毎年4月27日はキングスデー。
オランダ国王の誕生日を国民全員がお祝いする日ですが、今ではオランダ全土でパーティーが開催され、世界各地から観光客が押し寄せる、オランダ人気ナンバー1のビックイベントとなっています。
ただただはしゃぐだけでも楽しいキングスデーですが、せっかくなのでオランダ国王についても調べてみました。オランダの歴史を知った上で心から国王の誕生日をお祝いしたいと思います。
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オランダの始まり
現在のオランダ（オランダ王国 /ネーデルラント王国）の始まりは約200年前に遡ります。
1794年にネーデルラント連邦共和国（前オランダ）はフランスに侵攻され崩壊します。
1808年からオランダの土地はナポレオンの支配下となりました。
1813年にナポレオン皇帝が敗北するとイギリスへと亡命していたウィレム王子が帰還します。
1815年にネーデルラント国王（現オランダ）を成立させ、ウィレム王子（ウィレム1世）が国王に即位します。
歴代オランダ国王
1815年3月16日～ ウィレム1世
1840年10月7日～ ウィレム2世（ウィレム1世の長男）
1849年3月17日～ ウィレム3世（ウィレム2世の長男）
1890年11月23日～ ウィルヘルミナ（ウィレム3世の長女）
※ウィルヘルミナが成人するまでは王太后が8年間摂政を務めた。
1948年9月4日～ ユリアナ（ウィルヘルミナの長女）
1980年4月30日～ ベアトリクス（ユリアナの長女）
2013年4月30日～ ウィレム・アレクサンダー現国王（ベアトリクスの長男）
オランダの王位継承
オランダが立憲君主国家となった1815年から現在までに７人が君主に即位し、うち４人が生前に退位しています。
初代ウィレム１世は王の権限を弱める憲法の改正に抗議するとともに、当時併合していたベルギーの独立を許した責任をとらされる形で、1840年にみずから王位を退きました。
４代目のウィルヘルミナ女王からは３代続けて女王が君主を務め、いずれも高齢や病気などを理由に生前に退位しています。
先代のベアトリックス女王は2013年の75歳の誕生日を前に、「新しい世代に責任を委ねるときが来た」として退位を表明し、３か月後に息子の現ウィレム・アレキサンダー現国王に譲位しています。
王室が国民に広く親しまれているオランダでは、退位・譲位は王や女王の健康状態や公務に対する考え方に委ね尊重されています。現オランダ憲法には「生前退位」の規定があり、王位継承権は嫡出の子孫のうち性別に関係なく年長の子から優先的に認められています。
現オランダ国王はどんな人？
<photo credit: HereIsTom King of the Netherlands via photopin (license)>
現国王のウィレム・アレクサンダーさん。
前女王であり、お母様のベアトリクスさんの第一子として1967年4月27日にユトレヒトで生まれました。
オランダ王室での直系男子の誕生はウィレム3世以来116年ぶりのできごとでした。
アレクサンダーさんが国王として即位したのは2013年4月30日、46歳の時です。三代にわたり女王だった王位に、国王として即位されされたのは123年ぶりとなりました。
三人兄弟の長男で、2018年で51歳となるアレクサンダー国王のフルネームはWillem-Alexander Claus George Ferdinand van Oranje-Nassau（ウィレム＝アレクサンダー・クラウス・ヘオルフ・フェルディナント・ファン・オラニエ＝ナッサウ）と絶対覚えられない長さです。
王妃マクシマさんとは2002年に結婚され、現在は3人の娘さんがいらっしゃいます。
国王と王妃は人気者で、国民に近い気さくな人柄を評価されています。
国王の副業
アレクサンダー国王は飛行機愛好家でパイロット資格を取得しています。実はパイロットになりたかったそうです。
そして飛行機愛好家の域を超え、副操縦士として21年間アルバイトをしていたことを2018年メディアに明かしたことはオランダ国民も仰天のニュースとなりました！
国王 兼 パイロット
誰も真似できない超ハイスペックです。
そして何よりも国王も副業してOKなところが、自由で自己責任なオランダっぽい考え方だと感じました。
「副業できるほど国王は暇なのか？」と言ったらそんな訳はございません。
実際副操縦士としてのアルバイトは月２回程度だったそうで、公式行事や公務でご多忙な毎日なようです。
忙しくても副業したいほど飛行機の操縦が好きなんだと伝わってきました。
ちなみに国王は活動費（給与）として毎年87万ユーロ（約1億円）を受け取っているそうです。この活動費については高すぎると考える人が60％以上いるようですが、生涯国務をこなす身としてこの金額が高いのか安いのか…庶民には見当ができません。
次期国王
ウィレム・アレクサンダー国王が退位すると、次は３姉妹の長女カタリナ＝アマリアさんに譲位されます。
2021年に18歳を迎え成人となったアマリアさん、現在は国王としての準備も初めているようですが、実際に継承されるのはもう少し先になりそうです。
