スキポール空港南西の町アールスメール(Aalsmeer)。
町の名前は、鰻を意味するAalと、湖を意味するmeerからきているそうで、町の紋章は獅子が鰻を捕まえている姿という、なんともユニークな紋章です。
17世紀、大きな湖があるアールスメールの一帯は泥炭の採掘地でした。それから200年もの長い時間をかけて農地へと干拓され、19世紀末までにはイチゴなどの園芸作物が多く栽培される農園の町へと発展しました。
アールスメール市の旗である赤・緑・黒の3色旗は、苺・葉・土壌を表しています。
今では世界最大の花の卸市場アールスメール花市場が有名なアールスメール市には電車の駅がありません。アムステルダム中央駅からは電車とバスを乗り継いで約45分ほどで訪れることができます。
アールスメールのお花の観光スポット
お花の王国オランダのなかでも、園芸の町アールスメールにはお花スポットがあります。観光で訪れたいお花鑑賞スポット3選のご紹介です。
アールスメール花市場
世界最大規模のお花の卸市場のアールスメール花市場(Flora Holland bloemenveiling)は見学ができるマーケットです。
早朝6時からの競りは、目にも留まらぬ速さで開始され、競り落とされたお花はその日のうちに世界中の花屋さんへと並ぶそうです。
オークションは全てコンピューター上で行われ、素人には何が起こっているのか分からないスピードで売買されます。
業者さん以外は買うことはできませんが、買った気分にはなれるかもしれません。広い敷地内に並ぶ花、その花を運ぶ膨大な量のカート。規模とスピード感に圧倒されること間違いなしのスポットです。
営業時間:月火水金7〜11時、木7〜9時
料金:€11.50
MAP:Legmeerdijk 305, Aalsmeer
URL:FloraHolland
園芸の歴史ガーデン博物館
4〜10月の期間限定でオープンしているヒストリカルガーデン(Historical Garden Aalsmeer)はアールスメールの園芸の歴史、オランダの農園を見てまわることができる農園博物館です。
ビニールハウスではダリアやバラ、ヒヤシンスなどとたくさんのお花が咲いており、畑にはキャベツやカボチャ、トマトなどが栽培、田舎の畑の腐葉土の香りが漂う懐かしい雰囲気を感じる博物館でした。
展示場ではオランダの農家の歴史と歩みが学べたり、伝統的な農機具などを見ることができました。
またビニールハウス栽培の鉢植えや、畑の野菜などが販売されていました。€1〜とお値段も安くて驚きのお買い得価格です。
ミュージアムカードで無料で入場できる博物館ですが、案内が全てオランダ語でした。そのため?観光客はとても少なく、見学は貸切状態だったのでゆっくりと見てまわることができました。
しかし併設されているカフェは大人気で、お天気のいい週末は満席でした。地元の新鮮な食材のランチやケーキが人気のカフェとなっています。
営業時間:10〜16時30時(月曜休館)
料金:€6.50
ミュージアムカード:入場無料
MAP:Praamplein 1, Aalsmeer
URL:Historischetuinaalsmeer.nl
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フラワーアートミュージアム
フラワーアートミュージアム(Flower Art Museum)は2018年にオープンした新しい美術館です。
交通の便がとても不便な美術館ですが、訪れる価値の高いアートがありました。
館内の展示は季節ごとに変わるようですが、最も感動した作品は屋外のウォールアートです。埋もれているのが勿体無いほど芸術的なアートでした。
営業時間:13〜17時(月〜水曜休館)
料金:€6.50
ミュージアムカード:€3.25
MAP:Kudelstaartseweg 1, Aalsmeer
URL:Flowerartmuseum.nl
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アールスメール観光スポット
アールスメールの観光スポット3箇所のご紹介です。
粉挽き風車
1863年に郊外からアールスメールにと移設された風車デ・レーウ(De Leeuw)は、1930年ごろに廃業してしまいましたが、その後にアールスメール市によって修復され1996年より再稼働している粉挽きの風車です。
開館日には有料ですが風車の中を見学することができます。
現在でも風力を使って小麦をひいているデ・レーウ風車では、ひきたての小麦粉を販売しています。
訪れた日に偶然イベントが開催されており、ひきたての小麦粉で作ったポフェチェス(オランダ銘菓の小さなパンケーキ)が販売されていました。
小麦の風味がしっかりと味わえて、初めて本場のポフェチェスを食べれたように感じます。おいしかったです。
アールスメールの給水塔
1928年に完成した給水塔(Watertoren Aalsmeer)は、その建物高さ50mを支えるために、長さ15mの木製杭が452本使われている超頑丈な基礎で建てられています。
1994年に役目を終えましたが、アールデコ調の装飾が美しい歴史的建造物として保存されてます。
現在は年に5回ほど、イベントなどで建物内に入ることができるそうです。
給水塔にはコンクリート製の巨大な貯水槽が上部に2つと下部に1つあり、隣接する湖の水を浄水した飲用水が貯水されていました。
大きな湖
アールスメールの園芸業が盛んになるより以前、まだ泥炭が市の経済の中心だった頃に泥炭の採掘がおこなわれていたウェストエインデル湖(Westeinderplassen)は面積が10km²以上もある大きな湖です。
様々なイベントが開催されたり、夏にはウォータースポーツも楽しめ、毎年9月の第一土曜日には花火が上がります。
アールスメールの花火大会
毎年9月の最初の土曜日にウェストエインデル湖で花火が上がります。
2024年は19:45から湖上でボートのイルミネーション・ショーが開催され、23時より花火が上がる予定です。
今年は訪れてみたいです。
あとがき
初めてのアールスメール観光。キョロキョロしながら散策していたところ、1時間に1回の頻度でアールスメールダー(アールスメール市民)の方に話しかけられ、町の歴史や観光情報を教えてくださいました。
「英語は得意じゃないの」と言いながら丁寧に色々と教えてくださる、とても温かい方が多い町でした。
久しぶりにほっこりした観光を楽しめました。