温泉や療養施設、保養施設のことを英語でSPA(スパ)といいます。
そのSPAの語源となった町がベルギーにあります。
ベルギーの田舎町スパでは古くは14世紀ごろから温泉水を病気や怪我の治癒に利用しており、今でも町の中心に温泉施設があります。
今年の温泉旅行はベルギーのスパのスパに訪れ一年の疲れを癒してきました。
温泉の町SPA
ベルギー東部の山に囲まれた小さな町のスパ(Spa)は、16世紀には温泉水に含まれるミネラルや鉄分に薬効があるとしられ入浴施設が整備されました。
その後に健康リゾート地として開発され19世紀には富裕層がこぞって療養に訪れたそうです。
現在でも療養地として知られているスパは2021年にヨーロッパ温泉世界遺産に登録されています。
元々あった温泉施設は135年の営業を経て2003年に閉館してしまいましたが、その翌年の2004年にスパの町を一望できる丘の上に新しいスパ温泉(Thermes de Spa)がオープンしました。
現在の建物は新しく綺麗なのはもちろんなこと、更衣室やロッカーやシャワールーム、食事がとれるレストランなども完備されており、現代にフィットした施設に改良されています。
SPA温泉に行こう!
丘の上のSPA温泉まではケーブルカーで訪れることができます。
ケーブルカー乗り場は無人です。向かって左側の入口が一般用、右側はホテル専用の乗り場になっていました。
丘の麓にあるホテルSPAでは滞在中にSPA温泉の利用をいつでもフロントで申し込むことができます。
ケーブルカーのチケットは現金またはカードで購入できました。往復チケットで3ユーロくらいだったと思います。
歩いても訪れることができますが、山道が滑りやすいようなのでご注意ください。車でお越しの場合は丘の上に駐車場がありました。
チケットを買ったら改札を通り、乗り場でボタンを押すとケーブルカーがやってきました。エレベーターみたいなシステムです。
ボタンを押すって知らなくて待ちぼうけしてたのは筆者ですwww
急勾配の坂道を1〜2分で登っていきます。ケーブルカーからの眺めは最高でした。
ケーブルカーを降りると温泉施設に直結しています。階段を登った先に受付があるので、そこで支払いをして、更衣室で水着に着替えて、温泉にGOです。
支払い時に受付の方に「初めての利用」だと伝えると、鍵の使い方や更衣室とロッカーの場所を教えてくれました。
温泉施設はガラス張りの建物で室内でも開放感がありました。室内に大きいプールやジャグジーなどがあり、外にも広めのプールとジャグジーエリアや打ち水エリアがあります。
館内は撮影がNGでした。SPA温泉の様子は公式のインスタグラムで見ることができます。
広くてのんびりと過ごせる温泉でした。周りが森っぽくなってるので、視覚からの癒やされ効果も高かったです。
館内の自販機ではSPAウォーターが販売していました。でもわりと高かったです。スーパーマーケットで買った方がいいかも。
施設内にはレストランもあって食事や軽食をとることもでできるようになってました。
お帰り前には建物の裏にも訪れてみてください。Spaの町を一望できる展望台になっていて、眺めがとても綺麗でした。
ちょうど紅葉のシーズンに訪れたので、夕日と相まって絶景でした。
ミネラルウォーターのSPA
オランダではSPAというとミネラルウォーターのことを指し、スーパーマーケットなどでSPAブランドの水を見かけることが多いです。
SPA=水って認識が強いので、レストランやカフェでスパ・ブロウ(ブルー)と注文するとミネラルウォーター、スパ・ロード(レッド)というと炭酸水が提供されると思います。
それくらいオランダで浸透しているミネラルウォーターのSPAは、ベルギーの田舎町スパにある自然保護区の地下から採水された天然のミネラルウォーターです。
しかし温泉成分とは異なり、ミネラルは控えめで鉄分は入っていないお水です。
Spaで街歩き
