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オランダ文化遺産の日・アムステルダムのモニュメントデー

オランダの歴史
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毎年9月の第2土曜の週末はモニュメントデーと言われる文化遺産の日です。

この日はオランダ各地の歴史ある施設が開放され、誰でも無料で見学することができる日です。

オランダといえばの風車から、歴史あるお城教会などの建造物、普段は入ることのできない国の施設など、様々な場所が年に2日間だけ無料公開されます。

オランダのモニュメントデー公式サイト >>

 

アムステルダムでも市内の40ヶ所以上の施設がモニュメントデーの日にオープンします。毎年おなじみの施設もあれば、その年によって限定公開されるところもあり、今まで知らなかった街の一面を見学することができます。

過去2年間に訪れたアムステルダムの貴重な文化遺産を5つほどご紹介します。

 

 

 

旧教会の音楽ホールのパラディソ

ステンドグラスがある音楽ホールとして有名なパラディソ(Paradiso)は国内外の多くの有名人が演奏する歴史ある文化施設です。

 

建物は1880年に建てられた教会で、この教会は1967年に当時のヒッピーたちに不法占拠され、かってにヒッピーたちのクラブにされたそうです。

そんな騒動を見かねた自治体は、若者を抑制するのではなく、逆にパラディソをライブ会場にして若者の文化施設にしちゃおっか!って事でオープンしたのが現パラディソ。なんともオランダらしい成り立ちです。

 

パラディソでは1968年のオープン以来、コンサート、ライブ、ナイトクラブなどと様々なイベントを催しています。

オープンから最初の数ヶ月間に著名なアーティストを呼ぶことに成功し、すぐに「ポップの殿堂」といわれる音楽ホールになったそうです。

 

2023年のモニュメントデーではガイドツアーに参加して、大ホール、小ホール、ラウンジや楽屋などの裏方も見学することができました。

ライブ時にはごった返して見ることができなかったステンドグラスもしっかりとみることができました。

Paradiso 概要(2024)
MAP:Weteringschans 6-8, Amsterdam
URL:paradiso.nl

 

 

 

 

 

 

メンディーニがデザインしたインテリアの家

フローニンゲン美術館の館長を勤めたフランス・ハルスさんのお家がアムステルダムにあります。

ハルスさんのお家のインテリアをデザインしたのがアレッサンドロ・メンディーニだったことが分かったのは2018年のことです。オランダで唯一のメンディーニがデザインしたインテリアの家は、現在は文化遺産として保存されています。

 

ハルスさんは2006年に亡くなっていますが、生前はイタリアの有名デザイナーだったアレッサンドロ・メンディーニさんと大親友だったそうです。

そしてメンディーニさんも2019年に亡くなっていますが、現在でもイタリアデザインの巨匠と名を残す超有名なデザイナーさんです。

 

そんなメンディーニさんデザインのお家が2023年のモニュメントデーで公開されました。少人数のガイドツアーでのみ見学することができました。

現在でも新しさを感じるデザインのインテリアはとてもポップでビビットでした。

 

家の奥の一番贅沢なスペースが吹き抜けの天窓になっています。カラフルな階段の真下には、なんとバスタブが床に埋め込まれている、摩訶不思議なインテリアでした。

ハルスさんは、この吹き抜けスペースで生活することが多く、バスタブに入浴した状態でゲストを迎えることもあったんだとかw。ちょっと変わった方だったのかもしれません。ハルスさんは生前に「人生は劇場のようなものです。演技をしているという印象を与える場所に住みたい。」っとおっしゃってたそうです。

 

 


 

 

 

公文書館の王の間

アムステルダムの歴史的文献などを保管するアムステルダム公文書館(Stadsarchief Amsterdam)はいつでも誰でも無料で入場できます。

地下にある宝物部屋と呼ばれる展示室ではアムステルダムの歴史に関する絵画や写真、アムステルダムの街が出来上がるまでの動画などを閲覧することができます。

 

そんな公文書館の建物に関しては公表されていることが少なく、わりと謎に包まれています。

2024年のモニュメントデーでは地下にある隠し通路が公開され、一目見ようと大行列が出来てました。あまりの行列で並ぶのを諦めましたが、聞いたところによると3時間待ちだったそうです。

 

2023年のモニュメントデーでは、建物の上階にある「王の間」を見学することができました。これまた一般人は知らない隠された部屋で、昔の王様の肖像画が飾られた特別な部屋でした。

公文書館は毎年なにかしらの隠し部屋を公開するのでモニュメントデーでは要チェックの施設です。

Stadsarchief 概要(2024)
営業時間:10〜17時(月曜休館)
入場料:無料(企画展のみ有料)
MAP:Vijzelstraat 32, Amsterdam
URL:Amsterdam.nl/stadsarchief

 

 

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地下鉄駅の核シェルター

ロシアのウクライナ侵攻以来、いつかは核爆弾が飛んでくるんじゃないかって誰もが一度は考えたのではないでしょうか?

