Duolingo(デュオリンゴ)というアプリをご存知でしょうか?
「語学の勉強をゲーム感覚で習得する事ができるアプリ」で、学べる言語数も豊富なことから世界中で人気があります。語学の勉強をしている、またはした事がある方ならご存知の方も多いかと思います。
Duolingoはオランダ語の勉強も対応しているので、オランダ移住または留学された方の中では利用率が高いアプリなのではないでしょうか。
そんな噂のDuolingoのオランダ語習得バージョン、その機能性や効果はいかほどなのか、実際に試してみました。この記事を書いている時点で、利用開始から50日目をむかえます。果たして筆者のオランダ語力はどうなったのか、Duolingoの使い方も含めて見ていきましょう。
Duolingoを使うには英語が必須
Duolingoは英語や中国語など様々な言語を学べるアプリですが、オランダ語の学習では言語設定が英語しか選べません。現在のところ日本語でオランダ語を勉強する設定方法はないのでアプリは英語表記になります。
問題文や回答が英語となるので、ある程度の英語力がなければ使うのが難しい点を感じるかもしれません。
日常会話程度の英語力があればDuolingoでオランダ語を勉強することができると思いますし、オランダ語を学ぶついでに英語の勉強にもなって一石二鳥かもしれません。
英語に不安がある時はDuolingoで英語の学習を始めてみましょう。英語の習得は日本語の設定を選択できます。
Duolingoの使い方
ざっくり説明すると、オランダ語の問題を出され、それに答えるクイズ式のゲームアプリです。
ハートのライフポイントが毎日5つもらえ、ハートがあるうちは問題にチャレンジする事ができます。答えを間違えるごとにハートを1つ失い、5回不正解になるとハートがゼロになるのでゲームオーバーです。
筆者は毎日ハートを全消費するまでクイズに答えてくような学習方法にしています。ハートを5つ消費するのに15〜30分くらいが平均でしょうか。日によっては10分くらいでゲームオーバーとなる時もありますが、逆に30分以上続く調子の良い日もあります。
*ポイントを使ってハートを回復したりできるのですが、正直こまかいところまでは把握しておりません。
Duolingoの出題形式
リスニング、ライティング、リーディング、スピーキングの出題・回答形式があり、とても良くできた語学学習アプリです。
音声で流れたオランダ語を聞き取ったり、オランダ語から英語、英語からオランダ語への翻訳、聞き取ったオランダ語をそっくり発音するなど、語学学校で行う学習方法と大きくは変わりません。
良い点は間違えた問題を最後に再出題され復習できる所です。毎日同じ所を間違えていると必然的に三日目ぐらいで覚えます。
悪い点は単語の活用系などの解説がないので、同じ意味の単語なのかが分からない時があります。
(例:猫の単数 Kat、猫の複数 Katten など「複数の時はこっちを使う」などの説明がないので自己分析が必要になります。)
1レッスンで20問くらい?出題され、全部クリアできるとレベルが上がります。同じレッスンを15回くらいクリアするとレベル5に到達する事ができ、レジェンド問題に挑戦する事ができるようになります。
レジェンド問題はタイムアップ形式で難しくなっていて、筆者はまだ無理そうなので、ひとまずレベル5到達を目標にクリアしてます。
Duolingoの出題方法はスパルタで、いきなり新しい単語がでてきます。
ハートが5つしかないので、勘で選択して間違えているとあっという間にゲームオーバーになります。そんな時は、出題文をタッチすると答えを教えてくれます。答えが分かっているけど、英語のスペルが分からない時にも使えるカンニング方法です。
調子がいいとハート5つで5レッスンくらいクリアできますが、不調な時は1レッスンで終了してしまう日もあります。課金すればエンドレスで使えるようですが、お金を払うまでしなくても十分に学習する事ができます。
レッスンをクリアしていくとダイヤマークのポイントが溜まっていきます。このポイントを使ってハートを回復させることができるので、あまりにもすぐにゲームオーバーになった日や、もう少し勉強したい日はハートを回復させて延長することもできます。
ノートをとる
Duolingoを使っていて一番混乱するのが、単語の活用系などの変形したのがあることです。英語だと複数の時は語尾にSをつけるなどのルールと同じで、オランダ語にもルールがあります、がDuolingo先生は教えてくれません。
英語の基礎は中学で誰もが習っているので、思い出せる可能性がありますが、オランダ語は未知です。そのルールも自分で導き出す必要があります。
そこで筆者はノートを取ることにしました。新しい単語が出てきたらメモして、一人称、二人称、三人称の時…と穴埋め形式でノートを埋めていきます。
問題を答える時には見ないようにして、間違えた時にノートを見て復習していますが、この方法は頭の中が整理できて役立ってる気がしてます。
あとは英語の答えを見ても分からない単語もメモして後で調べています。英語で普段使わない、知らない単語もでてきます。メモをとって英語とオランダ語の両方で学習しています。
(例:Rhinoceros, Neushoorn, サイ)
サイなんて英語で使った事ないので知りませんでした…。
Duolingoでの学習量
Duolingoのオランダ語講座は、ユニット1〜ユニット6まであり、各ユニットに約13〜15レッスンあります。
各レッスンがそれぞれレベル1〜レベル5まであって、レベルを1つあげるのには20問くらいの問題を3回くらい全問正解する必要があります。
約50日、毎日勉強してユニット1の終盤にいるので、1つのユニットをクリアするのに約2ヶ月、全ユニットクリアするには1年かかる見込みになります。
毎日のレッスン量や個人のスキルで異なってくると思いますが、長期間継続が必要な学習方法です。
Duolingoは続かない?