こじんまりとしたスパの町は歩いて30分くらいで町をグルっとできました。車社会の田舎町なので狭い道路も交通量が多く感じました。町歩きのさいは車に注意して散策を楽しみましょう。
町の中央にある歴史を感じる建物は、かつてSPA温泉だった建物です。2003年に閉館し現在は改修工事中。今後に高級ホテルとして生まれ変わるそうです。
ケーブルカー乗り場の前にある歴史建造物は、19世紀に衰退したスパの活気を取り戻そうと当時のベルギー王レオポルド2世が建てた旧ギャラリーです。現在はレストランになっていました。
旧ギャラリーの建物の裏には謎の遊歩道がありました。
レオポルド2世の奥様はスパの町へと療養に頻繁に訪れていたそうです。この遊歩道は王妃が亡くなった年に追悼の意を込めて建てられた場所なようです。
昼間は気が付かなかったのですが、夜に訪れたら映画のセットのように美しい場所でした。
スパには現代アートギャラリーや、町と温泉の歴史博物館などの美術館もいくつかありました。
そして町の至る所に同じポージングをしたピエロがいました。町角アートなようで全部で10体ほどいるそうです。
ミネラルウォーターSPAのラベルに描かれている謎の絵はコイツだったのかと、ささやかな大発見でした。
冬は日没時間が早いヨーロッパ。町観光し、温泉に入り、ご飯を食べてと、帰路に着く頃にはすっかり真っ暗でした。日没後のSPA駅がレトロで美しかったです。
夜間の町歩きは警戒は必要ですが、危険を感じるような町ではありませんでした。
洋菓子屋さん
スパにも美味しいがありました。
まず訪れたいのが駅前にある洋菓子屋さんChez Blanche Spaです。ここには美味しい手作り洋菓子が並んでいました。
リエージュワッフルもありました。でもワッフルはリエージュで食べてきたので変わり種のワッフルを食べてみました。ワッフルの中に甘いペーストが入ってる、今川焼き的なバーションです。
チョコやピスタチオ味もあったけど、ベーシックのナッツバージョンをいただきました。洋風な今川焼きみたいで美味しかったです。
朝ごパンがまだだったのでクロワッサンも買ってみました。甘い系のサクサクでこれまた美味しかったです。
オヤツにマドレーヌ。全部美味しかったし、他にも気になるスイーツが色々ありました。温泉前の腹ごしらえにおすすめです。
和食屋さん
温泉の後は和食がマストな筆者です。調べてみたらスパにも立派な和食レストランがあったので訪れてみました。
和食店Osakaはお寿司をメインとした料理が多かったです。そんな中で色々な刺身を楽しめる海鮮丼を選んでみました。
盛り付けが華やかで山盛りの海鮮。お味噌汁とサラダもついてきました。全部が大満足の美味しさでした。
日本のビールもありましたが、リエージュの地ビールのジュピラー(Jupiler)をいただきました。オランダでも定番の牛マークのビールです。おつまみスナックも付いてきて最高でした。
女将さんもフレンドリーでとてもステキなお店でした。
アクセス
リエージュ・ギユマン駅からスパ駅までは片道約1時間です。駅の自動券売機で往復切符を購入できます。2024年は往復で13ユーロでした。
電車は1時間に1本くらいの頻度でした。電車情報はベルギー鉄道のホームページで調べることができます。
Liege-Guillemins駅からSpa駅までで検索すると鉄道情報が表示されます。
直通電車は無いので、まずはギユマン駅からペピンスター(Pepinster)まで移動します。乗車時間約30分でした。車内がとても綺麗で窓が大きく眺めが良かったです。
ペピンスター駅でローカル線に乗り換えます。こちらはレトロな内装の電車でした。
田舎道を走ること20分でスパ駅に到着です。
帰りもここから乗車してペピンスター駅で乗り換えてリエージュまで帰ります。スパからペピンスター駅までの終電が20時台なので、乗り遅れないようにご注意ください。