バルセロナといえばガウディ建築が有名ですが、実はバルセロナには素晴らしい近代建築も多くあります。
バルセロナの名建築
巨匠と呼ばれる世界の建築家たちがデザインした名作建築も観光してみてはいかがでしょうか。
スペインの巨匠:アントニ・ガウディ
まずは地元を代表する巨匠ガウディの建築はマストで見学しましょう。
イタリアの巨匠:ベネディッタ・タグリアブレ
サンタ・カタリーナ市場は1848年から続く歴史ある生鮮市場です。
1997〜2001年の改装工事にてうねった大きな屋根が設置されました。この大屋根のカラフルなデザインはバルセロナを象徴するタイルデザインをイメージしたグラフィックとなっています。
また改装工事の時に敷地内に残されていた遺跡を保護し、保存環境を整え、今では一般客が見学できるよに整備されています。
この改装工事はスペインを代表する建築家エンリック・ミラレースさんの設計で始まりましたが、彼は工事が終わる前に45歳という若さで亡くなっています。死後は奥様でイタリアの建築家のベネディッタ・タグリアブレさんが引き継ぎ、エンリックが好きだったバルセロナを象徴するマーケットになるようにと想いを込めて竣工まで携わっています。
フランスの巨匠:ジャン・ヌーヴェル
バルセロナのどこからでもその姿を見かける高さ144mの高層ビルのトーレ・アグバール。グエル公園からバルセロナを眺望するとピョコンと飛び出ている、異質感を感じる建物です。
サグラダファミリアに匹敵する高さがある高層ビルの不思議な形状は、バルセロナ近郊のモンセラートの奇形をモチーフに、水道局のオフィスということで水のイメージを用いられています。
がしかし、つるんとした見た目が男性器や坐薬を連想させ、地元では変な呼び名がついているそうです…。
全面ガラス張りのこの建物の一番の見頃は夜になり、超高層ビルが丸々ライトアップするので迫力あるイルミネーションを見ることができます。
金・土・休日の21〜24時(冬季は20〜23時)の間は美しくライトアップされているので是非ともご覧になってみてください。
ドイツの巨匠:ミース・ファン・デル・ローエ
ミース・ファン・デル・ローエ(1969年83歳没)は20世紀のモダニズム建築を代表する建築家で、建築好きならば知らない人がいないだろう超有名クリエーターでした。
ミースが設計したバルセロナ・パビリオンは、万国博覧会のドイツ館として建設された建物で、1986年に復元され現在はミースの記念館になっています。
シンプルな空間設計、アクセントとなるように使われている高級素材(大理石)の壁面。今でこそ目新しさはないのですが、当時は新進気鋭なデザインで、その後にミースのデザインを真似する(参考にする)建物が増えたため、今でいったらシンプル系のデザインジャンルに当てはまって見えるように感じるんだと思われます。
シンプル系デザインの元祖となるバルセロナ・パビリオンは見学ができるので、ミースの洗練された空間領域設計を体感することが可能です。
またミースの代表家具バルセロナチェアも展示してあるので是非とも座ってみてください。(超高級家具なので中々座れる機会がないと思います。)
スイスの建築家:ヘルツォーク&ド・ムーロン
実際に彼らのデザインを目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。東京青山のプラダビル(2003年)や、北京オリンピックのメイン会場(通称:鳥の巣)をデザインしたのはヘルツォーク&ド・ムーロンです。
バルセロナに建てられたこのフォーラム・ビルには3200席の講堂と5000㎡の展示ホールを備えた巨大施設になっています。
特徴的なのが建物の形状です。7本の柱の上に一辺が約180mの正三角形が乗っかっているようなデザインになっています。
奇形と幾何学の融合が得意なヘルツォーク&ド・ムーロンのデザインは2000年初期を代表する建築家です。
日本の巨匠:伊東豊雄
日本を代表する建築家の伊東豊雄さんはバルセロナに幾つかの建物をデザインしています。
バルセロナ見本市会場(2006年)は当時の伊東建築を代表するデザインの壁が特徴的です。自然界の樹木をグラフィカルに表現した構造壁は、ガウディのデザイン論の影響を受けていたのかもしれません。
スイーツアベニューホテル(2009年)は、赤色を基調とした2つの高層ビルで、直線と曲線の対比が際立ったデザインになっています。
トーレス・ポルタ・フィラ(2010年)は、ホテルの外壁のみのデザインとなっております。伊東さんがデザインした表参道のTod’sや銀座のミキモトのように、不規則的な光を室内に取り込むような、木漏れ日をイメージしたデザインになっています。
アメリカの巨匠:リチャード・マイヤー
白色ボックスデザインのザ・モダニズム建築を数多く手がけるリチャード・マイヤーはル・コルビジェの影響を大きく受けている建築家の一人で、生粋のモダニズム建築家です。
ゴシック様式の建物が多く集まる旧市街地の中にあるバルセロナ現代美術館(通称MACBA)は、そのモダンな建築が異世界感を放ち、旧市街から一気に時代が加速したかのように現代の様相へと導いてくれます。
MACBAには20世紀後半の美術作品が多く、展示品は3〜4ヵ月で入れ替えられますので、訪れるたびに違ったコレクションを見ることができるように企画されています。
スペインの名作近代建築
所在地がバルセロナではないのですが、お勧めしたい近代建築を2つほどオマケでご紹介します。
カナダの巨匠:フランク・ゲーリー
スペインのビルバオにあるグッゲンハイム美術館は建築界では超有名な現代建築で、建築家フランク・O・ゲーリーの代表作です。
「建築文化における注目に値する瞬間」(signal moment in the architectural culture)として称えられており、建築界の名作となっています。
建物が見る価値満点なのですが、美術館の展示の質も非常に高いです。グッゲンハイム財団が保有するのは現代美術作品が多く、巨大な作品やインスタレーションが多いのが特徴的です。
オランダの巨匠:MVRDV
<photo by MVRDV>
オランダを代表する設計集団MVRDVがスペインに唯一建てたのがMIRADOR(ミラドール)です。
ブロックを積み上げたような外観と、共有屋外エリアが多く用いられた設計プランが特徴的な集合住宅です。