オランダ南西部、ベルギーとの国境近くに位置するゼーラント州(Zeeland)。
名前の通り、「海の国」と呼ばれるこの州は、海や川に囲まれ、のんびりとした田舎の風景が広がっています。
今回は、そのゼーラント州の州都ミデルブルグ(Middelburg)を訪れてきました。
目的は、ゼーラント名物のシナモンロール「ゼーウスボールス(Zeeuwse Bolus)」を本場で味わうこと!
かつては貿易港として栄えたミデルブルグ。今でもその面影が残る歴史的な街並みは、想像以上に緑豊かで、でも落ち着きすぎない、ちょうどいい活気のある街でした。
ミデルブルグ観光は、美しすぎる市庁舎から
まずは街の中心のミデルブルグの市庁舎(Stadhuis)から観光スタートです。
オランダ国内でも最も美しい市庁舎の一つとも言われていて、ゴシック様式のファサードには、繊細な彫刻や装飾がびっしり。まるでおとぎ話の中に迷い込んだかのような美しさです。
市の中心にあり、街歩きのスタートにぴったりなスポットです。
市庁舎の隣にはフレースハル(Vleeshal)という現代美術館もあり、歴史的建築と現代アートの融合が楽しめる空間。でもこの日は残念ながら休館日でした…。
ちょうど訪れた土曜日、市庁舎前の広場では週に一度のサタデーマーケットが開催中。
地元の野菜やチーズ、雑貨などを売る屋台が並び、広場のカフェも満席。観光客と地元の人々の活気で賑わっていました。
その広場の角にあるパン屋さんJan Schrieksで、さっそくゼーウスボールスをゲット。
ほんのりシナモンが香るこのぐるぐる渦巻きパン、オランダB級スイーツの代表格です。
街を見渡せるラング・ヤン塔へ
ミデルブルグのどこにいても見える、ランドマーク的存在のラング・ヤン塔(Lange Jan / Tall John)。
高さは約90mで、元は修道院の鐘楼。今では街を一望できる展望台として一般開放されています。
塔の中は螺旋階段が続き、なんと207段!
登るのはちょっと大変だけど、てっぺんからの眺めは最高。歴史ある街並みに、運河がキラリと光る景色は、まさにミデルブルグならではのご褒美。
塔のすぐ隣には小さなお花屋さんが。ディスプレイがとっても可愛くて、ちょっとした撮影スポットにもなってます。
そのお花屋さんのすぐ横、ライゲル通り(Reigerstraat)が映えスポット!
緑でトンネルのようになっていて、鳥かごが吊るされているフォトジェニックな路地でした。
ときおりデコレーションが変わるそう。
ゼーラント州の歴史を学べる博物館
街の中心にあるゼーラント博物館(Zeeuws Museum)も外せません。
かつての修道院を利用した重厚な建物はそれ自体が見どころ。お城のようでした。
展示はゼーラント州の歴史・文化を中心に、港町ならではの貿易や海洋文化にまつわるコレクションが揃っています。
特に印象的だったのは、17世紀の港町の風景をあしらった巨大なカーペットの展示。細部までこだわった刺繍に目が釘付け。
展示室の天井もまたユニークで、ちょっとラピュタっぽかったです。どの空間にいても目を楽しませてくれました。
歴史ある建物に囲われた中庭には、特別な場所感がありました。まるで秘密の森のよう。
中央には大きな木がいくつも立ち並び、周囲を建物に囲まれていて、とても静かで落ち着く空間でした。
八角形の優美な教会、オースト教会
次に立ち寄ったのは、ミデルブルグのシンボルの一つでもあるオースト教会(Oostkerk)。17世紀に建てられた八角形のバロック様式の建物で、白くて明るい内装と高い天井がとても印象的でした。
オランダの教会にしては珍しく、丸みのある設計が目を引きます。中に入ると静寂が広がっていて、観光の途中にひと息つくのにぴったりの場所。
パイプオルガンも素敵でした。
タイムスリップ気分が味わえるカウパースポールト
街歩きの最後に訪れたのがカウパースポールト(Kuiperspoort)。かつては樽職人のギルドがあった場所で、今も石畳の道と歴史的な建物が残るエリアです。
小さな路地を歩いていると、本当に17世紀に迷い込んだような気分になります。フォトスポットとしても人気で、朝や夕方の光が差し込む時間が特におすすめなんだとか。
ゼーウスボールスを買うならBliekで!
ミデルブルグの旅の締めくくりには、もう一つのパン屋さんBliekへ。地元で人気の老舗ベーカリーです。
ここでももちろん、ゼーウスボールスをゲット。
ゼーウスボールス(Zeeuwse Bolus)はゼーラント地方の名物で、渦巻き状のパンにシナモンとブラウンシュガーをたっぷりかけて焼き上げたもの。甘くてもちっとしていて、ちょっとクセになる味。
スーパーでも買えるB級スイーツだけど、やっぱり本場の焼きたては、より柔らかくて、よりシナモン強めで、シュガーがベトってて、めちゃめちゃ美味しい気がしました。
Bliekではなんと「ジャンボサイズ」のゼーウスボールスも売っていて、顔より大きいサイズで2ユーロちょっと。見た目のインパクトも抜群なので、お土産にちょうどいい!
味は通常サイズより少しパン感が強く、どっしり食べ応えあり。少しだけオーブンで温めると、表面の砂糖がカリッと香ばしくなって、さらに激ウマでした。
おわりに|日帰りで楽しむ緑と歴史の街
ミデルブルグは、歴史ある街並みと自然が共存する、魅力たっぷりの街でした。特に市庁舎の建築美には心を奪われたし、街中のグリーンの使い方もとてもおしゃれ。次回はボートツアーで旧港を水上から眺めてみたいな、なんて思ってます。
週末のミデルブルグは驚くほど活気があって、オープンテラスやマーケットの賑わいも旅のアクセントに。
ゼーラント州はシーフードも美味しいと評判なので、次回はレストランでゆっくり食事もしてみたいな。
アムステルダムからは片道約3時間。直通電車で座って作業していたら、あっという間に到着!
軽く観光してゼーウスボールス食べて帰ってくる、そんな“仕事×観光”スタイルもアリな、素敵な日帰り旅でした。
