Concertgebouw(コンセルトヘボウ)とはコンサートホールという意味です。

The Royal Concertgebouwはアムステルダムにある音響の優れた大小4つの音楽ホールを持ち、またロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地でもある音楽ホールで、1888年にオープンしました。
創立125周年を迎えた2013年の祭典で、Concertgebouw(コンセルトヘボウ)はその名をRoyal Concertgebouw(ロイヤルコンセルトヘボウ)と改めました。


1880年代初頭、当時アムステルダムには3つの音楽ホールがありました。
しかし1つは老朽化のため崩壊寸前、もう1つは規模が小さく、もう1つは音響が非常に悪いということで、市民は新しいホールを願っていたのです。
しかし政府は音楽ホールのことなんて知ったこっちゃないっといった感じで相手にしませんでした。

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1881年9月15日、新しい音楽ホールの建設のために6人のアムステルダム市民が「コンセルトヘボウ協会」を立ち上げました。
発足メンバーには、当時建設中だったアムステルダム国立美術館を設計した建築家カイペルスもおり、彼が土地の交渉を手伝ったそうです。
ミュージアムプレインを挟んで国立美術館の反対側にあるコンセルトヘボウの場所は、その当時はまだアムステルダム市ではありませんでした。( 1896年よりアムステルダム市)

1882年7月8日、株式会社N.V. Het Concertgebouwが正式に設立され、本格的に建設へと準備が始まりました。
しかし建設にあたり40万ギルド(1億円くらい?)の株の販売が必要だったのに対し、25万ギルドしか販売できませんでした。

<ファン・ヘントのデザイン>

予算がないこともあり、建築様式にはこだわらないことにして、30万ギルドで2000人収容できる音楽ホールの設計コンペを行い、そこで選ばれたファン・ヘントのデザインで建設が始まりました。
(ファン・ヘントはのちにカイペルスとともにアムステルダム中央駅の設計を手掛けます。)

1886年に建物は完成したものの、自治体や株主とのいざこざがあり音楽ホールとしてオープンすることができなかったのです。
(ちなみにいざこざの内容は、小運河の埋立てろとか、街灯設置しろとか、ちっちゃい話のようです。)

なんとか話に決着がついてグランドオープンしたのは1888年4月11日のことでした。
初演コンサートは120人の管弦楽団と500人の合唱団により盛大に開かれました。

株N.V. Het Concertgebouwとコンセルトヘボウ管弦楽団は1つの組織として活動していましたが、1952年からはコンセルトヘボウ管弦楽団はオランダのオーケストラ財団に所属しています。

<1902年>

ファン・ヘントのデザインはそれまで主流だった建築様式”新古典主義”(過剰な装飾性や軽薄さに対する反動として荘厳さや崇高美を備えた建築)と、この頃から流行り始めた”ネオルネッサンス建築”(ルネサンス建築に基づきながら当時の荘厳さや各地の新しい建築方式を織り交ぜたもの)を融合した、威容ある外観が特徴と言われています。

< Amsterdam Municipal Department for the Preservation and Restoration of Historic Buildings and Sites (bMA)>

しかし残念なことに、ファン・ヘントは音楽ホールの設計の知識が無かったのです。
通常音楽ホールの設計は、ステージから全ての客席に最高の音が届くように音の反響を一番大切にします。
また残響の配慮もとっても大事で、ホールの形や天井の形状、仕上げ材の材質まで気を使わなければなりません。(一般的なコンサートホールの天井が凸凹してたりするのはこのためです。)
それに対しファン・ヘントのデザインはまるで体育館のような直方体なホールの形状で、かつ大きな窓まで付いちゃっています。

しかし驚くことに、オーケストラを入れて演奏してみると奇跡的に素晴らしい残響効果が起きたそうです。
(2000人収容規模のホールの残響時間は2秒前後を目安にされていて、このホールの残響時間2.8秒(満員時2.2秒)です。)
さらに偶然的に優れた音響効果を備えてしまったこのホールは、交響曲のためのホールとして世界ベスト3と言われています。


地盤の軟弱なこの地区での巨大な音楽ホールの建設には、2,186本の木杭をもってしても地盤沈下に悩まされてしまい、1983年には倒壊寸前の危機的状況に陥ってしまいました。
そのため1985年から大規模な改修工事が行われ、新たに400本の金属杭が打ち込まれました。
1988年にはモダンなガラス張りのメインエントランスが新設されています。


コンサートのチケットはホームページよりオンラインで購入できます。

また建物に興味がある場合にはガイドツアー(英語)も開催しているということを、調べてたら発見しました。
こちらもオンラインで申し込めるので、ご興味があったらご覧ください。
私も今度ガイドツアーに参加してみたいと思います。舞台裏なども観れるようです。

The Royal Concertgebouwガイドツアー(英語)概要(2017年8月現在)
12:30~13:45
13:30~14:45(9月~6月のみ12:30よりフリーランチコンサート有)
金17~18:15
€10
Concertgebouwplein 10, 1071 LN Amsterdam, オランダ
The Royal Concertgebouw