ベルギー東部にある古都リエージュ(Liège)は、ブリュッセル、アントワープ、ゲント、シャルルロワに次ぐ5番目に人口の多い都市で、ベルギーの中でもフランス語が公用語の街です。
街の名前リエージュはフランス語読みで、オランダ語ではルイク(Luik)、ドイツ語ではルティッシュ(Lüttich)と呼び方が違いました。
リエージュはオランダとドイツの国境に近く、ベルギーのリエージュ、オランダのマーストリヒト、そしてドイツのアーヘンを結ぶ電車が走っています。2泊3日または3泊4日で3国を観光することもできると思います。
リエージュの街は観光しやすいサイズ感で、1日で名所を巡り、食べ歩き、そしてクリスマスマーケットも楽しむことができました。
リエージュの見どころをまとめたので散策の参考にしてみてください。
アートとデザイン
歴史深いリエージュの街はオランダとはまた違った街並みでした。
街中には近代的な建築も点在しており、駅を降りた瞬間に目にした湾曲した大屋根は圧巻でしした。
プラットホーム
リエージュの玄関口であるリエージュ・ギユマン駅(Liege-Guillemins)は迫力のある大屋根の駅舎です。
スペインの建築家サンティアゴ・カラトラヴァの設計した駅舎は、5面のプラットホームを覆う大きな屋根が特徴。450mの長さものホームに架かるスチールのアーチ構造がとても綺麗でした。
晴れた日はカラフルなガラス屋根の木漏れ日がキレイなのですが、到着した日はあいにくの曇り空でした。
アートセンター
アートセンターのミラーシティー(La Cité Miroir)は、かつては市民に人気の温泉施設でした。
1942年に温泉水を使ったプールとしてオープンしましたが、建物の老朽化により2000年に閉館しています。
その後に大規模改修工事が行われ、展示やイベントが行われるアートセンターとして生まれ変わりました。
現在でも建物内にはプールなどの当時の様子がそのまま残っています。今でも温泉だったら良かったのにって切に思いました。
歴史博物館
リエージュの歴史が展示されている地域歴史博物館(Museum of Walloon Life)はかつては修道院だった建物で、隣接する旧教会も展示室になっていました。
19〜20世紀頃の市民の生活をうかがえるような展示が多かったです。
建物の中庭はチケットがなくても入場できます。
名所
リエージュといえばの名所は急勾配の階段でした。平坦な国のオランダでは目にしない丘を登ってきました。
丘を登る374段の階段
リエージュの映えスポットといえばモンタニュビューラン(Montagne de Bueren)です。
丘を登る階段は全部で374段あります。全長約200mで高低差が67m、平均勾配は28%とかなり急勾配の坂道階段でした。ちなみにベルギーで最大の高低差の階段らしいです。
階段の途中にお住まいのおばあさんが両手に買い物袋を持ってヒョイヒョイ登ってたり、宅配便のお兄さんが駆け足で登ってく中、観光客は息を切らして「ヒーヒー」言いながら階段を登っていましたw。
登った先には達成感とステキな眺望がありました。そして体はポカポカ、足はガクガクになりました。
この階段は戦争で命を落とした方たちを追悼して建設されており、丘の上には記念碑もありました。
記念碑の奥には展望台もあり、ここからの眺めも綺麗でした。※夜間は人通りが少ないので注意が必要です。
大聖堂跡地
街の中央にあるサン・ランベール広場(Place Saint-Lambert)には、かつては大聖堂があったそうです。
12世紀頃に建てられた聖ランベール大聖堂は、18世紀のフランス革命期に取り壊されてしまいました。現在は広場になっており、12月はクリスマスマーケットの会場になってました。
大聖堂が建っていた当時の面影が残る広場。その地下にある考古学博物館(Archéoforum)では発掘調査が行われており、古い時代の遺跡などを見ることができます。
広場に面した大きな建物の君主司教宮殿(Palais des Princes Eveqies)は、かつては王に支えていた司教のお家でした。
