魅力的な都市です。
17世紀の歴史的建築から、19世紀の都市計画、20世紀のモダン建築まで、さまざまな時代の建築が街の中に自然に溶け込んでいます。
この記事では、建築目線で巡るパリの見どころをまとめました。
建築に詳しくなくても楽しめるスポットを中心に紹介しているので、街歩きの参考としても使える内容になっています。
パリ観光とあわせて、“建築を楽しむ旅”をしてみたい方はぜひ参考にしてみてください。
パリ建築巡りモデルコース(1日)
パリ建築巡りモデルコース(1日で回るルート)
パリの建築はエリアごとに点在しているため、効率よく巡るにはルートを決めておくのがおすすめです。
以下は徒歩+地下鉄で回れる、王道の建築巡りルートです。
【午前】
エッフェル塔 → 凱旋門 → シャンゼリゼ通り
(パリの象徴的な都市スケールと軸線を体感)
【昼】
ルーブル美術館周辺でランチ&建築鑑賞
(宮殿建築+ガラスピラミッドの対比)
【午後】
ポンピドゥーセンター → マレ地区 → ピカソ美術館
(歴史建築とモダン建築のコントラスト)
【夕方〜夜】
セーヌ川周辺 or エッフェル塔周辺でライトアップ鑑賞
このルートであれば、パリの主要な建築スタイルを1日でバランスよく体験できます。
ただし、各施設の内部見学まで含めると時間が足りないため、気になるスポットは事前に優先順位を決めておくのがおすすめです。
パリ建築巡りで訪れたい名建築まとめ(17〜20世紀)
パリには中世建築から現代建築まで幅広い時代の建築が残っていますが、今回はその中でも17〜20世紀に建てられた名建築を中心に巡ってきました。
いわゆる観光名所として有名な建物はもちろん、建築好きなら見逃せない近代建築やリノベーション建築まで幅広くピックアップしています。
実際に歩いて巡れるルートも意識しているので、パリ観光とあわせて建築巡りを楽しみたい方にもおすすめの内容です。
それでは、まずはパリのシンボルとも言えるあの建築からご紹介します。
パリの象徴的建築|エッフェル塔(Tour Eiffel)

パリのシンボルといえばのエッフェル塔(Tour Eiffel)。
1889年に完成した高さ312.3m (建設当時)のエッフェル塔は、完成から41年のあいだ世界で最も高い建物でした。
エッフェル塔が建てられた19世紀後半は産業革命革命期。ドイツやアメリカでは国家の威信をかけて世界一の高い建物を建てようと奮闘していた時代です。それでも高さ140〜170mで競っていた中での300mオーバーのエッフェル塔。当時は世界の注目を集めました。

エッフェル塔の建設は、各パーツを工場で生産し現地で組み立てるプレハブ工法。プラモデル方式なので工事期間が短縮でき、わずか2年で完成しています。
1889年に開幕したパリ万博の目玉として建てられましたが、万博のオープニングにはエレベーターが間に合わなかったそうです。エレベーターが利用できるまでの9日間の間に1700段の階段で展望台まで登った人が3万人以上いたんだとか。足がガクガクになりそうです。
今でも観光名所であり、そしてパリのシンボルのエッフェル塔。空まで高くそびえ立つ昼間の風景、ライトアップされた夜景と両方が美しいタワーです。
エッフェル塔の真下から見上げるのも絶景です。
放射状都市計画の中心|凱旋門(Arc de Triomphe)

凱旋門とは古くは古代ローマ時代に国家の勝利を祝う式典の場として建てられた門で、ヨーロッパにはチラホラとあるようです。
そんな中でも世界的に有名な凱旋門はパリのエトワール凱旋門(Arc de Triomphe)です。高さ50mのエトワール凱旋門は世界で3番目に大きい凱旋門です。
ナポレオンの命によって建設が始まったエトワール凱旋門ですが、完成するよりも15年も前にナポレオンが亡くなったため生前にこの門をくぐることはできなかったそうです。死後にお墓を移設する時に初めてエトワール凱旋門をくぐったんだとか。