現実になって欲しくは無いですが、実際に起きたら逃げ込む先は核シェルターです。

アムステルダムには一部の地下鉄駅のさらに地下に核シェルターが備わっていました

 

2024年のモニュメントデーで地下鉄ウィスパープレイン駅(Weesperplein)の地下にある核シェルターを見学してきました。

駅の改札前には厚さ20cmのドアが隠されており、有事の時はこのドアを閉めると外部の汚染された空気が地下に入らないようになるそうです。その後は浄化フィルターを通った空気が地下に送られるシステムが完備されてました。

 

3000人が収容できる地下スペースは、寝るための部屋やトイレといくつかの部屋に別れています。でも各部屋の中に間仕切りはありませんでした。トイレもオープンスペースですw。(上記の写真はトイレです。丸い穴のところにポットンします。)

外の汚染された空気が安全範囲になるまでの2週間をここで3000人以上の方と共同生活することになるとのことです。有事の際は文句など言えませんが、正直つらいなって印象でした。

 

アムステルダムには約40箇所の核シェルターがあるそうですが、全部のシェルターで収容できるのは市民の5%ほどの収容数しかないんだとか。

そしてほとんどのシェルターには水や食料の備蓄は用意されておらず、場所によっては空気濾過システムやトイレがなかったり、はたまた核汚染を防ぐほどの防御力が備わっていない所もあるそうです。

現時点では核爆弾が降ってきたら、かなり運がよくないと汚染被害を受けずに生き残れる確率は超絶に低いようです。

 

 

 

 

 

1882年の水族館

アムステルダムの動物園の敷地内に水族館があったってご存知でしたか?

1882年から2021年までオープンしていた水族館は現在はリフォーム工事中のため閉館しています。

2026年の春にリニューアルオープンを予定している水族館の工事現場を2024年のモニュメントデーで見学することができました。

 

19世紀に建設されたアムステルダムの水族館は当時のヨーロッパで最も大きな規模の水族館で、膨大な水を浄化できる最先端の水槽システムが完備されていました。

オープン以来、多くの人々が100種類以上のお魚や珊瑚などを見に訪れています。

 

国の文化遺産にも認定されている水族館は、大規模な修繕工事のため現在は閉館中です。メインの巨大な水槽から、お水の浄化システムまで全て最新の物へと入れ替えるリニューアル工事が進められています。

 

工事中の水族館では地下の浄化システムから大ホールの水槽などをガイドツアーで見学することができました。まだまだ作業中だけど、もともとの建物の雰囲気がそのまま残っており、19世紀の貴族感があるような水族館になりそうな感じがしました。

オープンはまだ先ですが今から楽しみです。

 

 


 

 

 

モニュメントデーとは?

オランダのモニュメントデー(Open Monumentendag)は毎年9月の第2土曜の週末に開催されるイベントです。

オランダの文化遺産を無料で見学することができます。普段は有料な美術館や博物館も無料で公開している所もあるので、場所によってはお得感があります。

 

最近は事前予約が必要な施設や、ガイドツアーでのみ入場できる施設も多く、特にアムステルダムでは入場するのに数時間並ぶこともあります。

アムステルダムで周るには朝イチから並んだとして、1日に3ヶ所くらい周れれば良い方だと思います。人気なところは朝イチで訪れても1時間待ちなので、事前に発表されるパンフレットで行きたい所をあらかじめ絞っておくと効率よく周ることができます。

 

イベント案内やガイドツアーはオランダ語がメインですが、初級レベルの語学力でも何となく理解できることが多いです。小さなお子さん連れの方も多いので、説明はゆっくりと丁寧にお話ししてくれます。

子供連れのご家族やご年配の方の参加が多く、大人の社会見学のような雰囲気で楽しむことができます。一人参加の方もわりと多いです。コミュ能力高めのオランダ人も多いので、同じツアーで知り合った方とお喋りしながら一緒にツアーを楽しめる時もあります。オランダ語初心者の筆者を見かねて、追加で英訳してくれるマダムなど、親切でフレンドリーな方が多い印象です。

オランダのモニュメントデー公式サイト >>