オランダのロッテルダムから約1時間半。
ベルギー第2の都市、アントワープ(Antwerpen)は、想像以上に見どころが多い街です。
この街には「巨人伝説」が残っていて、
- 巨人を倒した英雄の噴水
- 街中にある“手”のモチーフ
- 手の形をした伝統ビスケット
など、歩くだけでもちょっとしたストーリーを感じられるのが面白いところ。
一方で、日本人にとってのアントワープといえば
フランダースの犬の舞台。
でも実際に訪れてみると、
現地ではそこまで知られていないというギャップもあって、これもまた旅の面白さでした。
このあたりも含めて、実際に歩いて回った観光スポットをまとめているので、散策の参考にどうぞ。
アントワープ観光の全体像|エリア別にざっくり把握
アントワープはコンパクトだけど中身が濃い街。
- 旧市街:教会・広場・歴史建築
- 中心部:ショッピング・グルメ
- 港エリア:近代建築・美術館
この3エリアを軸に回ると効率よく観光できます。
アントワープの歴史建築
歴史建造物は無料で見学できるところが多かったです。
世界一美しい駅・アントワープ中央駅

19世紀末に建てられたアントワープ中央駅(Antwerp Central Station)は、オランダとベルギーの首都ブリュッセルの中間にある主要なターミナル駅。
プラットホームの全長は186mと長く、多くの電車が収容できる駅です。

19世紀末に建てられたこの駅、
「世界一美しい駅」とも称されるレベルの建築。
- 大理石の装飾
- 宮殿のような空間
- 高さと奥行きのある構造
駅に着いた瞬間にテンション上がるタイプのやつ。
ここは“観光地”としてしっかり時間を取ってOK。
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フランダースの犬の舞台・聖母大聖堂

旧市街の中央にある聖母大聖堂(Onze-Lieve-Vrouwekathedraal)は、フランダースの犬にゆかりのある教会です。
約200年の時をかけて建てられたゴシック様式の大聖堂は、各所の彫刻がとても美しい建物。125mの高さのある塔には4月〜9月の間の水曜日のみ登ることができます。

大聖堂の中には16〜17世紀に活躍した画家ルーベンスの絵画が飾られています。
フランダースの犬の主人公ネロが憧れていた画家ルーベンス。
物語を知ってる人は、かなり刺さる場所。
ネロが毎日眺めていたルーベンス作の”聖母被昇天”、ネロが見たかった”キリストの降架”、そしてネロが最後に見たルーベンス作の”キリストの昇架”の実物を見ることができます。

大聖堂の前にはネロとパトラッシュが一緒に眠る像が飾られています。これは2016年に日本とベルギーの友好150周年を記念して作られたようです。
これだけフランダースの犬との繋がりがある聖母大聖堂ですが、実はベルギーではあまり知られていません。
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パイプオルガンの美しい聖パウロ教会

16-17世紀にかけて建設された後期ゴシック様式の聖パウロ教会(Saint Paul’s Church)。
20世紀に火災により甚大な被害を受けて、現在の建物はその後に再建です。
17世紀のパイプオルガンがあることでも有名な教会で、建物内を見たかったのですが冬季は週末しかオープンしておらず入れませんでした。また改めて訪れたいです。
彫刻が美しい聖アンドリュー教会

16世紀に建てられた聖アンドリュー教会(St. Andrew’s Church)。訪れた日は改修工事の真っ只中で、外観のほとんどが覆われてました。

この教会の見どころは、18世紀に活躍したベルギーの彫刻家の傑作といわれている美しい祭壇です。
もともとは別の修道院のために作られた祭壇を移設したらしいです。
街の中心グローテ・マルクト

アントワープの旧市街の中央広場グローテ・マルクト(Grote Markt)は13世紀頃から広場として市民の集う場所。
広場のブラボーの噴水(Brabofontein)は、青年ブラボーが巨人の手を切り落とし、その手を川に投げたという「巨人伝説」をモチーフにしています。
そんな広場に面したお城のような建物のは16世紀に建てられた市役所(Stadhuis Antwerpen)です。

現在は市役所の1階を無料で見学できます。建物の歴史や改修工事の写真が飾られていました。
今でも市役所として使われているため1階以外は見学できませんが、年に数回だけ建築ツアーを開催しているそうです。

マルクト広場に面したギルドハウス(Gildehuis)もアントワープの観光名所。
ギルドハウスとは、昔の職人さんたちが集まって会議や集会を開いていた場所のこと。アントワープのギルドハウスは最も古いもので16世紀に建てらたものです。
最古の建造物ヘット・ステーン

要塞のような建物ヘットステーン(Het Steen)は、アントワープに現存する建物で最も古く、13世紀初頭に建てられた城門の一部です。
14〜19世紀の500年間は刑務所として使われていました。
現在は観光案内所になっているので、建物内に無料で入れます。