実は筆者、オランダにきて間もない頃にDuolingoを使い始めたことがあります。今回が初ではないのです。ですが、その時は1ヶ月も続きませんでした。
なぜかって?
オランダ語が難しすぎるんです。難しいというより、知らなすぎると言った方が正しいでしょう。最初はオランダ語でThis is a penすら言うことができないのですから仕方ないのですが、単語も文法も知らないので勘でしか問題を解くことができなくて、勘で答えるゲームになってしまい面白みがなく続きませんでした。
Duolingo自体は継続することに効果を感じますが、初めてのオランダ語学習では難しい印象も受けます。
全くオランダ語に触れたことない人がアプリを使った場合、レッスン1をクリアするのにとても時間がかかってしまい、達成感を得られないので継続するモチベーションを保つことができません。それでも続けられる人は強靭な学習意欲をお持ちなんだと思います。
全く初めてのオランダ語学習でDuolingoにて勉強を始める場合は、スマホの隣にノートを準備して1問ごとにメモを取ると覚えが早くなるかなと思います。
最初のうちは単語の意味、発音、スペルを丸暗記、文章も丸暗記になります。中学の初めての英語のテストで教科書を丸暗記すれば高得点取れる感じに似ています。言語勉強の最初はマルっと覚えれることが必要なので、これはアプリでも同じです。自分の覚えやすい方法を見つける必要があります。
あとは、学習する時間を決めることも大切です。毎日決まったルーティーンに組み込むことで継続できるようになります。何時からっと時間で決めるよりも、夕ご飯前、シャワーの前、歯磨きする前とか、これから必ず行う動作の前に設定しておくと「あ、あれやらなきゃ」ってなりやすいので試してみてください。
Duolingoでの学習は効果があるのか?
Duolingoのユニット1をコンプリートできれば「基本のあいさつ」「何が食べたい」「何をしたい」くらいの簡単な表現が言えるようになります。ここまでくれば言えることが増えてくるのでユニット2〜と続くように感じます。
筆者はオランダ生活が4年以上なので、簡単な単語や挨拶は日常生活の中で覚えたものがあります。意味がわからなくても、耳にしたことがある単語もたくさんあります。なのでDuolingoで問題を解くたびに、「こう言う意味だったのか」とか、「こう言うんだ」とか正確な答え合わせができている感覚もあり、以前より数倍楽しく学ぶことができます。
またオランダ人の友人にDuolingoでオランダ語を勉強し始めた事を伝えたので、会うたびに今日の一言オランダ語を実践して、意味が伝わるか聞いてもらっています。最初は「何言ってんのかわかんない」とあしらわれたのですが、最近は伝わるようになってきたので、次は笑いが取れるくらいになりたいと欲が出てきました。
先日「今日は寒いので私は温かいコーヒーが飲みたい」とオランダ語で知人に試しに言ってみたところ、みごと美味しいコーヒーをゲットする事ができました。50日目でこれくらいは言えるようになります。継続は力なので、全クリアまで頑張ってみたいと思います。
学んだことをアウトプットすることが大切
現在の筆者にはオランダ人の知人がいて、また生活の中でオランダ語を耳にすることがあるので、Duolingoで新しく学んだ単語を日常で使える、耳にする環境があります。
毎日新しい単語や文章を与えてくれて、間違えたら翌日に復習問題を出してくれる、1日たったの15分学習のDuolingoは合っているように感じます。 また周りの目を気にせず声を出して発音練習ができる点もアプリならではの良さです。
ただし、Duolingoだけでは理解できない事が多々あるので、週1くらいで参考書などで文法などを勉強する時間も設けないと上達できません。
アプリのメリットはリスニングとスピーキングを鍛えることができる点だと思います。これは参考書や問題集を見ているだけでは成長できない点です。毎日、様々なワードを耳にすることで、オランダ語の会話の中から部分的に単語を聞き取れるようになっていきます。
アプリでリスニングとスピーキングを鍛え、ノートをとって単語を覚え、参考書で文法を整理する、アプリと参考書の併用が筆者には合っているなと実感しました。
レストランやカフェのオーダー、スーパーのレジなどオランダ語で話しかけられることは日常で多々あると思います。その時に練習だと思って聞き取ったり、しゃべったりしてみてください。うまく通じなかったら英語に切り替えて「オランダ語練習中なんだ」っとでも言えば、発音のアドバイスしてくれる店員さんもいらっしゃいます。(忙しそうな時は迷惑なるのでやめましょう。)
とにかく使うことが一番の練習だと思います。Duolingoで勉強を始めたら、ぜひ実践もしてみてください。