アムステルダム南西に位置する農園の町アールスメール(Aalsmeer)は町の紋章に獅子が鰻を捕まえる姿が描かれていたり、町の旗の色が苺・葉・土壌を表す赤・緑・黒の3色旗だったりと、ユニークなデザインの町です。
このアールスメールで最も有名なのがロイヤル・フローラ・ホーランド(Royal Flora Holland)の世界最大規模のお花の卸市場です。
毎日この市場から4400万本のお花が世界中へと出荷されています。
そんな世界最大規模の市場は誰でも観光することができます。しかしながら見学できるのは平日の早朝からお昼前までと限られた時間で、それ故に夜型の方には難易度が高い観光スポットです。
今まで行く機会がありませんでしたが、思い立ったら吉日、オランダ生活7年目にして世界最大規模のお花の市場へと訪れてきました。
早起きが辛かったけれども、早起きした価値がある、ここでしか見ることができない市場を見学してきました。
ほんとに早起きが辛かったけれども、それでも訪れて良かった満足度の高いロイヤル・フローラ・ホーランドの見どことろをまとめましたので、観光の参考にしてみてください。
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アールスメールの花市場
平日の朝7時から11時まで(木曜は9時まで)の短い時間のみ見学できる花卸市場。たくさんのお花と活気ある様子を見るには早い時間が良いとのことだったので、月曜の8時頃に訪れてきました。
受付の方いわく、月曜日が最もたくさんのお花が出荷される日だそうです。
フローラ・ホーランドの概要
アールスメールの花卸市場がオープンしたのは1910年。今では100年以上の歴史あるお花のセリ市場です。
毎日2万種類、4400万本以上のお花が競売にかけられ、1日で1800万ユーロ以上の売り上げになるそうです。
出荷の多いお花の種類は1位がバラ、2位がチューリップ、3位が菊です。
チューリップが2番目なのが意外っと思ったら、花卸市場のチューリップの年間の出荷量は18億本。日本のチューリップ出荷量が年間2千万本なので、規模の桁違いが見てとれます。(ちなみに花卸市場の薔薇の年間出荷量は28億本らしいです。)
そんなアールスメールの花卸市場は広さが173ヘクタール以上(サッカーコート250面分)もある巨大施設です。見学できるのは一部分ですが、グルっと見てまわるだけで1時間かかりました。
あまりにも楽しくて2周してきたので、2時間くらい見学してきたのですが、まったく飽きない魅力的なお花の卸市場でした。
営業時間:月火水金7〜11時、木7〜9時
料金:€10.50
住所:Legmeerdijk 305, 1431 GB Aalsmeer
URL:FloraHolland
オークションの様子
卸市場といえば見どころは競り(オークション)の様子を見学することです。
かつてはオークション部屋に巨大なディスプレイとパソコンが並び、毎日ここで競りが行われていました。
しかしコロナ禍以降はこの部屋に集まって競りを行うことがなくなってしまったそうです。リモートでもオークションができてしまうテクノロジーの進歩に驚愕ですが、実際に競りの様子を見たかったので少し残念でした。
お花の全自動仕分け
受付でチケットを購入して、階段をのぼると花市場倉庫の入口でした。扉を開けた瞬間にお花の香りに包まれます。
花市場見学で最初に驚くのはその広さです。巨大な倉庫内にお花のワゴンが何百何千と並んでいます。
1日に4000万本以上のお花が出荷されるので、その大半は機械作業で仕分けされます。この卸市場に届けられた花は束毎にバーコードが付けられ、そのバーコードを読み取って仕分けられます。
3段式のお花のワゴンがレールの上を自動で動いていました。自動で移動するレールは全長で18kmもあるそうです。
立ち乗り三輪車での仕分け
自動で運ばれてきたお花のワゴンは、今度はセグウェイのような電動立ち乗り三輪車で運ばれていきます。
三輪車の運転手さんは無線で指示を受けて倉庫内を移動し、出荷先の別のワゴンにお花を振り分けていきます。
この三輪車の運転手さんは見学できる倉庫内だけで何百人と働いていらっしゃったと思います。たくさんの三輪車が走り回る様子は見入ってしまう魅力がありました。
カートでの仕分け
立ち乗り三輪車で出荷別に仕分けされると、今度はカートに牽引されて別の倉庫に運ばれていきます。その後お花は直ぐにトラックや飛行機へと積まれ、その日のうちに世界中のお花屋さんに並ぶそうです。
立ち乗り三輪車の運転手さんは若者が多かったですが、カートの運転手さんは年配の方が多かったです。座って運転できる年配者への配慮なんだと思いますが、カートの運転手の方が貫禄があるように感じました。
三輪車、そしてカートは全て電力モーターで動いており、そのモーターの充電には巨大な建物の壁面に設置された大きなソーラーパネルで発電しているそうです。自然を扱う施設なだけにエコにも配慮しているのもさすがです。
見学ルート
花市場の見学は倉庫上部にあるブリッジから倉庫内を見下ろしながらグルリと1周まわることができます。
1周で1km以上あるルートからは、自動でお花が仕分けられる様子や、三輪車やカートが走り回る様子、旧オークション部屋、お花の品質チェック室などを見ることができます。
訪れた日の朝はバラや菊のお花が多かったです。見学ルートを一周まわると今度はチューリップの仕分けが開始していたので2周見学してきてしまいましたw。訪れる時間帯でお花の品種が異なるようです。
出口付近には記念合成写真が撮れる写真ブースと、無料の自動販売機があります。2周も歩いてくたびれたのと、早起きしたので、コーヒーが染み渡りました。
お土産やさん
出口は入口と同じところでした。チケットカウンターの前にはギフトショップがあります。生花は売ってませんでしたが、お花にちなんだお土産が色々とありました。チューリップの傘が可愛かったです。
花市場までのアクセス
アムステルダム・ザウド駅前から花卸市場フローラ・ホーランド前までバス358番で約35分です。
見学時間が平日の朝7時から11時まで(木曜は9時まで)となっています。見学所要時間は1時間〜くらいだと思います。
受付の方いわく週初めが最も出荷数が多いそうです。月曜の8時〜10時過ぎまで滞在しましたが、常にたくさんのお花のカートが運ばれてる様子を見学できました。