5月の第2土曜日は風車の日(Nationale Molendag)。
オランダ中の風車が一斉に開放され、普段は入れない内部見学や風車職人によるデモンストレーションが体験できる、特別な一日。
この日をきっかけに、オランダ各地に点在する美しい風車たちを巡ってみませんか?
今回は、これまで紹介してきた風車スポットをまとめてご案内。
世界遺産級の絶景から、暮らしに寄り添う風車、地ビールやグルメと絡めた楽しみ方まで、風車の魅力をたっぷり詰め込んでお届けします。
世界遺産の風車群【キンデルダイク】
風車=オランダの代名詞。その中でも、圧倒的なスケールで存在感を放つのがキンデルダイクの風車群。
ユネスコ世界遺産にも登録されており、19基の風車が一列に並ぶ姿は息をのむ美しさです。
ここでは、ただ風車を“見る”だけでなく、“感じる”体験ができます。風の吹くままに回る羽根の音、水辺を渡るボートから眺める風車、夕暮れにシルエットになる景色…。
四季折々の表情があり、何度訪れても飽きることはありません。

アムステルダムから日帰りOK!【ザーンセ・スカンス】
アムステルダムからバスで気軽にアクセスできるザーンセ・スカンスは、風車初心者にもぴったりな入門スポット。
ここでは、伝統的な木造風車が保存・稼働されており、チーズ作りや木靴工房など、オランダの伝統文化も同時に体験できます。
風車の中に入ると、木材を製材する音や、粉を挽く仕組みが間近に見られ、まるでタイムスリップしたような感覚に。
写真映えする景観はもちろん、歩くだけで楽しいエリアです。

風車の街【スキーダム】
観光地として整備された風車とは違い、生活に溶け込んだ「日常の風車」を見られるのがスキーダム。
ここには「世界一背の高い風車」がいくつもあり、街並みに対しての存在感がとにかく圧倒的です。
これらの風車はかつて、ジン(ハーブリキュール)の蒸留や粉挽きに使われており、今もその一部は公開されています。
近くのカフェに腰掛けて、静かに風車を見上げる午後は、観光地とは一味違うリラックスした時間になるはず。

地ビール×風車【ビール好きにもおすすめ】
「風車=歴史遺産」だけじゃもったいない。実は、ビール好きにも風車はたまらない存在なんです。
アムステルダム東部にあるブルワリーヘット・アイ(Brouwerij ’t IJ)では、風車の隣でつくられるクラフトビールが人気。地元民や観光客でにぎわうテラスで、風車を眺めながら飲むIPAの爽快さは格別!
また、ウールデン近郊にも風車を改装した地ビール工房があり、農村風景の中でゆっくりグラスを傾けることもできます。
風車の下で乾杯、というオランダらしい体験をぜひ。


小麦粉も風車から!【ケーキ作りの材料に】
風車の本来の用途を知っていますか?
実はその多くは粉挽き用。現在もオランダ各地では、風車で丁寧に挽いた小麦粉が販売されています。
スーパーの小麦粉と比べて、風味や香りの立ち方が全然違う!そんな小麦粉を使って、実際にケーキやパンを焼くと、素材の良さが生きると大好評なんです。
観光ついでにお土産に購入して、帰宅後の「旅の延長戦」として焼き菓子作りを楽しんでみてはいかがでしょうか?

オランダの風車の歴史を知る
風車がなぜこれほどまでにオランダと深く関わっているのか?
その答えは「水との闘い」にあります。
海抜以下の国土を守るため、風車は排水設備として使われてきました。
干拓、農業、水運…そのすべてを風車が支えてきた背景を知ると、風車を眺める目がちょっと変わってくるかも。

風車に泊まれる⁉︎【ユニーク宿泊体験】
なんと、風車の中に泊まれる宿も存在します。
外観はまさにあの風車。でも中に入るとモダンなインテリアやデザイン家具が揃っていて、まるで秘密基地のようなワクワク感があります。
朝、羽根の影が差し込む中で目覚め、静かな田園を眺めながら飲むコーヒー。
非日常感たっぷりの風車ステイ、記念日や特別な旅にもぴったりです。

海外にもある!【ベルギー&スペインの風車】
風車といえばオランダ…でも、実は近隣の国にも、素敵な風車が残っているんです。
ベルギーやスペインで見た風車もそれぞれ印象的でした。



風車の日は、風を感じに出かけよう
オランダの風車は、見て楽しむものでもあり、暮らしと共にあるものでもあります。
「風車の日」は、そんな風車たちと出会う絶好のチャンス。風に乗って回る羽根の音、時を超えて受け継がれてきた技術、そしてそこにある人々の営み。
風の国・オランダの原風景を探しに、今年は一基の風車を目指して旅してみてはいかがでしょうか。