オランダに限らず海外に長期にわたって滞在する場合に、事前にやっておいた方が良いことをご紹介。
各種手続きによっては時間がかかるものもあるので、出国の2~3か月前くらいから準備を始めるのがベストかと思います。(パスポートは事前に取得・更新しておきましょう。)
オランダ移住前に必要な手続き
①航空券
渡航日程が決まったら航空券を手配すると思います。移住となると片道と往復のどっちの航空券を買うべきか悩む所です。
移住後の一時帰国の予定がなければ片道で購入しとく方が安いのですが1つ注意が必要です。
片道航空券の場合は渡航先の国によっては入国できないことがあります。(不法滞在防止のためです。)
場合によっては日本の空港で出国できない可能性もあります。いざ出発という時に出鼻をくじかれるとはこういうことだと思います。(事前に渡航先のビザを取得している場合は問題ないと思います。)
そこで片道航空券を買った場合は渡航先の国を出国する手配をしておくことをお勧めします。オランダの場合はEU圏を出国する手配となります。
筆者の場合はオランダに片道航空券で問題なく入国できちゃいましたが、保険としてオランダからイギリス行きのバスのチケットを事前に20ユーロで購入しておきました。イギリスに行く予定はありませんでしたが、もしもの時たった20ユーロで解決するならと思い、お守りとして持っていきました。
②クレジットカードとオンラインバンクとメモ帳
海外に行ってる間にクレジットカードの有効期限が切れたりすると結構めんどくさいです。
なので事前に更新できるものは更新して、微妙なものは溜まってるポイントなどは使い切っておきましょう。
クレジットカード選び
また海外移住に向け仕事を退職される方は、退職前にクレジットカードを作っておきましょう。
国やお店によってはAmericanExpressやJCBは使えない所が多いので、VISAとMASTERはあった方が安心です。
VISA1枚、MASTER1枚があれば問題ないと思います。いっぱい作りすぎても紛失した時に手間がかかるので必要最低限で良いと思います。
海外滞在の最初の数ヶ月をクレジットカードの海外保険でと思ってる方は、お持ちのクレジットカードの海外保険を発動する条件を調べましょう。
カード会社によって、「出国前に空港までの公共料金の支払いに利用しなければならない」とか、「出国日から3か月が対象」とか、「渡航先での利用から3か月が対象」とか様々なルール付けがされています。
(ちなみに「出国から3か月が対象」と「渡航先での利用から3か月が対象」の両方のカードを持ち合わせていれば6か月間が対象範囲となり便利で安心です。)
EPOSカードは海外保険事故の受付センターがオランダ対応なので、もしもの時に安心のカードです。
楽天カードは海外からでも各手続きがオンラインでできて移住後でも使い続けやすカードです。
カードの準備ができたら、①海外利用(キャッシングとショッピング)を可能にしておくことと、カードのアカウントを②オンライン登録しておくことを忘れないようにしましょう。
海外利用とキャッシング上限額
そして利用可能額の上限も見直しておく必要があります。
渡航後は現地の銀行口座を開設するまでお金を送金できませんので、手持ちの現金とクレジットカードでの生活になります。
銀行口座を開設する前に、住所登録するために家を借りることになります。
その費用(敷金・家賃・手数料)や、家が決まるまでのホテル滞在費、急な出費も想定して上限額を設定しましょう。
カードによってはオンラインで上限額を変更することもできるので、お手持ちのカードについて上限額や変更方法を確認しておきましょう。
オンラインバンクの設定とメモ
オンラインバンクも設定しておきます。海外滞在中にも日本の銀行での振込などもできるようにしておいた方が便利なので必ずアカウントを作成しましょう。
そしてそれらのログインのパスワードのメモ帳を作っておくことも重要です。
パスワードを忘れた場合、銀行やカード会社は電話での本人確認が必要であったり、手紙でのやり取りとなるため、渡航後のやり取りは時間がかかってしまいます。
なのでメモ帳を準備しパスワード帳を作りましょう。(パソコンのメモ機能はお勧めできません。ウイルスや故障でアウトです。手書きが一番。)
渡航後も様々なオンラインのアカウントを作ることとなるので、今後このパスワード帳に各アカウントのIDやパスワードをメモっていくと便利です。
③ビザと書類
