ロッテルダム港の最西端に、港の過去・現在・未来を五感で体験できる新スポット「Portlantis(ポートランティス)」が2025年3月にオープンしました!
最新のVR技術を使った展示や、MVRDVによる建築デザインに惹かれて、さっそく訪問。
アムステルダムから片道3時間、電車・メトロ・フェリー・バスとフルコンボ移動での小旅行になりました。(ちょっと遠い…でも楽しい!)
往復の移動時間の方が長いくらいでしたが、それも含めて遠足気分で楽しめた一日でした。
Portlantisってどんな場所?
Portlantis(ポートランティス)は、ロッテルダム港の最西端・人工島「マースフラクテ2」に建つ最新のビジターセンターで、2025年3月にオープンしたばかりの施設です。
ここでは、ロッテルダム港の歴史、今、そしてこれからの未来を“ストーリー仕立て”で学べるように作られています。
展示の面白さもさることながら、建築デザインやロケーションまで全体が魅力的で、訪れるまでの道のりも含めてワクワクする体験型の施設でした。
体験型の展示がすごい!
Portlantisは5階建て。1階がエントランス、2〜4階が展示、5階がカフェ&展望スペースになっています。
まず、入口のゲートがもうSFのよう。ワープ空間に入るような演出があり、ドキドキしながら中へ進むと、大きな吹き抜け空間にロッテルダムの貿易港の地図がドーンと映し出されていました。
展示では、VRを使って港で働く人々のインタビューや作業風景を体験できるのがとても印象的でした。
ゴーグルをつけると、船に乗ったり、風力タービンの上に登ったり、普段は見られない視点からの港の風景が広がります。特にタービンの上からの映像はかなりリアルで、ちょっと足がすくむくらい!
また、タブレットをかざすと目の前にガイドが現れるARのような展示もあり、ゲーム感覚で楽しめる工夫がいっぱい。まるで科学博物館のようなワクワク感でした。
屋上の展望デッキからは、港の広がりや北海、砂丘の風景を一望でき、景色だけでも一見の価値あり。天気がよければ外でゆっくり過ごすのもおすすめです。
事前申込制の港内バス&ボートツアーもあり、さらにディープな港体験もできるようでした。
建築・展示・風景のすべてが融合した空間で、「港」を体感的に味わえる貴重なスポットです。
建築デザインにも注目!
この建物の設計は、オランダの建築スタジオ・MVRDV。展示インテリアはKossmanndejongが担当しています。
外観は、いかにもMVRDVらしい大胆なデザイン。鮮やかな赤い階段が屋上まで続き、登るだけでも楽しい仕掛けになっていました。
5層のフロアが回転しながら重なったようなフォルムで、各階から見える風景が異なるのも面白いポイント。
建物自体もサステナブル。解体・再利用可能な構造で、外壁パネルは寿命がきたら返却できる仕組みなんだそう。
さらに、風力発電と266枚のソーラーパネルによって、必要なエネルギーの130%を自家発電する「エネルギー・ポジティブ建築」です。未来をテーマにした施設にぴったり!
中に入ると、中央の22メートルの吹き抜け空間にびっくり。港の模型や巨大な船のパーツが吊るされていて、ちょっとロッテルダムのDepot美術館を思い出すような、MVRDVらしさ満点の空間でした。

アクセス方法とちょっとした冒険
Portlantisはロッテルダムのかなり西、ほぼ海に面した場所にあります。
アムステルダムからは電車・メトロ・フェリー・バスを乗り継いで片道約3時間。特に週末は公共交通の本数が限られるので、自家用車でのアクセスが一番ラクかもしれません。
とはいえ、公共交通での旅も冒険気分で楽しかったです!
ざっくりルートはこんな感じ:
- アムステルダムからスキーダムまでオランダ鉄道で移動
- スキーダム駅からメトロB線(Hoek van Holland Strand行き)に乗って「Hoek van Holland Haven」で下車(約30分)
- 徒歩3分の港へ移動し、そこからフェリーに乗船
- フェリーでロッテルダム港を横断、約1時間の船旅
- Portlantis行きの無料シャトルバスに乗って10分ほどで到着
まずはアムステルダムからスキーダムまでオランダ鉄道でのんびり移動。
スキーダムからメトロBで約30分、終点手前のHoek van Holland Haven駅を目指します。(メトロBはロッテルダムからも乗車できるよ。)
Hoek van Holland Haven駅前には、小さな観光案内所がありました。
その隣には自転車のレンタル屋さんも。フェリーに自転車を持ち込めるので、ここで借りていくのも楽しそうです。
駅から3分ほど歩くと、フェリー乗り場「Hoek van Holland Berghaven」に到着。
ここから小さなフェリーで、ロッテルダムの巨大な港を横断します。チケットは船内で購入。予約不要なのも気軽で◎。自転車の持ち込みもOKです。
ただし運航は4月〜9月末ごろの期間限定で、2時間に1本と少なめ。時刻表は事前に要チェックです。
詳しくは → Hoeksveer公式サイト
フェリーはこぢんまりした漁船のような見た目ですが、乗ってみるとちょっとした観光船のよう。
進む先には、世界でも有数の規模を誇るロッテルダム港。どこまでも続くコンテナヤードや、工場地帯が広がります。
巨大なコンテナ船がすぐ横を通り過ぎていったり、煙を上げるプラントを間近に見られたり、なかなか非日常な景色。
風が強いので、春先や秋は防寒具を忘れずに!
フェリーが到着すると、ちょうどよくPortlantis行きの無料シャトルバスがスタンバイしています。このバスに揺られて10分ほどで、ついに目的地に到着!
自転車を持ってフェリーに乗ってきた人も多く、Portlantis周辺をサイクリングで巡っている人もちらほら。駅前のレンタサイクルを活用すれば、周辺の広い港エリアを自由に探検できます。
平日なら、Portlantisからスキーダム方面へ向かうバスが運行していたり、港の関係者と乗り合いできる“相乗りタクシー”のような仕組みもあるそうです。
ただし週末はバスが走っていないため、移動手段が限られてきます。
ゆったり楽しむなら、自家用車での訪問がやっぱり安心かもしれません。Portlantisには広く整備された駐車場もありました。
最後に:行ってよかった?
とにかく、遠い。でも、すごく楽しい。
展示も建築も見応えがあって、フェリーで港を渡るというプロセス自体が「体験」の一部に感じられる、唯一無二の施設でした。
ちょっとした旅気分で訪れる価値、間違いなくありました!