建物の屋上からは川が一望。
雨あがりで水が濁ってて、雲も多く、風も強くて寒くて、早々に退散してしまいましたがw、夏季や天気の良い日はもっと美しい眺めかと。

ヘットステーンの隣には1888年に建設された装飾の美しい屋根が並んでいます。もともとは川の埠頭だったそうですが、現在は改修工事中で新しい施設として生まれ変わるようです。
豪華すぎるショッピングモール

1908年に建てられた旧シティーホール(Stadsfeestzaal)は、かつてはアントワープで最も有名だったイベントホールでパーティー会場でした。
2000年に火災により建物が全焼し、2007年に再建され、現在はショッピングモールになっています。

イベントホールだった部分は完全再現されており、金箔で仕上げた装飾、寄木細工、オリジナルの彫刻などと豪華な仕上がりで、息をものむ美しさでした。
買い物しなくても立ち寄る価値ありです。

ちなみに40店舗以上の様々なお店がはいったショッピングモールには、オランダでもお馴染みのアジアンスーパーマーケットも入ってました。
アントワープの美術館
アントワープは魅力的な美術館が多かったです。
見たいところを全て回るには時間が足りなかったので、また訪れたいです。
ルーベンスの家

17世紀に活躍した画家ルーベンスが住んでいた邸宅ルーベンスの家(Rubenshuis)は、現在は美術館。
ルーベンスの作品の他に、家族と暮らしていた家、そして様々な作品を生み出したアトリエを見学する事ができます。
アントワープ王立美術館

19世紀の風格ある建物のアントワープ王立美術館(KMSKA)。
1階は20世紀の作品が展示された現代アート、2階には16世紀17世紀のクラシックアートが展示されています。

2022年にリニューアルオープンで展示スペースが40%増築され、より多くの展示を見れるようになりました。
駅や旧市街地から離れているのでアクセスが不便ですが、旅程に余裕があったら訪れたい美術館です。
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印刷所博物館

プランタンモレトゥス博物館(Museum Plantin-Moretus)は16世紀の印刷所の歴史博物館。
歴史的な書籍や版画が豊富に保存されています。

家族経営だった印刷所にはアンティーク家具、芸術作品、そして金の革で覆われた多くの木彫りが備え付けられています。
また印刷所の家族は画家ルーベンスと友人だったそうで、ルーベンスの作品も見ることができました。
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ファッション博物館

モード博物館MoMu(MoMu – ModeMuseum)は衣類、靴、テキスタイル、アクセサリー、レースなどのコレクションを3万点以上も有しているファッション博物館です。
19世紀の歴史ある建物ですが、館内は21世紀にリノベーションされており、印象的な木製階段があるそうです。
チョコ博物館

世界最大のベルギーチョコレート博物館のチョコネーション(Chocolate Nation)は体験型のチョコミュージアムです。
ツアーに参加するとカカオからチョコができるまでを学ぶことができるとか。館内のお土産屋さんでベルギーチョコのお買い物もできます。
港の博物館

19世紀末に約200万人の人々がアントワープから蒸気船に乗って北米へと移民しました。
夢と希望を持ってニューヨークへと渡った人々の思いや、当時の船旅での様子などを展示しているのがレッドスターライン博物館(Red Star Line Museum)です。
かつての船会社の倉庫だった建物が博物館になっています。

博物館の前には港で使われていたクレーンのコレクションも見ることができます。かっこよかったです。
旧お肉屋の音楽博物館

16世紀に建てられた7階建ての煉瓦造りの建物が特徴的なアントワープ音楽博物館(Museum Vleeshuis)。
もともとはお肉屋さんでした。そのため現在でもお肉屋さん(Vleeshuis)と呼ばれています。
19世紀には建物は芸術家の手に渡り、オペラや演劇が上演されていたそうです。
20世紀以降は建物を歴史的建築物として保存するためにも、博物館となりました。アントワープ王立音楽院の融資により運営していることから、アントワープの音楽の歴史をメインに展示しています。
アントワープの近代建築
街の北側の港周辺には見逃せない近代建築がありました。
ハーベンハウス

廃墟だった消防署をリノベーションしたハーベンハウス(Havenhuis)はアントワープの港を管理する港湾管理局の建物です。
「まるで宇宙船」のような特徴的な建物は、世界で活躍する建築家ザハ・ハディドのデザイン。
見た目だけでなく、エネルギー貯蔵システムや水消費量制御など未来を見据えた設備設計が施されています。
月に何回か開かれる建築ツアーに参加すると館内見学ができます。1階のカフェは誰でも利用できるので、チラッと見学はいつでもできます。
ただし重要人が訪れる会議がある日は一般の入場は制限されています。訪れた時がまさしくその日で館内に入れませんでした。残念。
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展望美術館MAS

