アムステルダムから電車で約1時間30分、オランダ東部の町デフェンター(Deventer)では毎年12月に2日間だけクリスマスにちなんだ大規模な仮装イベントDickens Festijn(ディケンズ・フェスティバル)が開催されます。
デフェンターは歴史建築物が多く残っている人口10万人の田舎町。この町で開催される風変わりで、そして他では体験することのできないイベントには15万人以上の観光客が訪れるそうです。
下調べもせずにふらっとディケンズ・フェスに訪れてみたら、そこにはリアルな19世紀のイギリスが待っていました。
オランダの田舎町で19世紀の英国のクリスマスを体感できる、まるで白昼夢のような不思議な1日になりました。
ディケンズ・フェスティバル
毎年デフェンターで開催されるクリスマスイベントDickens Festijn(ディケンズ・フェスティバル)は、クリスマスストリーで最も有名なクリスマスキャロルの著書チャールズ・ディケンズにちなんだイベントです。
デフェンターの町の人たち総勢950人が、ディケンズの小説に登場する人物に扮装し、デフェンターの町を小説の世界に変えてしまいます。
来場者は19世紀のイギリスに訪れたような体験ができるユニークなイベントでした。
この2日限りの夢の世界の物語を体験しに毎年多くの観光客が訪れます。そのためデーフェンター駅からディケンズ・フェスの入口まで最大で2時間くらい待つことになります。イベントが始まる30分前の10時30分にデーフェンター駅に到着しましたが、会場に入れたのは12時過ぎでした。
ディケンズ・フェスは町の一角、約1kmの通りで開催されます。入場は無料ですが、通りが混乱しないように、ある程度の入場制限がされていました。
人混みが苦手なので行列と待ち時間が辛かったですが、入場してしまうと観光客の多さは気にならなかったです。
開催期間:12月16日〜17日
時間:11〜17時
入場無料
Map:Keizerstraat, Deventer
URL:dickensfestijn.nl
ビクトリア時代のクリスマス
ヴィクトリア女王がイギリスを統治していた19世紀末にタイムスリップした体験ができるディケンズ・フェスは、本当に小説や映画の中を散歩しているような感覚になりました。
ヴィクトリア女王のパレードにも遭遇できました。みなさん素人とは思えないほど役に入り込んでおり、一人一人が忠実に役を演じています。
教会の中にも仮装している方が普通に歩いていたり、談話しています。本当にリアルな19世紀の日常を目にしているようでした。
時には通りで合唱を披露するコーラス隊もいらっしゃいました。歌ったり、怒ったり、騒いだりと、通りを歩いていると5分に1回は何かしらのイベントが起こりました。
小説を読み進めると新たな登場人物が現れるように、通りを数歩すすむと次のストーリーが始まる、まるで物語を読んでいるような楽しさをリアルで体感してきました。
イベントフード
ディケンズ・フェスが開かれている通りには、たくさんの屋台がでていました。販売している方達も全員が仮装しているので、世界観が統一されています。
入場できたのがお昼頃だったので、屋台でお昼ご飯にしました。
19世紀のイギリスフードが食べれるような雰囲気ですが、ディケンズ・フェスの屋台飯は典型的なオランダ屋台飯でした。大きなミートボールがドーンとのったサンドイッチや、グリルしたお肉をスライスしたサンドイッチなどがありました。
お値段はアムステルダムよりは安いように感じましたが、お祭り価格です。PIN(オランダのデビットカード)で支払えましたが、現金のみのお店もありました。
食べ物屋さんの出店が多く、スイーツ屋さんが豊富でした。カラフルなキャンディーやドーナツが可愛かったです。
焼きたてのベルギーワッフルがありました。粉砂糖をたっぷりとかけてくれたので、とっても美味しかったです。食べた後は自分が粉砂糖まみれになってました。
入場待ちで体が冷えてしまったのでグリューワインもいただきました。紙カップがディケンズの物語になってて可愛いかったです。
紙カップの写真を撮っていると、おじさんが「俺も撮って」アピールしてきましたw。
仮装している皆さんはとてもフレンドリーで、カメラをかまえると必ずポージングしてくれました。また話しかけるとお喋りもしてくれます。
まるで役者さん、いや本当に物語から飛び出してきた方達なんじゃないかって錯覚してしまいました。
クリスマスマーケット
クリスマスイベントのディケンズ・フェスではクリスマスマーケットっぽさもあります。
通り沿いのお店はオープンしており、お菓子屋さんにはクリスマス用のクッキーやチョコレートが並んでいました。お菓子屋さんやお土産屋さんのスタッフさんももちろん仮装しています。
クリスマス雑貨を販売しているお店もチラホラありました。売っている商品もアンティークっぽいものが多く、ここでも世界観が統一されてました。
広場
約1kmの通りを抜けると現実世界に戻ってきます。時計を見ると14時30分過ぎ。2時間30分も夢物語の中に迷い込んでいたようです。
ディケンズ・フェスが開かれている小路地から、町の中央広場に出ただけなのに、夢から覚めたような不思議な感覚になりました。
デフェンターの中央広場ではサタデーマーケットが開催していて、とても賑わっていました。クリスマス雑貨などもありました。広場の周りにはレストランやカフェが集まっており、テラス席で休憩している方も多かったです。
中央広場から5分くらいのところにある市役所前の教会(St Lebuïnus Church)の中でもクリスマスマーケットが開かれていましたが、入場待ちの列ができてました。
流石に疲れちゃったので、今回はスルーしました。
デフェンターの町は歴史遺産が多く見どころが多い町です。町観光はまた改めて訪れたいなと思います。
入場する待ち時間が長かったけれど、待つ価値がある体験でした。素敵な世界に没入できた楽しさがあり、なにより役を演じている町の皆さんが最も楽しそうにしており、笑顔が絶えない光景がとても魅力的でした。
年に2日間だけのクリスマスストーリーにぜひ訪れてみてください。
メリークリスマース🎄