渡航先のビザの取得方法にもよりますが、いずれにせよ色々な書類が必要となります。出国前に用意するものの中には時間がかかるものもあるので早めに手配しましょう。
ただし書類によっては提出するときに「何ヶ月以内のもの」などと注意書きもあるので、早すぎてもアウトです。
オランダでビザを取得する場合の必要書類
オランダの場合は申請書類に戸籍謄本が必要です。
戸籍謄本は現住所と本籍地が違う場合には取り寄せるのに1週間くらいかかったと思います。
また市役所に行くので平日の日中に時間を作る必要があります。
取寄せた戸籍謄本は、その後に外務省へと持って行きアポスティーユ証明を付与してもらう必要があります。外務省へ出向かず、郵送でのやり取りは2週間くらいかかったと思います。
戸籍謄本とアポスティーユ証明は忘れずに準備しましょう。
そして準備した書類とパスポート、免許証のコピーを数枚ほど用意しておきましょう。
現地でどのタイミングで必要になるか分かりません。
オランダでは日本のコンビニみたいにコピー機を置いてる店が多くないので、到着したばっかりは、たかがコピーが難問になったりします。(コピー機はスーパーマーケットにありますが、USBからのプリントアウトは印刷屋さんや図書館に行く必要があります。)
④運転免許証
渡航中に免許証の期限が切れた場合は、5年以内であれば運転免許証センターにて講習を受けることで更新できるそうです。
しかし期限が切れから5年をすぎると失効となってしまいます。
渡航後の1年以内に期限切れとなる場合は事前に更新してしまいましょう。
事前更新方法は免許センターごとに違うようなので、お住まいの地域の免許センターにお問い合わせください。ほとんどの場合はパスポートと、航空券があれば手続きを取ってくれると思います。
海外でも車を運転される方は、その国での免許証の書き換え方法も調べましょう。
ワーホリのように渡航が1年の予定の場合は国際免許証を作っておくと便利です。
ただし国際免許は期限が1年間なので、長期滞在を計画してる方は渡航後に免許証を現地のドライバーライセンスへと書換える事をお勧めします。
国によりますが、オランダの場合は現地のドライバーライセンスに書き換えてしまっても、本帰国後にオランダのドライバーライセンスから日本の免許証に再書き換えができます。なので渡航後に日本の免許が失効しても、本帰国後に復活できる仕組みになっています。(講習等はあるかもしれません。)
オランダのドライバーライセンスに書き換える場合は、オランダ入国後半年以内に手続きが必要になります。
入国後半年を過ぎてしまった場合は一時帰国して再入国が必要だったりと手間も時間もかかるのでお気をつけください。
⑤住所変更と会員解約
ご実家にお住いの方は問題ないかと思いますが、渡航前に住んでいる家を引き払う方は、移住後の日本の住所を確保する必要があります。ご実家がある場合はそこがベストかと思います。
出国前に役所で住民票を抜いても、その後に様々な手紙が郵送されてきます。そこで、それらの手紙を受け取ってくれる住所が必要になります。
また銀行やクレジットカード会社の登録内容も、移住後の日本の住所へと変更しておきましょう。更新などの案内の手紙が郵送されてくると思います。
その他にも新聞や会員登録しているお店は解約しましょう。本帰国後に再入会すればいいので、不要な会員登録は全て解約しておくことをお勧めします。
⑥電子機器と100円ショップ
移住の準備。なるべく少ない荷物で何を持っていくべきか、悩むところです。
しかし想像しているよりも意外とどこの国でも(先進国なら)なんでも買えます。
アジアンスーパーもある国がほとんどです。
そこまで心配せずに、最初は必要な分だけの荷物でも良いかと思います。その後に一時帰国した時に、必要なものを持ってきましょう。
ここでは筆者が移住前に購入しとくべきお勧めするものを幾つかご紹介します。
まず絶対に必要になるのがSIMフリーのスマホです。今は日本でも手に入るのでしょうか?
海外ではSIMフリーが主流なので現地でも手に入りますが「iPhoneでなければ嫌」などと拘りがある場合は日本国内または渡航中の免税店での購入をお勧めします。
またラップトップも日本で購入しておきましょう。
ラップトップの寿命は5年くらいといわれています。そろそろ寿命が近づいていたら渡航前に買い換えておきましょう。(※ラップトップは日本でしか日本語のキーボードは買えませんのでご注意を!)
