ビルバオからバスで1時間。バスク地方の北端にある小さな岩島。その頂上には10世紀頃に建てられた礼拝堂があります。
急傾斜の石橋、そして200段以上の石段を登り、息を切らしてやっとこたどり着く礼拝堂。
道中の景色と礼拝堂からの眺めは、まごうことなき絶景でした。
ガステルガチェ
小さな岩島のガステルガチェ（Gaztelugatxe）はバスク語で「城の岩山」という意味があるそうです。
本土から石橋によって繋がっている小さな岩島の上には礼拝堂が建てられています。現在の建物は1980年に再建されたものですが、古くは9〜10世紀頃に建てられたのが始まりとされています。
礼拝堂の歴史の多くは今だに謎に包まれています。現在までに何度も火災の被害にあい、その度に再建を繰り返し、現在までその意思を引き継いできたそうです。
自然が美しい観光名所
ガステルガチェの礼拝堂までは最寄りの駐車場から約1時間のトレッキングでのみ訪れることができます。
急な斜面の坂道に、急勾配の石段となかなかのハードなトレッキングルート。過酷な道のりなのは昔からの景観がそのまま残されているからです。
多くの植物、海風、岩肌、崖、海、青空などなどと、見渡す限りの美しい景色。
そんな美しい観光名所のガステルガチェは2014年にスペイン人対象のアンケートで「スペインの自然が美しい観光名所」の第一位に選ばれています。
青空の下で見るガステルガチェは本当に美しかったです。
予約と訪れたい季節
ガステルガチェに訪れるには事前にチケット予約が必須です。
ガステルガチェ公式サイトから訪れる日時の予約が必要になっています。
チケットがないと敷地内のトレッキングコースにも入場することができないので、ガステルガチェをチラ見することも不可です。チケットは無料なので必ず事前に予約しましょう。繁忙期は混み合うので早めの予約をお勧めします。
ガステルガチェ観光のベストシーズンは春と秋です。道中がハードな坂道となるので、暑すぎない6月や9月がベターです。またガステルガチェから眺める夕焼けも美しくて人気です。
夏休みシーズンの夏季は観光客が多いです。礼拝堂までのルートは道幅が狭いので思うように進むことができなくなると思います。また記念写真も撮りづらそうです。
サマーシーズンは岩山手前の海辺で海水浴を楽しむ方も多く、終日賑やかな雰囲気になります。それはそれで楽しそうです。
道中は日陰が少ないので熱中症対策を万全にして訪れましょう。
ガステルガチェに行こう
ビルバオからガステルガチェまでは市バスで訪れることができます。マユア広場から出発するバスA3517番に乗車します。乗り場が分かりにくかったので観光案内所でバス乗り場と時間を確認すると安心です。
バスは1時間に1本でていました。乗車賃は€3くらいだった気がします。運転手さんに現金で支払います。
ビルバオから約1時間、Gaztelu Begiで下車します。バス停のある駐車場から先は車両侵入禁止です。
レンタカーで訪れた場合は無料の駐車場を利用できます。お昼過ぎには満車になってました。
ここから礼拝堂まで徒歩で約1kmの道のりです。距離的には大したことありませんが、高低差が激しいので歩きやすい靴を履いてきましょう。
案内板の階段を降りた先がガステルガチェの入口です。
階段を降ったところにトイレ、レストラン、売店があります。ここから先はお店などが全く無いので、ここで準備万端にしましょう。トイレは無料で綺麗でした。お水は少なくとも500mlは持っていきましょう。
トレッキングルート
売店のある路地の先にガステルガチェの入口ゲートがあります。ここでチケットをスキャンして入場します。
ゲートから先は道は舗装されているものの、なかなかハードなトレッキングと思って過言ではありません。アップダウンの激しい道のりです。
最初はしばらく緑豊かで眺めの良い下り坂でした。
「え〜まだ下り坂なの⁉︎」などと思いつつガンガン下ります。
途中で戻ってくる方とすれ違うのですが、みなさん息を切らしながら坂道を登ってきます。
「帰りはコレを登るのか…」と戻りの怖さをヒシヒシと感じましたw。
木陰で休みながら進むと岩山と礼拝堂が見えてきました。が、下り坂の終わりはまだ見えませんw。
ガステルガチェの全貌が見えたところで海風がビューッと吹いてきます。絶景と海風の心地良さで疲れが少し緩和しました。でもまだまだ下り坂ですw。
坂を下り切ったところがガステルガチェの岩山の入口です。本土から続く石橋を渡ります。人工物なのに自然界のもののような神秘さを感じる石橋でした。
さて、ここから先は登りです。日陰となるような場所がないので、直射日光がダイレクト。日焼け止め、帽子、サングラスをお忘れないように！
ひたすら石段をのぼります。風景がゲームのような世界観です。
日常では出会わない急傾斜の石段です。永遠に思えるほど、登っても登っても続きます。
振り返ると絶景が広がっているので景色を眺め、休憩をとりつつ、ひたすら登りました。
最後の最後まで修行のような登り階段。あと一踏ん張りの足が動かず、ラストのコーナーでみんなが小休憩を挟んでました。
頂上にはバスク州の旗が掲げられてました。達成感を噛み締めながら、とりあえず座って休息ですw。
岩山の上の礼拝堂
今より10世紀以上も前から祈りが捧げられていた場所です。現在の建物は1980年に再建されています。
礼拝堂には難破船から生き延びた船員の奉納物が保管されてます。中に入ることはできませんでしたが、小窓から中の様子を覗けました。
礼拝堂がオープンしている日もあるそうです。
礼拝堂の裏側は日陰なので、海を眺めてボーっとしながら休憩できました。
曇り予報が嘘みたいに快晴で、観光客も少なく、本当に美しい景色を見ることができて大満足できました。
レストランで休憩
しっかりと休憩を取ったところで帰ります。帰りの石段は下りなので楽に感じました。でも滑りやすいので注意が必要です。
石段を下り、石橋を渡ると、その先は地獄の上り坂です。「10m進んでは一休み」を繰り返しながら時間をかけてゆっくり帰還しました。
レストランのところに戻ってくるまで、だいたい1時間30分ちょいくらいかかりました。わりとゆっくりなペースだと思います。
このままバス停に直行すればバスが来るタイミングでしたが、さすがに疲れたのでレストランに立ちよって休憩しました。
歩いた後の食事は格段に美味しかったです。そしてこのレストランは眺めのいい席がある素敵なお店でした。帰りにぜひ立ち寄りたいお店です。お値段もリーズナブルでした。
ガステルガチェまでのアクセス
小さな岩島のガステルガチェ（Gaztelugatxe）までは、ビルバオからレンタカー、市バス、またはツアーで訪れることができます。
美食の街サンセバスチャンなどビルバオ周辺を観光するならレンタカーが便利です。ビルバオから日帰りでガステルガチェ、サンセバスチャン、ゲルニカの周遊観光ができます。
低予算で観光するなら市バスが便利です。ただし季節によってはバスが運行していないので冬季は注意が必要です。バスは1時間に1〜2本の運行でした。観光案内所でバスの時刻表と乗り場を確認できます。
気ままに観光するならツアーが便利です。レンタカーや市バスで訪れる場合は事前の下調べが必要ですが、ツアーならば寝坊さえ気をつければ全部おまかせできます。
ガステルガチェと周辺の町の周遊ツアーが人気です。