2011年にオープンしたMAS(Museum aan de Stroom)は、世界各地の多様なのコレクションを有する美術館。無料で見れる展示もありました。
建物はオランダの設計事務所Neutelings Riedijk Architectsがデザインしています。

建物の外周に沿うようにエスカレーターが設置されており、建物内をグルグルする様に登って行くと屋上まで上がる事ができます。
屋上までは無料。60mの高さからアントワープの街を一望できます。
アントワープのグルメ
アントワープはベルギーワッフルだけではありません。
美味しいものがたくさんありました。
名物ビスケット

アントワープのお土産でお馴染みのフィリップス・ビスケット(Philip’s Biscuits)。手の形をしたビスケットは伝統特産品に指定されている昔ながらのビスケットです。

巨人伝説が存在するアントワープ。川岸のお城に住む巨人は、川を渡る通行料を払えない人の手を切り落としていたそうです。
そんな巨人を退治した英雄が、最後に巨人の手を切り落として川に投げ捨てたとの言い伝えが残っています。
アントワープの街中きは巨人の手の彫刻もありました。
高級チョコ

18世紀の宮殿の中にあるチョコレートライン(The Chocolate Line)はアントワープの高級チョコレート屋さん。

チョコレートのプロ、ショコラティエ、デザイナーの3人で作り上げるチョコレート。
見た目が美しくユニークな形が特徴的です。
チョコは1つからでも購入できるので自分用のお土産にも。
老舗カフェ

ヴァン・ヘッケ(Wafelhuis Van Hecke)は、アントワープで最も古いカフェです。
創業120年を超えるヴァン・ヘッケでは、ベルギーの昔ながらのスイーツを食べることができます。
ワッフルやベルギーガレット、パンケーキやアイスクリームなどを食べながら一休みするのに最適なお店。
フリッツ専門店

2016年にオランダでオープンしたフライドポテト専門店のフリッツアトリエ(Frites Atelier)は、現在はベルギーでチェーン展開しています。
サクサク&ホクホクのフリッツにオリジナルのソースをたっぷりかけて食べる、スナックというよりは食事タイプのフライドポテト屋さんです。

なかでも人気のビーフシチューは濃厚なソースとお肉がたっぷりかかってて、とても美味しかったです。お好みで特製マヨネーズを追加することもできます。
自家製ドリンクがいくつかあり、レモネードはサッパリとしてたので、濃厚なフリッツとの相性がとてもよかったです。
創作寿司レストラン

日本人シェフがプロデュースする創作寿司レストランのKo’uzi Sushiでは、ここでしか食べれない和がありました。

ヨーロッパ風にアレンジしていますが、海外のSUSHIとは全く異なり、これぞ和の創作寿司が食べれるレストラン。
押し寿司や手毬寿司のような可愛らしいクリエイティブ寿司は全14種類。薬味やごま油などの隠し味がきいてて、とても美味しかったです。
その他にも握り寿司や巻き寿司もあり、メニューはとても豊富でした。
シティーパスは使うべき?
初めてのアントワープ観光。
美術館巡りや建築巡りをしたかったので、アントワープのシティーパスを利用してみました。
アントワープのシティーパスでは、15ヶ所の美術館、3つの教会、3つのアトラクションが無料で入場でき、市内の公共交通機関(バス・トラム)が無料で乗車できます。
その他にもシティーパスで割引になる施設やお店がありました。
旅先ではバスやトラムのチケットの購入方法が分からなかったりするので、乗車券付きのシティーパスは便利でお得かなと。使ってみるのもありだと思います。
アントワープの観光マップ
紹介した観光情報を地図にまとめました。赤が歴史現造物、黄色が美術館、緑が近代建築、紫が食べ物屋さんです。
アントワープの宿泊

夜に出歩くことも想定し、安全を考慮して、マルクト広場まで徒歩3分のアパートメントホテルThe Old Town Lodgeに宿泊しました。
ホテルを探す時は旧市街(マルクト広場周辺)がおすすめ。
- 徒歩でほぼ回れる
- 夜も安心
- レストラン多い
アムステルダムからの行き方
アムステルダムからアントワープ中央駅までは高速列車Eurostar(ユーロスター)で1時間15分です。
電車もいいけど、コスパならバス。
• 電車:€20〜80
• バス:€6.99〜
コスパ重視なら
FlixBusが圧倒的に楽

まとめ|アントワープは“想像以上に忙しい街”
正直、1泊2日だと足りない。
- 建築
- 美術館
- グルメ
全部バランスよく強いから、
「何を削るか」で悩むタイプの街。
初めてなら
旧市街+美術館1つ+グルメくらいがちょうどいいかな。