シャンゼリゼ通りを含む12の通りがエトワール凱旋門を中心に放射線状に広がっています。エトワールとは星を意味し、地図上でみると放射状に延びる通りが光り輝く星のように見えることからエトワール凱旋門と名付けられたそうです。
ここまで美しい放射状道路が現存しているのは、世界でもここだけのような気がします。凱旋門の上からは放射状に広がる美しい街並みを望む事ができます。
宮殿建築と近代建築の融合|ルーブル美術館

パリの目玉の美術館といえばルーブル美術館(Musée du Louvre)です。実は歴史は古く、オープンしたのは1793年のルイ16世の処刑一周年にあたる日に開館しました。
ルーブル美術館はルーブル宮殿をリノベーションしている建物で、現在でも宮殿のインテリアが館内に保存されています。
そして誰もが知っているガラスのピラミッドが作られたのが1988年で、戦後のパリの大規模都市計画の1つとして建設されました。その他にもリノベーションが施され、その結果2000年以降は来場者数が2倍以上となり、毎年800万人以上が訪れる世界でもっとも入場者数の多い美術館となりました。

ルーブル美術館を代表するコレクションといえば「モナ・リザ」さんです。実際に見ると思っているよりも小さい絵に感じます。そして人が多すぎてじっくりと鑑賞するのは不可能です。
ルーブル美術館の館内は壮絶広く、1日では周りきれません。時間を決めて見れる範囲だけ周るのがベストです。
パリのモダン建築代表|ポンピドゥーセンター

1977年にオープンした複合文化施設のポンピドゥーセンター(Centre Pompidou)。当時のフランス大統領を務めたポンピドゥーさんの鶴の一声で建設されたんだとか。
ポンピドゥーセンターは図書館、美術館、映画館、多目的ホール、カフェ等の様々な施設で構成されています。

建物の設計はイタリア建築家のレンゾ・ピアノさんです。レンゾ・ピアノは日本の関西国際空港ターミナルビルや、アムステルダムのNEMO博物館を設計した建築界の巨匠です。
まるで工事現場のような見た目の建物は、パリの街並みとは対照的な超斬新なデザインだったため完成当時は市民から非難をあびたそうです。しかし型破りな建物は自由の象徴ともとらえられ、新しい街の息吹になっています。

市民からの評判が悪かった建物でしたが来場者数は延び続け、今では年間300万人以上の来場者があるそうです。
エッフェル塔やヴェルサイユ宮殿を追い抜いてヨーロッパで最も人を集める人気の施設になっています。
歴史建築リノベーション|ピカソ美術館

1985年にオープンしたパリのピカソ美術館(Musée National Picasso-Paris)は、画家パブロ・ピカソの作品約5000点を収蔵している美術館です。
ピカソっぽくないピカソの初期画や、あまり知られていないマイナーな作品などが多めな気がします。

パリのピカソ美術館の建物は17世紀に建てられたお役人様の邸宅をリノベーションしています。歴史ある建物とピカソの世界観の対比が素晴らしいです。
フランス建築の頂点|ベルサイユ宮殿

パリ市外ですが、パリの観光名所の1つと言ってもいいベルサイユ宮殿(Palais de Versailles)。かのマリーアントワネットが住んでいた宮殿です。

豪華絢爛とはまさにベルサイユ宮殿のためにある四字熟語だと思うほど、贅を尽くした宮殿です。これだけ煌びやかな建物が現存しているのは類がないと思います。宮殿インテリアを見るためだけでも訪れる価値がありました。

