チェコ最大のお城プラハ城(Pražský hrad)。その広さは7ha以上と言われています。
城内には王宮や宮殿以外に教会や修道院、乗馬場などもあり、小さな町のようになっています。
ロマネスク、ゴシック、ルネッサンス、バロック様式と豪華絢爛な城内の建築群に対し対照的なエリアが黄金小路(Zlatá ulička)と呼ばれるかつての城内貧民街です。
城壁内の狭いエリアで密集する貧民街は、豪快で大規模な王宮の建物に対し、極狭な軒を連ねる異様なスケール感です。
パステルトーンの外壁や、小さな窓やドア、低い屋根の建物はまるでホビット族が住んでいたかのような印象を与える冒険ファンタジーエリアになっています。
黄金小路の歴史
プラハ城の歴史は9世紀に遡りますが、黄金小路が建設されたのは16世紀後半のことです。城壁に引っ付くように家を建て、狙撃兵と職人などの貧しい人々が住みだしたのが始まりとされています。
金細工師がここに住んていた、はたまた金を生成する錬金術が行われていた噂があったことから、スラム街を嘲る皮肉をこめて黄金小路と呼ばれるようになりました。
19世紀までに所狭しと家が建てられ続け、路地の幅が1mも無い状態までカオスとなりましたが、あまりの混沌さからか整備され現在も残っている路地部分のみとなりました。
20世紀に入るまでは王族や皇帝が住んでいたプラハ城ですが、1918年にチェコスロバキア共和国の成立とともにお城には大統領府が置かれました。
第二次世界大戦後にプラハ城とともに再建・改修された黄金小路はプラハ城の観光地化とともに経済的価値を見出され、かつての貧民街は経済的価値の高い、まさに黄金路地となりました。
観光地化された黄金小路
現在、観光スポットとなっている黄金小路には昔のままの住宅がギャラリーとなっていて、内部を見学することができます。
技師や職人の家には工具が溢れかえっており、未知の道具から錬金術師や魔術師をイメージさせたのが伺えます。
冒険の町・黄金小路からミフルカ火薬塔へ続く細い通路は洞窟のようで、その中で展示されている甲冑や武器はまるで武器屋のような、世界観がファンタジーへと引き込まれていきます。
広大な敷地のプラハ城。観て周るのは1日がかりです。そして全てが歴史的建造物で、その情報量も膨大です。
身も頭も疲れたと心で黄金小路からの冒険ファンタジー感は癒しスポット、はたまたマニアックなテンションが急上昇する異世界です。
アムステルダムからチェコ・プラハへ(約1時間20分)
プラハ駅から徒歩40分