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【アムステルダム】引越し好きの国立美術館の歴史

オランダの歴史
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ミュージアム広場の北側の国立美術館(Rijksmuseum)は、オランダ芸術と歴史の旅をコンセプトにし、中世・ルネッサンス期から20世紀までを網羅したコレクションを数多く保有するオランダ最大級の美術館です。

8000点にも及ぶコレクションにはレンブラントフラン・ハルスヨハネス・フェルメールなどの巨匠の傑作も多く含まれています。

オランダ黄金期の光と影の魔術師・レンブラント画伯
レンブラントの絵画の特徴として全体的に暗い色が多い中で部分的にスポットライトを当てたかのように明るい色の表現が多く用いられ、光と影の魔術師と呼ばれていました。オランダ黄金期を代表する富と名声を得ましたが人気画伯時代は短命でした。
【ハールレム】笑いの巨匠画家フランス・ハルスの美術館
フランス・ハルスは17世紀のオランダで活躍した巨匠画家で、レンブラントと同時代に活躍しているオランダ絵画の黄金時代を代表する画家の1人です。人々の生き生きとした表情を捉える描写力は卓越しており、笑っている人物画を多く描いたことから「笑いの画家」と呼ばれました。
【オランダ】古都デルフトとフェルメールのゆかりの地
真珠の耳飾りの少女に使われているフェルメールブルーと呼ばれる顔料は鉱石ラピスラズリ。貴重な絵の具を使えるほど裕福だったフェルメールは生涯を制作活動だけに専念しました。1作品の完成に長い時間をかけていたオランダ黄金時代を代表する画家です。

 

 

国立美術館の建物はオランダ建築家カイペルスによって設計され1885年に開館し、1970年に国家遺産に認定されています。

 

美術館は左右の2つの正方形で構成されており、各正方形の中心にアトリウム(吹抜けの大きな空間)があります。

 

 

建物の中央にはギャラリートンネルと呼ばれる遊歩道が通っているのも特徴的で、この通路がミュージアム広場と旧市街地を繋ぐゲートとなっています。

 

今では人気の観光地となっているオランダ国内最大の美術館は、歴史を感じる風貌がありますが、建物は19世紀後半に建設された旧市街地の住宅よりも新しい建築です。

初代国立美術館がオープンしてから現在の国立美術館が建設されるまでの85年間は、美術品がオランダ国内を転々と移動していました。

 

アムステルダムのシティーカードには国立美術館の入場券も含まれています!
初めてのアムステルダム・観光パスで見たい食べたいを完全攻略!モデルコース1日目
ダム広場、運河、旧市街、美術館、飾り窓、フラワーマッケット、オランダのグルメが食べ歩き、風車村などなど。初めてのアムステルダム観光で訪れたいスポットを網羅できる観光モデルコースの市内観光編です。

 

 

 

 

 

国立美術館の歴史

国立美術館設立は18世紀末に遡ります。

1793年にフランスのルーブル美術館がオープンすると、人々が殺到しヨーロッパ中からルーブル美術館へと観光客が訪れたそうです。

ルーブル美術館が潤っている姿を目の当たりにしたことからオランダ国立美術館設立計画が始まりました。

 

国立美術館の始まりと4回の移転

1800年の5月、デン・ハーグのハウステンボス宮殿(Huis ten Bosch palace)に200点あまりの絵画が展示したのが初代国立美術館の開館となりました。

1805年には展示場はデン・ハーグ内のビネンホフ(Buitenhof)に移されました。

1806年にナポレオンの支配下となったオランダ。国王ルイ・ボナパルトの命により、国立美術館はアムステルダムの王宮(Koninklijk Paleis)へと移転します。この時にアムステルダム市が保有していたコレクションも加わえられたそうです。

 

【デン・ハーグ】オランダの永田町 ビネンホフの歴史
オランダの第3の都市ハーグには国会議事堂や大使館などが集まる行政の中心地。ビネンホフには広場を中心に議事堂や官庁が集まっていて議事堂は現在も使用されているヨーロッパで最も古い国会議事堂になります。
アムステルダムの王宮の過去から現在・市庁舎→宮殿→別荘→空き家
ダム広場のシンボルとなっている王宮が建設されたのは17世紀ですが歴代オランダ国王はこの宮殿に居住したことがありません。元々は市庁舎として建設された建物は「世界の第八不思議」との異名がつけられるほど莫大な費用によって建設されました。

 

 

トリップ邸<photo credit: wikipedia>

ナポレオン皇帝が敗北しオランダ王国を取り戻すと、国立美術館はアムステルダム市内の王立美術研究所トリップ邸(Trippenhuis)へと移設されました。

しかしトリップ邸では美術品の保管に適さなかったため、価値の高い歴史的美術品はデン・ハーグのマウリッツハイス王立美術館(Mauritshuis)へと、19世紀の絵画はハーレムの美術館へと移され、国立美術館コレクションは3箇所へと分けて補完されることとなりました。

 

【オランダ】量より質!名作揃いのマウリッツハイス王立美術館
建物は17世紀に建てられたオランダ古典様式の歴史的建造物です。黄金時代の絵画が収蔵されており、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を見に世界中から多くの観光客が押し寄せる人気の美術館です。

 

 

 

 

 

国立美術館の新設

1885年カイペルスが設計した国立美術館<photo credit: Rijksdienst voor het Cultureel Erfgoed>

アムステルダムに正式な国立美術館を築くため1863年と1876年の2度に渡り設計コンペティションが開かれました。

2度目のコンペティションにて受賞したのはオランダ建築家P.J.H.カイペルスです。(カイペルスは後にアムステルダム中央駅などとオランダ国内に多くの建築設計を手がけています。)

 

 

ゴシックとルネサンスの要素を組み合わせたデザインの国立美術館新設工事は早々に始まりました。

内部のインテリアに施される彫刻なども、その都度コンペティション形式で採用されたそうです。

国立美術館の建設という大規模な工事は順調に進みましたが、その総工期は約9年の歳月が費やされています。

他の美術館に移転されていたコレクションが再び国立美術館に集まり、1885年7月13日にアムステルダム国立美術館がオープンしました。

 

 

 

 

 

リニューアルオープン

増え続けるコレクションに合わせて開館後も増改築が繰り返され、その度に進化してきました。

1995年に民営へと委託された国立美術館は、歴史の一端を担う美術館としてさらなる進化を目指し2004年より大規模な改修工事のため10年間閉鎖されました。

大規模改修工事はスペイン設計事務所Cruz y Ortizが手がけており、古い物と新らしい物の融合をベースにデザインされました。この時にアジアパビリオンが新たに増設しています。

 

 

2013年4月にリニューアルオープンした国立美術館。リニューアル後の年間入場者数は220万人を超え国内最大級の美術館となっています。

時代と環境によって移転と進化を続けてきた国立美術館は、これからも変化し続けるように期待してしまいます。

Rijksmuseum Amsterdam 概要(2024年)
営業時間:9〜17時
料金:€22.50
ミュージアムカード:入場無料
ツアーチケット >>
MAP:Museumstraat 1, Amsterdam
URL:rijksmuseum.nl

 

 

 

 

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