宮殿、庭園、離宮とTDLなみに敷地が広いので、全部を見て周るには1日を要します。
近代建築の名作|アラブ世界研究所

アラブ世界研究所(Institut du Monde Arabe)はアラブ諸国とフランスが文化を共有し情報を発信する研究機関として1987年に建てられました。
アラブの伝統的な幾何学模様をモチーフにした独特なファサードは、240枚のアルミパネルとガラスで構成されています。アルミパネルの丸い開口部分が開いたり閉じたりとカメラレンズのように操作でき、建物内に取り入れる採光を調整できるようになっています。
建物の設計はフランス建築家のジャン・ヌーヴェルさん。日本の電通本社ビルをデザインした巨匠です。アラブ世界研究所の建物のデザインで脚光を浴び、世界に名を轟かせました。
現代都市建築|フランス国立図書館(ミッテラン館)

古くは14世紀から創設されたフランスの国立図書館、現在は7箇所の国立図書館がフランス国内にあります。
その中でも最も新しい国立図書館が1996年にオープンしたフランソワ・ミッテラン館(Bibliothèque François-Mitterrand)です。

新しい国立図書館の設計はフランス建築家ドミニク・ペローさんです。
敷地の4隅に「開いた本を立てた」ようなL字型の建物が向かい合っています。高さ100mのL字型の建物の高層階はほとんどが書庫になっています。
地下と低層階で4つの建物がつながっていて回廊のようになっています。回廊スペースが中庭に面していて、どこからでも自然が眺められる公園のような図書館でした。
ル・コルビュジエ建築|学生館(スイス館・ブラジル館)

20世紀の建築界のトップといっても過言ではないコルビジェの建築もパリ市内で見る事ができます。
1932年に建てられたコルビジェの初の公共建築のスイス学生館(Fondation Suisse)、そのお隣にはコルビジェのパリでの最後の作品となった1959年のブラジル学生館(Maison du Brésil)。

コルビジェがデザインする上で大切にしていた建築の基本原則が感じられるスイス館のデザイン、そして基本原則を元に自由さが加わったブラジル館のデザイン。
27年の時を経たコルビジェ建築を同時に見る事ができる建築スポットです。
コルビジェ建築に興味がある方は、パリ郊外にある代表作「サヴォア邸」も必見です。
近代建築の名作として世界的に有名な建築で、コルビジェの思想が詰まった空間を実際に体感することができます。

パリの建築が気に入った方は、スペイン・バルセロナの建築巡りもおすすめです。
ガウディをはじめとした個性的な建築が街全体に広がっており、パリとはまた違った魅力を楽しめます。


パリにはノートルダム大聖堂やサント・シャペル礼拝堂など美しい教会もたくさんあります。

教会巡りもしてみたいですね♪
パリに泊まって建築巡りを楽しもう
パリは見どころが多く、建築巡りをするなら1日ではとても足りません。
今回ご紹介したスポットもエリアが分かれているため、効率よく巡るには2〜3日ほどあると安心です。
特にルーブル周辺、マレ地区、エッフェル塔周辺は徒歩で巡れる建築も多く、宿泊してゆっくり回るのがおすすめです。
また、夜のライトアップされた建築は昼間とはまったく違う雰囲気を楽しめるので、時間に余裕があればぜひ夜の街歩きも体験してみてください。
パリへのアクセス
アムステルダムからパリへは高速列車で約3時間20分ほど。
直通列車を利用すれば乗り換えなしでアクセスでき、ヨーロッパ内の移動としてはとても便利です。
料金は時期によって変動しますが、早めに予約することで比較的安くチケットを購入することもできます。
また、長距離バスを利用すれば移動時間は7〜8時間ほどかかりますが、片道20ユーロ前後からと費用を抑えることも可能です。
ヨーロッパの鉄道・バスチケットはこちらから検索できます。

まとめ|パリは“建築を楽しむ街”
パリは観光地として有名ですが、視点を変えると“建築の宝庫”でもあります。
17世紀の歴史的建築から近代建築、そして現代建築まで、さまざまな時代の建物が街の中に自然に溶け込んでいます。
今回ご紹介したスポットを巡るだけでも、パリの建築の魅力を十分に感じることができるはずです。
建築に詳しくなくても、街歩きの中で自然と楽しめるのがパリの魅力。
観光だけでなく、ぜひ“建築を見る旅”という視点でもパリを楽しんでみてください。
