今から20年前まで、ロッテルダムのホフ広場からデン・ハーグのスケベニンゲンまで約30km間を電車が走っていたそうです。
鉄道は2006年に廃止となってしましましたが、かつて電車が走っていた高架が今でも残っています。
かつて駅があったホフ広場から延びる約2kmの高架のホフボーヘン(Hofbogen)は廃線となった今でも残され、国の重要建築物の1つとして保護されています。この高架をより有意義に未来へと残すために、様々な取り組みが始まりました。
旧プラットホームの公園
1908年に開通した鉄道はホフ広場駅(Hofplein)からスケベニンゲンまで運行していました。ロッテルダムからデン・ハーグのビーチまで直行で訪れる事ができる電車は、夏にはホームに行列ができるほどの利用者があったそうです。
廃線となった現在のホフ広場駅はホームが公園に生まれ変わりました。ホームの目の前が線路ではなく緑の芝生が広がっている光景は不思議な雰囲気があります。
高架下のスペースにはショップが入っています。レストランやカフェ、スポーツジムやお花屋さんが並んでいました。
旧駅舎のフードコート
ホフ広場駅のお隣のバーグウェグ駅(Bergweg)は、現在はフードコートのような飲食店モールにリノベーションされています。
パン屋さんやスイーツ屋さんやバーなど、世界の美味しいが集まっているようなフードモールでした。
外観は古い駅の様相その物ですが、建物内はとてもオシャレなインテリア。
高架のアーチ構造や、駅の案内板や時計のレトロな感じが素敵でした。また床や家具の年季の入った感じからし小学校のような懐かしさも受けました。
そんなオシャレな旧駅舎にはラーメン屋さんも入っています。まるで日本の駅の立ち食い蕎麦屋のような佇まいで親近感がありました。
購入した飲食物は建物内の好きなスペースで食べる事ができるそうです。ラーメン屋さんの店主さんに屋上にもアクセスできると教えてもらったので、屋上階の旧プラットホームで美味しいラーメンをいただいてきました。
見晴らしの良い席で太陽をサンサンと浴びながら啜るラーメンは、これぞ夏のラーメン感が高めで最高でした。
コッテリのようでサッパリ感もあるクリーミーな鶏白湯、とっっても美味しかったです。
高架上の緑化計画
2025年から2年間かけて高架の大工事が始まります。全長約2kmの高架上を全面緑化し公園にするプロジェクト。この高架上の緑化計画が完成すると世界一長い公園になるかもしれません。
緑道に生まれ変わる前のもともとの高架を一目見る最後のチャンスとして、2024年の5月下旬に高架上をお散歩できるイベントが開催されていました。
天気が良くお散歩日和だったのでイベントに参加してきました。
ロッテルダムでは毎年6月にDakkendag(屋上の日)というイベントが開催されており、今年は高架上を歩けるのがDakkendagでした。
例年は6月に開催するイベントですが、今年は5月に開催されました。
日常では目にすることのない高さの視界が新鮮でした。
住宅の2〜3階くらいの高さなので、街路樹の緑の葉っぱの部分が目線の高さ。車や自転車が視界に入らないので、都会感が薄まり、空がとても広く感じました。
高架下の再開発
ホフ広場から延びる約2kmの高架はホフボーヘン(Hofbogen)呼ばれています。建設された1904年当時は、この高架がオランダ初の大規模な鉄筋コンクリート構造物でした。2kmの高架は189個のアーチで支持されており、当時は高架下のスペースは開いたままにする予定でした。
ですが都市部の土地の有効活用を目的に、高架下を事業用地として貸し出すようになりました。
旧ホフ広場駅から旧バーグウェグ駅までの1km間は高架下にショップやカフェがはいっていて活気がありました。しかし旧バーグウェグ駅から北側の1km間の高架下は雰囲気がまた違いました。
日本でも見る光景のような高架下の雰囲気、夜になると治安があまり良さそうでは無い印象でした。
今後の高架上の緑道公園プロジェクトとともに、周辺の開発や整備も施されると思います。高架下や街全体が明るい雰囲気に変わるのにも期待しています。
2027年に緑道公園が完成するとともに、活気があふれたりと街の様子も生まれ変わるのかなと楽しみです。また2年後に訪れてみたいなと思いました。