<Reference: wikipedia, Rembrandt van Rijn>
17世紀のオランダ画家の巨匠レンブラント(Rembrandt Harmenszoon van Rijn)は光と影の魔術師という異名があります。

レンブラントの絵画の特徴として、全体的に暗い色が多い中で部分的にスポットライトを当てたかのように明るい色の表現が多く用いられ、その明暗のコントラストが緊張感や心情を表しています。




レンブラントの作品:夜警
<Reference: wikipedia, La ronda de noche, por Rembrandt van Rijn>
レンブラントの有名な作品の1つとして『夜警』があります。(1642年)
正式な作品名は『フランス・バニング・コック隊長の市警団』ですが、背景が黒ずんでいることから夜の様子を描いたと思われ、『夜警』と呼ばれていますが、実際には左上から日が差し込んでいるので昼間のシーンを描いています。

火縄銃手組合から依頼されて描かれたこの夜景は、登場人物の各人が同じ金額を払って製作されています。
しかし皆が平等に描かれていない上、何も関係のない少女を目立たせたため物議をかもした作品です。ですが組合の隊長が夜警を気に入り、最終的にはレンブラントの評価を高めた作品となりました。




レンブラントの作品:テュルプ博士の解剖学講義
<Reference: wikipedia, De anatomische les van Dr. Nicolaes Tulp, por Rembrandt van Rijn>
レンブラントの出世作となったのが『テュルプ博士の解剖学講義』です。(1632年)
著名な医師の講義の様子を描く集団肖像画ですが、かつて集団肖像画というと全員が正面を向き躍動感のない記念写真のような絵画が一般的だったのに対し、レンブラントは鉗子で腱をつまむ教授に威厳さを表現し、他の人物が熱心に語りを聴く姿から彼らの学識を表現しています。



レンブラントの生涯
ライデンで製粉業を営む中流階級の家庭の9番目の子供として育てられたレンブラント。
14歳で飛び級で大学に入学し、レンブラント家の中で唯一進学したちょっとした神童で、両親は法律家になることを望んでいました。
レンブラントへの両親の期待虚しく、大学そっちのけで美術に没頭し、歴史画家に弟子入りしてしまいました。


処女作?『聖ステバノの殉教』(1625年)<Reference: wikipedia, Rembrandt Harmensz. van Rijn>
19歳の時に、ライデンの実家にアトリエを構え、画家として本格的に描き始めます。
徐々に画家レンブラントとしての名が広まり、数年後には弟子を指導するようになりました。
その時の名言としてこんな言葉が残されています。

『知識は実践せよ。さすれば知らぬ事、学ばねばならぬ事が自明になる』

名声を得つつある24歳の頃、地元ライデンから大都市アムステルダムへと進出し、活躍の場を広げました。
アムステルダムで知り合った裕福家庭のお嬢様サスキアと逆玉結婚し、富裕層とのコネクションができ、仕事の場が広がったレンブラントは30歳前にして富と名声を手に入れました。


サスキア夫人<Reference: wikipedia, Portrait of Saskia van Uylenburgh by Rembrandt>
依頼を受けた肖像画、街中で見かけた風景、情景を空想し描いたロンドンやイタリア田園風景などと多ジャンルの作品を描き始めました。
その資料にレンブラントは美術品や工芸品などを収集するようになり、膨大なコレクションを所蔵していました。
またローンで大豪邸も新築し、周囲からは金遣いの荒さが心配されるほどでした。

夜警を描いた2年後(36歳頃)にサスキア夫人が病死し、レンブラントの人生が暗転していきます。
顧客の要望通りの絵を描かない、時間がかかりすぎるなどのクレームが付き始め、この頃から徐々に仕事が減っていきました。
仕事がないのに趣味のコレクション収集癖は収まらず、住宅ローンの支払いが滞りはじめました。

50歳で破産し、画家組合からも追放され、貧民街へと移り住むことになったレンブラント。
しかし彼の絵を好む人もおり、細々と描き続けました。

晩年の自画像(1658) <Reference: wikipedia, Rembrandt Harmensz. van Rijn;
晩年は「パンとチーズと酢漬ニシンだけが一日の食事」と記されるほど質素な日々を送り、1669年10月4日にレンブラントは亡くなりました(63歳没)。遺体は妻と息子が眠る西教会に埋葬されています。



レンブラント美術館
レンブラントの作品はヨーロッパの多くの美術館で見ることができます。

アムステルダム国立美術館(アムステルダム・オランダ)
マウリッツハイス美術館(ハーグ・オランダ)
エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク・ロシア)
ナショナルギャラリー(ロンドン・イギリス)
ベルリン絵画館(ベルリン・ドイツ)
アルテ・マイスター絵画館(ドレスデン・ドイツ)
ルーヴル美術館(パリ・フランス)
国立美術館(ストックホルム・スウェーデン)
ヴィルヘルムスヘーエ城(カッセル・ドイツ)

中でもアムステルダムにあるレンブラントハウスミュージアムでは、レンブラントが絶頂期に購入した大豪邸でレンブラントの作品や、趣味のコレクション、彼の絵画技法を見ることができます。

レンブラントハウスミュージアム概要(2019年)
10〜18時
€14.00
ミュージアムカード:無料
アドレス:Jodenbreestraat 4, 1011 NK Amsterdam
Museum Het Rembrandthuis


<photo credit: Abby flat-coat Rembrandt & Night Watch via photopin (license)>
アムステルダムのレンブラント広場では夜警3Dアートが展示されています。
ここでは無料で見る触る撮ることができます。

 




*合わせて読みたいオランダ観光情報*