春になると、ふらっとどこかへ出かけたくなります。
天気のいい週末にアムステルダムから電車で約40分の港町ホールン(Hoorn)に行ってきました。
歴史あるミュージアム、活気ある地元のマーケット、のんびりとした海辺の空気、そしてチューリップ畑と、ホールンには春の気配をたっぷり感じながら、ゆっくり楽しめる場所が揃ってました。
そんなホールンの魅力を、美術館巡りを軸に歩いてみました。
黄金時代の商人たちの世界へ・ウェストフリース博物館
ホールンが栄華を極めた17世紀、いわゆる「オランダの黄金時代」。その時代を肌で感じられるのがウェストフリース博物館(Westfries Museum)です。
市庁舎として使われていた歴史的建物の中には、当時の絵画や家具、航海にまつわる品々がぎっしり。豪商の暮らし、航海時代の野心、そして町に生きた人々の息遣いが伝わってきます。
特に、部屋ごとに異なるインテリアと絵画の展示は、まるでタイムスリップしたかのような感覚。建物そのものが美術品のような存在です。
ノスタルジーに浸る・20世紀博物館
黄金時代の次に訪れたいのが、ぐっと時代を下った20世紀博物館(Museum van de 20e Eeuw)。
かつての刑務所を改装した広々とした館内には、1900年から2000年までの「暮らし」がテーマごとに再現されています。
昔のリビング、キッチン、学校の教室、商店などが忠実に再現されていて、どこか懐かしさを覚える空間です。レトロ家電やファッション、テレビ番組の展示もあり、「そうそう、こんなのあった!」と、つい声が出てしまいそう。
大人にとっては懐かしく、子どもにとっては新鮮な、世代を超えた楽しみ方ができるミュージアムです。
静けさの中で暮らしを感じる・ボンクハウスミュージアム
ボンクハウスミュージアム(Museumhuis Bonck)は、17世紀の裕福な商人の家を当時のまま保存・公開している歴史的邸宅です。
展示というより「暮らしの空間」に入り込むような体験ができるのが魅力で、家具もそのまま、台所には食器や香辛料瓶まで並び、居間には織物や書物が置かれています。
スタッフも“家の主”のように迎えてくれて、まるでゲストとして招かれた気分に。華やかさはないけれど、しっとりと落ち着いた時間が流れる、ホールンならではの隠れ家のようなスポットです。
サタデーマーケット
ホールン駅から旧市街へ向かう途中、Breestraat通りで毎週土曜日に開かれるサタデーマーケット。果物、チーズ、魚介、花などが並び、地元の人たちでにぎわっています。
焼きたてのストロープワッフルに、切り売りされるゴーダチーズ。ピクニック気分で、食べ歩きが楽しめます。
食べ歩きで一推しなのが焼きたてのたい焼き。マーケットの一角には日本の屋台が出店してます。たい焼きを頬張りながらマーケットを散策するのがホールンスタイルですw。
ローデ・ステーン広場
街の中心にあるローデ・ステーン広場(Roode Steen)にはカフェやレストランが集まっていて賑やかです。
中世から続く広場で、かつては公開処刑や市場も行われていたという歴史があります。「Roode Steen」は「赤い石」って意味で、名前の由来には処刑後の血が…なんて言い伝えもあるとか。
広場にはお洒落なカフェがあるので、休憩をとるならココがおすすめです。
防衛塔のレストラン
ホールンの旧港に面した建物はホーフトーレン(Hoofdtoren)と呼ばれる塔で、16世紀に建てられたこの地を守る防衛塔です。現在はレストランになっていて、歴史ある雰囲気の中で食事を楽しむことができる人気スポットです。
蒸気機関車
春〜秋にかけて運行される蒸気機関車は、ホールン名物のひとつ。ホールンから中世の街メーデムブリックまで、のんびり走るレトロな汽車旅が楽しめます。
汽笛の音、木造の車内、窓からの田園風景。大人も子どももワクワクする、ノスタルジックな体験です。

港と海沿いの散歩道
ホールンは港町。20世紀博物館の裏手から海へ出ると、遊歩道と広い水辺が広がります。
春は風が気持ちよく、カモメや水鳥を見ながらのんびりお散歩。ベンチに座っておやつを食べたり、ヨットを眺めたり。町の喧騒から少し離れた、静かな時間が流れています。
春のサイクリング
ホールンの周辺にはチューリップ畑が広がっており、春にはチューリップ畑を走る蒸気機関車の旅が大人気です。
なのでホールン駅で自転車をレンタルして、周辺をサイクリングしてみました。
満開のチューリップには時期がちょっと早かったけれど、赤やピンクのチューリップ畑を見つけることができました。
天気も良くてエンジョイできました!が、サイクリングルートなどは無いので、かなり上級者向けなサイクリングでした。
ありっちゃありだけど、蒸気機関車の方が体力的に楽だな〜って思います。



春のホールンは、五感で楽しむ
ホールンの街は、ミュージアムで学び、マーケットで味わい、海辺でくつろぎ、畑で春を吸い込む…そんな五感で楽しむ旅ができる場所でした。
観光都市ほどの派手さはないけれど、だからこそ感じられる地元らしさと季節の空気。
春の一日旅に、ホールン。とてもおすすめです。
アクセス
ホールンまではアムステルダムからオランダ鉄道で40分です。
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