何事にも動じない無表情キャラで愛されているミッフィーちゃん。絵本の販売数は全世界で8500万部を超えています。
かつて日本ではうさこちゃんと呼ばれていましたが、ミッフィーの正式名はオランダ語のNijntje Pluis(ナインチェ・プラウス)で、親しみあるMiffy(ミッフィー)の呼び名は英語名です。
オランダではナインチェというと誰もがミッフィーを思い浮かべるでしょう。
そんなミッフィーちゃんの聖地はオランダ第4の都市ユトレヒトです。
ミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナさんの故郷ユトレヒトは、ブルーナさんによってミッフィーが誕生した地です。
ユトレヒトにはミッフィー美術館があり、街の至る所にミッフィーのオブジェやアートが点在し、お土産屋さんにはミッフィーグッズがたくさん並んでいます。
ディック・ブルーナさんってどんな人?
ディック・ブルーナ(Dick Bruna)さんのお父さんは出版社を経営しており、その影響を受けたブルーナさんは幼い頃から本好きだったそうです。
学生時代はレンブラントやゴッホの画集に魅了されて油絵を学び、高校を中退して画家を志し、イギリスやフランスでも絵を学びました。
ユトレヒトに戻ってからはお父さんの出版社でグラフィックデザイナーとして働き、書籍の装丁(表紙のデザイン)を任されます。
ブルーナさんの装丁デザインはぱっと見で目を惹くシンプルで斬新なスタイルで、それまで主流とされていた「書籍のタイトルさえ分かればいい」という装丁の概念を覆した新しさがありました。
その後も出版社のシンボルマークだったクマのイラストをリメイクし人気を呼び、26歳という若さで初の絵本「de appel」(りんごちゃん)を刊行します。
1955年、28歳の時に「nijntje」(ナインチェ)という、うさぎを主人公とした字のない絵本を刊行。これがミッフィー誕生の瞬間でした。
当時の子供向けの本といえば写実的な描写が主流だったため、ブルーナさんの斬新でモダンなキャラクターたちに大人たちには「子供には理解できない」と敬遠されていました。
がしかし大人たちの考えとは逆にシンプルな線と明解な色彩が子供たちの支持を得たのです。
1963年には「nijntje」(ナインチェ)は他言語に翻訳され、翌年の1964年に石井桃子さんの翻訳により「ちいさなうさこちゃん」として日本語で刊行され、以来多くの日本の子どもたちにも愛されています。
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ブルーナさんはグラフィックアーティストとして独立し、社会福祉関係などの仕事にも関わっています。
80歳を超えても毎日自転車でユトレヒトのスタジオに通って創作活動を続けていたという、生粋のオランダ人だったそうです。
2011年にご高齢のため引退し、2017年2月16日ユトレヒトにてその生涯を終えました。 (満89歳)
Dick Bruna 1927年8月23日 – 2017年2月16日
本名:Hendrik Magdalenus Bruna(ヘンドリック・マフダレヌス・ブルーナ)
ユトレヒトでミッフィー巡り
ブルーナさん亡き後もミッフィーちゃんの人気は変わりません。今でも聖地ユトレヒトでは街中のあちこちでミッフィーちゃんに出会うことができます。
セントラル美術館のディックブルーナ展
セントラルミュージアム(Centraal Museum)内にあるスタジオ・ディック・ブルーナ展では、児童書、装丁、ポスターデザイン、オリジナルの図画などと6000点以上のブルーナ作品で構成されています。またブルーナさんのデザインスタジオ(仕事場)を再現した展示もしています。
営業時間:11〜17時(月曜休館)
料金:€16.50
ミュージアムカード:入場無料
チケット >>
MAP:Agnietenstraat 1, Utrecht
URL:Centraal Museum
ナインチェミュージアム
セントラルミュージアムの向かいにあるナインチェミュージアム(Nijntje Museum)。改装工事のために移転していましたが2023年の6月22日からリニューアルオープンします。
ナインチェミュージアムはミッフィーちゃんを堪能できる子供向けの美術館です。デパートにある子ども広場のミッフィーバージョンのようなところでした。
ミッフィー好きのお子様にはたまらなパラダイスとなっています。
営業時間:11〜17時(月曜休館)
料金:€8
ミュージアムカード:入場無料
MAP:Agnietenstraat 2, Utrecht
URL:Nijntje Museum
ナインチェ広場
ミッフィーの名前がついている広場のナインチェプレインチェ(Nijntje pleintje)。ここにはブルーナさんの次男で彫刻家のマルクさんが制作したナインチェの像があります。
ミッフィーの信号機
デパート(Bijenkorf)前の交差点にあるミッフィーバージョンの歩道用信号機(Miffy’s Traffic Light)をお見逃しなく!
止まれの赤バージョンと、歩くの緑バージョン、どちらも見たいので、信号が青でも赤待ちしちゃう交差点です。
交通量が多いので、撮影に夢中になると危ないので気をつけましょう。
MAP:Vredenburgviaduct, Utrecht
クッキー屋さんのテオ・ブロム
1888年創業の老舗のテオ・ブロム(Theo Blom)は、ブルーナさんが大好きだったバタークッキーを販売しているお菓子屋さんです。
美味しそうなお菓子が並ぶお店で、ミッフィーの絵が描かれたクッキーやチョコレートも販売しています。
コレクションショップ
絵葉書やコイン、切手などを取り扱うコレクションショップのヴァム・ファン・デル・バイル(W. van der Biji)。お店のオーナーさんがブルーナさんの大ファンらしく、ブルーナさんにまつわる切手やコレクションが豊富なお店です。
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ユトレヒトではミュージアムショップや観光案内所でもミッフィーグッズを多く扱っているので、ミッフィー系のお土産探しも楽しめます。
他にもユトレヒト市内にはミッフィーの像が置いてあったり、標識の上にさりげなくブルーナさんデザインのイラストをがあしらってあったりします。
隠れミッフィーや隠れブルーナデザインを探しながら散策するとより楽しい街です。