薄くて大きい屋根が特徴的なアムステルダム市立美術館はミュージアムプレイン西側に位置する近代美術館です。

油絵、彫刻、インスタレーション、映像・音声作品、版画、素描 、ポスター 、写真、グラフィックデザイン、インダストリアルデザイン、美術書などと21世紀初頭までの多くの近代美術作品が約9万点収蔵されています。


美術館は1874年に設立されました。当初はアムステルダム国立美術館の中に併設されていました。

<Amsterdam Municipal Department for the Preservation and Restoration of Historic Buildings and Sites (bMA)>

市立美術館としての建物が完成し、開館したのは1895年。
1850年に地元市民が先導する近代化プロジェクトの一環として建築家アドリアン・ヴィレム・ヴァイスマンによって設計されたネオルネッサンス建築です。
外壁上部と塔は、淡色の石と赤レンガの組み合わせで、16世紀オランダ・ルネサンス建築をイメージしています。
1938年、サンドバーグ館長は室内の壁を白く塗り、「ホワイト・キューブ」と呼ばれる展示スペースを設けました。
またサンドバーグ館長は、美術館の重く拒絶感のあった入口をガラスのエントランスに変えました。

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第2次世界大戦中、戦争の激動にもかかわらず、市立美術館は展覧会を続けました。
それでもいくつかの貴重な収蔵品は、安全のため砂丘の保管庫に移送されました。
1943年、ドイツの捜索隊がサンドバーグ館長を逮捕しようとしたが、彼は自転車で砂丘に逃げ込み難を逃れたそうです。(自転車で逃げるあたりが、さすがアムステルダマーです。)
よって館長も美術品も戦火を免れました。

戦火を免れた建物ですが、空調などの現代的設備は欠けており、メンテナンスも不十分であったため、老朽化が目立っていました。
また開館以来100年以上の間に収蔵品が増えた一方で、常設展示のためのスペースも不足。
1993年には、雨漏りにより絵画数点が被害を受けました。

2003年末、消防局の要請により美術館は改修のために閉鎖されました。

改修工事中、美術館は別のビルに一時移転しました。
その間も様々なレクチャーや展示が行われ、時には60万人の訪問者を呼ぶなどと、大きな成功を収めています。

リニューアルオープンしたのは2012年9月23日。オープン後の1か月間で、9万5000人を超える観覧客が訪れています。
改修工事で新設された薄く大きな屋根、ベンサム・クロウェル・ウィング。ここには実験的作品、映像作品を展示することになり、「バスタブ」と呼ばれる上階のエリアは特別展ギャラリーに、地下は常設展示に使用されています。
その他の主要な収蔵品は旧棟に展示されています。


市立美術館マメ事件
1986年3月21日、精神病を病んでいた男が、バーネット・ニューマンの絵をカッターで切りつけるという事件が発生しました。
彼は8か月の禁錮と2年間の試験観察に処され、3年間美術館への出入りが禁止さました。
1997年11月21日、同じ男がニューマンの別の絵をまた切りつけました。
裁判で彼は心神喪失を主張し無罪となりましたが、永久に美術館への立入りが禁止されました。

2011年5月15日、サッカークラブ”アヤックス・アムステルダム”の優勝祝賀がミュージアムプレインで開催された際、サポーターらが市立美術館のベンサム・クロウェル・ウィングの屋根及びガラスパネルを破壊しています。被害金額はなんと40万ユーロ(5000万以上)とのこと。
そんな訳で翌年の優勝祝賀は別の場所で開催されましたが、アムステルダム市としては今後もミュージアムプレインで大規模行事が開催できることを願っているようです。

Stedelijk Museum Amsterdam概要(2017年9月現在)
10〜18時(金曜日のみ22時まで)
€17.50
ミュージアムカード可
Museumplein 10, 1071 DJ Amsterdam, オランダ
Stedelijk Museum Amsterdam