アムステルダムを象徴するダム広場に面している新教会(Nieuwe Kerk)が建てられたのは今から600年前と、とても古く歴史がある建物です。にもかかわらず現在でも新しい教会と呼ばれています。
もともとあった古い教会のキャパが足りなくなり、15世紀に建てられたのが新教会です。古い教会を旧教会(Oude Kerk)、そして新しい教会を新教会と呼び分けていた名残りで、現在でも当時のままの名称で呼ばれています。

新教会の歴史
アムステルダムの人口が増加した15世紀に建設されたのが新教会です。
当時は町の拡張が進められ、新たに街の中心となったダム広場に面した場所に新教会が建てられました。町のリーダーだったウィレム(Willem Eggert)さんが土地を提供してくれたそうです。
しかし建設後すぐに2度にわたり火災に巻き込まれし、さらに1645年に3度目の火災を受け、建物はほぼ完全に焼失してしまったそうです。
火事の後に現在の新教会が建てられました。ゴシック様式の荘厳な建物となった新教会は、オリジナルの部分が残る一方で近代的な要素も取り入れられおり、高いアーチ型の天井やステンドグラスの窓が特徴です。
王立教会
1813年にウィレム1世が国王に即位し、ネーデルラント王国となったのが現在のオランダの始まりです。
初代国王ウィレム1世の戴冠式と結婚式が催されたのが新教会でした。以降歴代国王の戴冠の儀は新教会で開かれるようになりました。また王室関連の特別な行事やイベントも新教会で開催されます。
現オランダ国王アレクサンダーさんの戴冠式は2013年の4月30日に行われました。

新教会のインテリア
公的行事がない日は新教会は一般公開しています。建物の雰囲気は旧教会とにているところもあり、兄弟教会みたいな印象があります。
新教会に初めてパイプオルガンが設置された1650年頃です。当時のプロテスタントでは”音楽は思考を惑わす罪な存在”と考えられていました。
にも関わらず、オランダ政府は音楽の教育的価値を強調し、新教会で毎日コンサートを開き、音楽の素晴らしさを広めていたそうです。
その頃の名残もあり、新教会では現在でも定期的にコンサートが開催されています。
新教会の見どころの1つがステンドグラスです。新教会にあるステンドグラスは製作された時代が異なっているので、1つ1つデザインが違っているのが特徴です。
最も古いものが17世紀のステンドグラス。そして国王の戴冠の儀が描かれているのが18〜20世紀ステンドグラス。モダンなデザインな物が最も新しく2005年に製作されています。
その他にも、17世紀に活躍した軍人Michiel de Ruyter(ミヒール・デ・ラウター:旧オランダ紙幣の肖像画となった)の棺や記念碑、Choir screen(合唱スクリーン)と呼ばれる金ピカのパーティション、大規模改装工事前のものと思われるフレスコ画などが見ることができます。
現在、新教会は宗教的な目的で使用されることはほとんどなく、主に展覧会やコンサート、文化イベントの会場として利用されています。特に世界中の美術品や歴史的なテーマを扱う展示会が高い評価を受けています。
営業時間:11〜18時(月・火曜休館)
料金:€12.50
ミュージアムカード:入場無料
MAP:De Dam Amsterdam
URL:nieuwekerk.nl/

