2021年の夏にアムステルダムの運河に新しい橋MX3D Bridgeが架けられ、開通式にはマキシマ王妃が参列しました。
変わった形状の橋は3Dプリンターで印刷されたステンレスで造形されています。3Dプリンターで橋まで作れちゃうスマートブリッジ時代が到来しました。
MX3D Bridgeが注目されてる理由
新しい橋MX3D Bridgeはオランダ・デザイン業界で注目をあびています。その理由とポイントをまとめてみました。
美学と力学
従来の橋は鋼材を組み合わせて架けられています。予算をおさえ、工期を短縮するためにも、小さな橋はだ直線的なデザインが多く、大きな橋は自重を上から釣り上げるアーチ型の橋が一般的です。
MX3D Bridgeの初期案には直線的なデザイン画があったそうですが、せっかく3Dプリントするのであれば従来では作ることができなかった形状にしてみようということで、近未来感あふれるデザインとなりました。
このデザインはただ単純に美しい曲線ではなく、構造強度を計算された造形で、美学と力学を兼ねそろえたデザインになっています。
製造と運搬
この投稿をInstagramで見る
「3Dプリンターだから運河の上で印刷されたの?」っと思われる方もいらっしゃるかと思います。(筆者も最初はそう思いました。)
理論上は運河の上でも作れるとは思いますが、MX3D Bridgeは工場で製造され、トラックと船で運送、最後にクレーンで釣り上げて設置されました。
橋は1本もの(継ぎ目なし)で作られていますが、端部のグルグル部分は別に印刷され、現場で溶接されています。(写真左側に溶接痕がみられます)
推測ですが運搬状の重量や大きさがオーバーしてしまうため、パーツに分けて搬送され現場で溶接されたのだと思われます。
プロジェクトの期間
このプロジェクトが始まったのは2015年になります。この年にスポンサーが付きプロジェクトが動き出しました。
2016年は1年かけて形状の設計がされました。
2017年は3Dプリンターを実際に使ってモックアップ(試作)を繰り返します。
2018年に実は完成していて、毎秋アイントホーフェンで開催されるDDW(ダッチデザインウィーク)に出展されておりました。
2019年に強度確認を再度念入りに行い、負荷荷重テストを合格します。
いよいよって時にパンデミックになってしまい、2021年にようやく完成に辿り着きました。6年がかりの長期プロジェクトです。

MX3Dって?
こちらの橋はMX3D Bridgeと呼ばれておりますが、MX3Dとは会社名(MX3D社)の事になります。
MX3D社は金属加工産業の会社で主に巨大な金属を扱う3Dプリンターをメインとしています。
MX3D BridgeプロジェクトはMX3D社が中心に様々なエンジニアとチームを組んで進められました。
MX3D Bridgeの一番の見どころ!
このプロジェクトの見どころは実は橋ではありません。
完成した橋ももちろんスゴイんですが、このプロジェクトは3Dプリンターのアプリケーション(システム)開発がメインになっています。
3Dプリンターの実用性や多様性が広がる中で、それを扱うことができない課題がありました。
特に金属加工の3Dプリンターは、原料となる金属粉末の調合、その強度、表面の仕上がり、金属の熱膨張やたわみ、などと問題点が多く、より複雑な3D設計が必要となっています。
そのためMX3D Bridgeプロジェクトで設計されたデータが、これからの金属3Dプリンターに活用されていくだろうと期待されています。
つまり同じ形状の橋なら今から3Dプリンターで印刷すればすぐに準備ができるし、もっと巨大な橋でも今回のデータや経験をもとにアドバイスやサポートできますっていうMX3D社の広告になったビックプロジェクトです。
っと難しい話は置いといて、アムステルダムの新名所となることは間違いないのでお近くに行かれた時はぜひ立ち寄ってみてください。
アムステルダムの東方行スーパーがあるニューマルクトから徒歩3分、レッドライトエリアの中心部です。