その他にカメラや外付けHDなどの高額商品の購入を検討中の方は、日本または免税店で買っちゃいましょう。
なぜならば海外の消費税は高いからです。オランダは21%も電化製品に消費税がかかります。
日本の家電量販店のように品揃えも良くなくセール品も少ないです。またスマホとパソコンは渡航後すぐに必要になるので、事前に準備しておきましょう。
その他にスマホやパソコンのアクセサリーや充電器、コンセントプラグ変換アダプタは100円ショップでの購入しておきましょう。
日本の100円ショップで買えるものが、現地では500円以上で売っていたり、また渡航後すぐは何がどこで買えるかも分からない状態で入手するのも一苦労となります。
日用品やTシャツなどの衣類はこだわりがなければ安く買うこともできるので予備は現地で購入でも十分です。ですが電子機器は万端に準備することをお勧めします。
変圧器に関しては、持って行くものの中に変圧が必要なものがあれば必要ですが、筆者は今までの海外経験で変圧器を使ったことは1度もありません。
スマホやパソコンなどの充電は基本的に対応してる、または対応しているものに買換えて、ドライヤーなど数日なくても困らないものは現地で買っちゃった方が荷物になりませんし、変圧器がないと使えないという煩わしさから解放されます。
⑦薬と日用品と美容品
まずは薬。処方薬が必要な方はお医者さんに頼んで多めに用意しましょう。また持病や薬の英語名をメモっておくと海外のお医者さんに伝えやすいです。
オランダの場合は医療受診がホームドクター制なので掛かり付け医の登録が必要です。(救急病院は別)
そのホームドクター登録するのには滞在ビザが発行されたのちに健康保険の加入し、その後になるため3か月以上かかると思っていた方が良いかもしれません。
その他、いつも風邪ひいたときに飲んでる薬なども事前に買っておきましょう。
筆者は以前にカナダで風邪をこじらせた時に、薬局で勧められるがままに風邪薬を購入し服用したら症状が悪化した経験があります…。渡航後はストレスが溜まっていたり、わからない事が多かったり、不足の事態が起こった時に善処できないことも多いので、解熱剤、鎮痛剤、正露丸、鼻炎薬(花粉症用)は用意しておきましょう。
また冷えピタシートはオランダのドラッグストアでは販売していないので役立ちます。
コンタクトレンズや洗浄液は現地でも購入できます。お値段も日本と同じくらいです。
シャンプーにこだわりがある人は苦労するかもしれません。日本製のシャンプーなど売ってるお店もありますが高いです。日本の2倍以上のお値段は覚悟しましょう。
しかし現地のシャンプーも種類は豊富です。髪にあうのが見つかるまで色々試してみるのもありだと思います。
歯ブラシは個人的には日本製が一番です。海外の歯ブラシは大きいのでよく磨けていない気がします。重いものではないので数本持っていくと便利です。あとは日本から友達が遊びに来る時とかに買ってきてもらったりしてます。
化粧品。こちらに関しては人によってかなりの差が出てしまいますが、いつも使っているものと同じものが手に入る可能性は低いと思います。
世界的に有名なブランド化粧品であればデパートのブランドショップにて買えると思いますが、ドラッグストアで売っている資生堂やカネボウ製品はありません。
ですが似たような製品は置いてあるので移住後に近所のドラッグストアで探してみてください。
個人的には化粧水探しに苦労しました。乳液はたくさん存在するのに対して化粧水は数が少ないです。デパートなどに行けばあるんですが近所のドラッグストアではニベアとロレアルの化粧水くらいしか見かけません。
基本的に化粧しないので全くアドバイスができないのですが、とりあえずニベアは売ってます。しかも大きいサイズで。
⑧住民票、健康保険、年金、確定申告
最後に役所の手続きです。こちらは渡航の1~2週間前に市役所にて各種手続きを行います。
長期に渡って日本を離れる場合は海外転出届け(住民票を抜くこと)をお勧めします。
住民票をそのままにしておくと、渡航後も住民税などの各種税金が発生してしまうからです。
海外転出届を提出すると国民健康保険も未加入になります。病院の予約は保険が未加入になる前にしましょう。
年金はそのまま払い続けることもできますし、海外転出による免除を受けることもできます。詳しくは役所の年金窓口で教えてくれます。
帰国後に市役所にて帰国届けを提出することで、帰国日より再加入できます。
ただし海外転出届けを出した市町村と異なる市町村で住民票を戻す場合は、先に以前の市役所での手続きが必要だったような…。
一時帰国の時に一瞬住民票を戻して滞在中に歯医者に行くなどを計画してる場合(筆者はよくやります)、異なる市町村で帰国届けを提出する場合はお気をつけください。
市町村による場合もあるので、海外転出届けを出すときに帰国後の方法も伺っておきましょう。
渡航前に退職したり、渡航後にも日本での収入がある場合は、年度末に確定申告が必要となります。
申告方法は2種類です。
- 出国の日までに納税管理人の届出を提出し、翌年2月16日から3月15日までに申告する方法
- 納税管理人を選定せずに出国の日までに当年度の確定申告書を提出する方法
①の場合は親族でも、弁護士や税理士に依頼しても良いそうです。
申告が遅れると、納める税金のほかに加算税が賦課されるほか、延滞税を併せて納付しなければならないことがあるようです。
ただし還付申告の方は申告期限は特になく過去5年まで遡って申告できるようです。
「海外転出 確定申告」でGoogle検索すると、筆者の説明よりも分かりやすく正確な情報が出てくると思いますのでお調べください。