現在は州政府庁舎と裁判所になっていて、月初めの日曜に開催されるガイドツアーでのみ建物内を見学できます。
教会巡り
神聖ローマ帝国時代に栄えた都市のリエージュには教会が多くありました。
ほとんどの教会が無料で入場できました。
それぞれ違ったインテリアとステンドグラスを見比べるのも楽しかったです。
ステンドグラスが美しい大聖堂
15世紀ごろに建てられた聖ポール大聖堂(Cathédrale Saint-Paul de Liège)は街のランドマーク的な教会で、教会前の広場ではクリスマスマーケットが開かれていました。
古くは15世紀のステンドグラスやフラスコ画が残っています。対照的に天窓にはモダンなステンドグラスがデザインされていました。
パイプオルガンはボックス型のものが左右に1つずつありました。
装飾が美しいカトリック教会
大聖堂のご近所にある聖ジャック教会(Church Saint-Jacques)は、建物内の装飾がとても美しかったです。
祭壇にキリストがおらず、見上げたらキリスト像が天井に居たのには驚きました。周りには天使の像もありました。
パイプオルガンはエスニックな感じもあり、とても綺麗でした。
古くて新しいカトリック教会
街の中心にある聖ドニ教会(Collegiate Church of Saint Denis)は、2011年に献身1000年を迎えた歴史ある教会です。
内装は綺麗に改修されていましたが、部分的に古いものも残されており、新旧が混ざっていました。タイル画の床が残っているのが珍しかったです。
あわい黄色の壁に対して、漆黒のパイプオルガンがカッコよかったです。
朱色のツインタワーの教会
繁華街から少し離れたところにある聖バーソロミュー教会(Collégiale Saint-Barthélemy)は、カラフルな外観が特徴的です。
聖バーソロミュー教会の周辺には、類似した朱色を基調とした外観の建物がいくつかありました。
教会の中はモノトーンをベースにしたシンプルなデザインでした。祭壇や柱の彫刻が美しかったです。
12世紀の貴重な洗礼盤が残っていました。
白いパイプオルガンは気品がありとてもステキでした。
観光の感想
小さな路地や広場など、隠れたところにステキな町並みが点在していて、街歩きが楽しかったです。
パン屋さんやスイーツショップでワッフルやチョコレートを買って、食べながらの散策にピッタリの街でした。そして食べ物も美味しい。
リエージュ観光は理想の週末のような楽しい1日を過ごせました。
来週UP予定です
リエージュに宿泊
オランダからなら日帰りでも楽しめるリエージュ観光。
今回は隣町の温泉にも立ち寄ったので、リエージュに宿泊してのんびりと観光してきました。
今回宿泊したのは貸し部屋タイプのホテルLe Piercot。
リエージュ・ギユマン駅と繁華街の中間くらいに位置してて、どちらも徒歩圏内で便利な立地でした。
シンプルな部屋はまるで友達の家に泊まっているようなホーム感がありました。
やり取りは全てアプリ経由で、誰にも会わずにチェックイン/アウト。寝るだけ宿泊だったので、簡易化されてて楽でした。
繁華街に宿泊するならモンタニュビューランの坂の途中にB&Bがありました。眺めがいいっぽいので、足腰に自信があればオススメです。
リエージュまでのアクセス
リエージュはオランダ南部の都市マーストリヒトから30kmほどのところにあり、マーストリヒトから電車で35分で訪れることができます。
マーストリヒトからリエージュまではアリーバ鉄道(Arriva.nl)に乗車します。この区間はOVカードでは乗車できませんでした。マーストリヒトで切符の購入が必要です。
またアリーバ鉄道の切符はオランダ鉄道インターナショナル(NS International)でも購入できます。
アムステルダムからマーストリヒトまではNS(オランダ鉄道)で直通です。乗り換えなしで2時間20分ほどでした。
早めに電車の乗車券を購入すると最大60%オフの割引が受けれます!
オランダ在住の方は鉄道料金を節約できるサブスク加入がお得です!