オランダの伝統的な建築物の1つである風車。
今でもオランダ国内には多くの風車が現存ていますが、アムステルダムなどの都市部で生活していると日常的に見かけることが少ないです。
アムステルダムから電車で約15分のところにあるザーンセスカンスという町では現在でも数基の風車が稼働しています。
今では多くの観光客が訪れるテーマパーク化した風車村のザーンセスカンスですが、ここには歴史的価値が高い建造物が保存されています。
風車や博物館への入場は有料ですが、見るだけならば無料で観光できる風車のある景色を楽しめるスポットです。
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ザーンセスカンスの見どころ
アムステルダムから電車で約30分ほどのところにあるザーンセスカンス(Zaanse Schans)はザーン川に沿って数基の風車が建ち並ぶ美しい町です。
かつてはザーン川沿いにはたくさんの工場があり、それらの工場の主動力として風車が利用されていたそうです。ザーンセスカンスを含むザーン地区は1000基を超える風車がある工業地帯でした。
時代とともに取り壊しを余儀なくされた工場や風車などの建造物を移設し、風車村となったのが現在のザーンセスカンスです。
今では観光テーマパークのような面もありますが、歴史的な建造物や景観を保護している町です。
風車を見学
ザーンセスカンスには大小合わせて11基の風車があります。香辛料を挽く風車、小麦を挽く風車、塗料を作る風車、製油する風車などなどと、それぞれ役割が異なっている工業用の風車が集まっています。
風車村にあるうちの4〜6基は風車内を見学することができます。(有料)
季節や曜日によって見学できる風車が異なりますが、常に1基以上は見学できるようになっていると思います。
風車博物館
ザーンセスカンスで最もおすすめなが風車博物館(Molenmuseum)です。ここではザーン地区にあった風車の歴史や当時の工場の様子などを模型や映像で見ることができます。
一様に風車と言っても何をしているものなのか想像し難かったのですが、木材を加工したり小麦を引いたりするための動力として使われている以外にも、塗料や紙など様々な物を作る動力にも利用されている事を知ることができました。
18世紀頃の工場の様子や人々の暮らしを再現したショートムービーからは、当時の過酷な労働環境なども垣間見ることができます。
このミュージアムで最も興味深かったのは風車の図面を見ることができたところです。風車の設計図や17世紀の製図道具などと今まで見たことがなかった物がたくさん展示されていました。
また風車に関する文献や書籍も閲覧することができ大満足できました。
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ザーンス博物館
風車村のバス停前にあるザーンス博物館(Zaans Museum)ではザーン地方の貴重な美術品がコレクションされています。
ザーン地方は西ヨーロッパで最も古い工業地帯だったそうです。ここではザーン地方の歴史を貴重なコレクションとともに見ることができます。
ザーンス博物館の中にはチョコレート工場博物館(Verkade Experience)が併設されています。
Verkadeはオランダでお馴染みのチョコレートとビスケットのブランドです。ここでは20世紀初頭のチョコレート&ビスケットの工場を見ることができます。
時計博物館
オランダ黄金時代の終盤にザーン地方では時計産業が盛んだったそうです。
時計博物館(Museum Zaanse Tijd)では17世紀の振り子時計や装飾時計など400年以上も前の古時計を見ることができます。
何十台もの古い振り子時計が展示されていました。さすがに振り子時計の時間は正確ではありませんでしたが、400年?休まずにチクタクチクタクしてました。
風車村で工房見学
観光用テーマパーク化しているザーンセスカンスの風車村。ザーン川に沿って風車が並び、陸地には木造家屋が並びます。
これらの木造家屋も保護されている建造物で、最も古い家屋は1623年に建てられています。
伝統的な木造家屋のいくつかは見学用の工房やお土産屋さんとなっているので建物内に入ることができます。
パン工房
1658年創業のベーカリーを模したベーカリー博物館(Bakery Museum The Gecroonde Duyvekater)ではオランダのパン屋さんで売っていそうなお菓子などを販売しています。
お店のインテリアがメルヘンチックで、販売しているキッチン用品などもカワイイお店です。お店の奥には昔に使っていたパンこね機などを展示しています。
焼きたてのワッフルやヘフルデクック(クッキー)なども購入することができます。
木靴工房
オランダの伝統工芸品の木靴のワークショップでは、100年前にどうやって木靴を作っていたかのプロセスを見学することができます。
実際に木靴を試着して重さや履き心地を試してみることもできます。こんなの履いて歩いてたの⁉︎って驚くと思います。
工房では古い木靴からオシャレ木靴などと様々なコレクションを見ることができます。またユニークな絵柄のお土産木靴を販売もしています。
木靴と民族衣装のミッフィーちゃんも展示されているのでお見逃しなく!
チーズ工房
チーズ工房では民族衣装を纏ったお姉さんがオランダ産チーズの種類や違いを説明してくれます。隣接しているお土産屋さんではチーズの試食と購入ができます。
周辺を散策
ザーンセスカンスの風車村まではバスでも電車でも訪れることができます。
バスは風車村のバス停に止まりますが、電車の場合は駅から15分くらい歩きます。
風車村からザーンセスカンス駅までの帰り道に立ち寄りたいスポット3選です。
正面写真が取りやすい風車
風車村の風車は風向きによって風車の向きが調整されています。多くの場合がザーン川に正面を向いているので、なかなか良い写真撮りずらかったりします。
風車の正面を近距離で撮影したいときは風車村から橋を渡ったところにある風車へと訪れてみましょう。
この風車は2面が道路に面しているので、高い確率で正面写真が撮りやすいです。
カカオ博物館
ザーンセスカンス駅前にある巨大なカカオ工場にはカカオ博物館が併設されており、入場無料で見学することができます。美味しいホットチョコレートを試飲できることもあります。
ここではカカオの生産、加工工程、ココアのパッケージデザインコレクションなどが見学できます。
他にも風車の模型やザーンセスカンスに関する展示品、そしてなぜか消防士さんのコレクションなども展示されており、趣味部屋みたいな雰囲気もありましたw。
パン屋さん
カカオ博物館前にあるパン屋さんはお土産にもなるチョコやクッキーも販売しているお店です。
美味しいパン屋さんとレビュー評価の高いお店ですが、店員さんが無愛想なお店としても有名なパン屋さんw。本当に無愛想な店員さんでしたw。でも多分いい人な気がします。
訪れたのが平日の夕方だったので残っていたパンの種類が少なかったのですが、レーズンパンを買ってみました。想像の3倍くらいの量のレーズンが入ってて、パンよりもレーズンを食べてる感じで美味しかったです。
アクセス
アムステルダムからザーンセスカンスまではバス(391番)で約45分です。アムステルダム中央駅が始発で、終点がザーンセスカンスなので降り間違えることがないので安心です。
電車の場合はアムステルダム中央駅から各駅電車(Sprinter)で約15分、ザーンセスカンス駅で下車します。駅から風車村までは徒歩15分ほどです。
便利なトラベルパス
アムステルダムと周辺の街を巡るトラベルパスを購入するとスキポール空港〜アムステルダム〜ザーンセスカンス区間の公共交通機関をトラベルパスで乗車できます。その上さらにアムステルダムのバス、トラム、地下鉄乗り放題付きです。
風車村で風車と風車博物館に入場するならザーンセスカンスカードがお得です。ザーンセスカンスカード1枚で風車見学+風車博物館+ザーン博物館の入場が含まれています。
アムステルダム中央駅出発のガイドツアー(英語)に申し込むと移動も見学もガイドさんがついてくれるので安心して観光を楽しむことができます。