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【ダッチデザイン】3Dプリンターと建築

+Dutchノート
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今春に竣工したアイントホーフェンの3Dプリンター住宅はヨーロッパで初の3Dプリンターハウスとしてニュースにもなりました。

ちなみに世界初の3Dプリンターハウスは2020年頃のメキシコの住宅なようです。

今日は3Dプリンターで作る建物は「何がすごく」て「何ができる」のか調べてみました。

 

3Dプリンターの歴史

3Dプリンターは1980年台から初号機があったそうですが、高額な精密機械で操作も難しく実用性がほとんどありませんでした。2000年台に入りシステムの開発が急激に進み価格も下がります。低価格の個人用3Dプリンターが市場に出回ったのは2008年頃のことです。

2010年過ぎから3Dプリンターで住宅を建てるプロジェクトが幾度か提案されており、それから約10年の月日が経ってオランダで実現されました。

オランダの3Dプリンターハウスは当初は2019年に1件目が完成予定と見込まれていましたが2年遅れとなっています。パンデミックの影響もあったと思いますが、技術的な不具合による遅れもあったのではないだろうかと思われます。

 

 

 

3Dプリンターで建設

<photo by bouwkroniek.be>

3Dプリンターの家が主流になると、工期が短縮され、人件費も削減されるので、住宅の価格が下がるといわれています。

3Dプリンターの家は、3Dプリンターで建てる無筋コンクリート造の家に分類されます。

従来のコンクリートの建設には、コンクリートを打つために型枠(コンクリートを流し込む枠)を作ってから、その中にコンクリートを流し込み、固まるまで(十分な強度が出るまで)の数週間ほど待ち、その後に型枠を外します。型枠に面したコンクリートは綺麗な仕上がりではないので、表面を磨いたり板材を施して仕上げされます。

 

それに対し3Dプリンターでは型枠と仕上げの作業がまるっと省かれます。そのため短い工期で建てることが可能で、その分の人件費も少なくなるので総工費も安く収まります。逆に言えば大工さんの仕事がなくなってしまうのですが、従来の型枠では作ることができなかった複雑な形状も可能となったためデザインの幅が広がります。

 

しかし住宅に必要な電気設備や給排水の配管は3Dプリンターでは作ることが現状では不可能です。全てのデータをプログラミングして機械作業で造るということは現場での変更や調整も容易ではないので、工事前の設計に完璧が求められます。現場合わせができないとなると、逆に複雑なものは現段階では建てるのが難しいかもしれません。また技術的な不備も多いうちは、工期の遅れが発生し、追加費用も加算されるので、まだまだ速い・安いとは言えない段階です。今後は3Dプリンター技師のような国家資格が必要になるような気もします。

 

 

3Dプリンターと建築の未来

今後3Dプリンター建築が主流になるか と言ったらまだまだ先の話です。特に無筋コンクリート造では日本の建築基準法を満たすことができないので住宅への実用性は低いでしょう。また無筋コンクリートは強度も弱く割れやすいので、最近完成した家が数十年後にどうなっているのか…。

 

ですが数年、十数年以内には3Dプリンターが建築機材の一つとして加わってくると想定できます。建物全てではなく建築資材のパーツを作ったりと何らかの使い方がありそうです。その頃には3Dプリンターを正確に操れるプロフェッショナルも増えているのではないでしょうか。

あとは月面や火星での建設に3Dプリンター建築が応用されるされるそうなので、そちらの方の関心が高くなるかもしれません。

 

 

【オランダ】で注目の3Dプリント建築「マイルストーン・プロジェクト」
アイントホーフェンで現在計画中の住宅が、世界中から注目を浴びています。 Project Milestone(マイルストーン・プロジェクト)と呼ばれているこの住宅プロジェクトは、コンクリート住宅を全て3Dプリンターで建ててしまおうという計画です。