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【オランダの巨匠画家】ラピスラズリに魅了されたフェルメール画伯の逆玉人生

オランダの芸術

オランダの歴史において、貿易、科学、軍事、オランダ芸術が、世界中で最も賞賛された17世紀。この時代をオランダ黄金時代と呼ばれています。

オランダ黄金時代を中心として、オランダ人画家たち、オランダで活躍した外国人画家たちによって描かれた絵画は、様々なジャンルの絵画が制作されました。

それまでは歴史画(宗教画)や肖像画がもっとも人気があり、価値も高かったのですが、
農民の暮らしを描いた風俗画、風景画、海洋画、植物画、静物画などさまざまな専門分野に特化した絵画が描かれました。

 

フェルメール全作品がある美術館

オランダ黄金時代に活躍したオランダ画家Johannes Vermeer(ヨハネス・フェルメール)はバロック絵画を代表する画家の1人で、レンブラントと並ぶ17世紀オランダ黄金時代の代表画家です。

フェルメールは生涯で37点の作品を描いたと言われており、
故郷デルフトにあるフェルメール美術館(Vermeer Centrum Delft)には、
全作品(レプリカ)が展示されています。

<デルフトのフェルメール美術館>

Vermeer Centrum Delft 概要(2019年11月現在)
10〜17時
€9.00
ミュージアムカード割引あり €7.00
Voldersgracht 21, 2611 EV Delft, オランダ
Vermeer Centrum Delft

 

 

フェルメールの生涯

逆玉の輿

17世紀の画家は決して裕福な暮らしではなく、副業をしていることが多い中、フェルメールは画家一筋で生計を立て生涯を終えています。

フェルメールの父は、バーとホテルを経営しており、借金があったそうです。

とても裕福とはいえない家庭だったフェルメールですが、
資産家の娘と結婚し奥さんの実家からの援助を受け、まさしく逆玉の輿へ大出世しています。

 

金よりも貴重なラピスラズリを常用

ラッキーチャンスを掴んだフェルメールは、作品にとても高価な顔料を使用していたことで知られています。

<フェルメール代表作:真珠の耳飾りの少女>

フェルメールの多くの作品に使われている鮮やかな青色はフェルメール・ブルーと呼ばれ、
鉱石ラピスラズリを原料にしたウルトラマリンブルー。

金よりも貴重であったラピスラズリは星のきらめく天空の破片と呼ばれています。

そんなラピスラズリを惜しげもなく使用したフェルメールの作品にはスポンサーもつきました。

スポンサーがついた事で絵だけに没頭したフェルメール。

じっくり時間をかけた丁寧な作品は、年間2〜3作という寡作でしたが、それでも生活できていたそうなので、作品1つで半年分の収入を優に稼いでいたことになります。

 

戦争によって富を失った晩年

フェルメールは画家組合で理事に就任していたこともあるほど、地位も名誉も得ていました。

画家として高い評価を受け、富と名声があった巨匠フェルメール画伯ですが、晩年は膨大な負債を抱えて死去しています。

 

1670年代から始まった第3次英蘭戦争によりオランダは荒れ果て、経済が低迷していきました。

スポンサー契約が終わり、奥さんの実家も経済状況が低迷し援助が一切なくなり、追い詰めるかのように絵画は1点も売れなくなります。

戦争により培ってきたもの全て消え果て、残ったのは膨大な借金のみとなりました。

 

1675年に43歳という若さで死去したフェルメール、死因は特定されていません。

フェルメールには11人の子供がいましたが、まだ8人が未成年だったようです。

フェルメールの死後、妻カタリーナには一家を背負う責任がのしかかったが、結局破産したそうです。

 

忘れられた画家の不朽の名作

生前は画家として高い評価を得ていたフェルメール。彼の作品は死後20年以上たった1696年の競売でも高値が付けられました。

しかしフェルメールの作品数はあまりにも少なかったため、18世紀に入るとフェルメールの名は急速に忘れられていきました。

再び脚光を浴びることとなったのは19世紀、1866年にフランス人研究家がフェルメールを題材とした論文を著したことで、「忘れられた画家」の発見として再びフェルメールの作品に脚光が当たり、今では世界的に有名なオランダを代表する画家となっています。

 

 

フェルメールの聖地に行ってみよう

フェルメールの故郷デルフトには、フェルメール美術館意外にもゆかりの地があります。


<名作「デルフトの眺望」(写真左)が描かれた場所(写真右側が現在)。>

「デルフトの眺望」は雲の色味に濃淡をつけ、遠近感を強調した技法が特徴的な作品です。

デルフトの眺望モデルの地 概要
アドレス:Zuideinde通り、デルフト

 


<デルフトの風景が「小路」(写真左)、そのモデルになった場所(写真右側が現在)。>

小路が描かれた場所には、フェルメール風のウォールアートがペイントされています。

この「小路」と「デルフトの眺望」のみが現存している唯一の風景画となっています。

小路のモデルの地 概要
アドレス:Vlamingstraat 42, 2611 KX, デルフト