アムステルダムから電車で約35分ほどのところにある都市Leiden(ライデン)は、オランダで2番目に人口密度の高く、オランダ最古の大学がある学生街で、画家レンブラント生誕の街です。
ライデンは日本大使館がある政治の街デン・ハーグやチューリップで有名なキューケンホフ庭園の街リッセにも近く、スキポール空港からは電車で15分と交通の便もとても良い街です。
ライデンの歴史
天国への鍵がモチーフの市の紋章
ライデンの街中でよく目にしたのは「2つの鍵がクロスした紋章」でした。これはライデン市の紋章となっています。
この鍵はイエスから贈られた天国への鍵がモチーフとなっており、バチカンの国章に描かれている鍵と同様の紋章です。これはバチカンとの繋がりがあるわけではなく、ローマカトリック教会との関わりが大きいようです。
街のいたるところで見かけるこの鍵マークは、ライオンとセットになっていることもあります。(ライオンはオランダを象徴する動物です。)
様々なバージョンがあるので、ディズニーランドの隠れミッキー探しのようで楽しかったです。
要塞都市
ライデンの歴史は古く、860年頃には村があり、10世紀頃には城を中心に街が形成された要塞都市でした。1000年以上も昔の要塞都市の名残は現在も地形に残っています。
オランダが最も栄えていた17世紀の黄金時代にはオランダで2番目の大都市へと成長します。その頃に運河が整備され、現在の都市形状の基盤となりました。ライデンでは今でも運河と古民家のある伝統的なオランダの景観を見ることができます。ライデン大学を中心に繁華街が運河沿いに広がる活気のある街です。
大学都市
16世紀にオランダ最初となる大学のライデン大学(Universiteit Leiden)が設立され、以来ライデンは大学都市として知られています。ライデン大学はヨーロッパでも有数の高学力の大学の1つで、卒業生の中には13人のノーベル賞受賞者がおります。
ライデンの観光スポット
ライデン中央駅
1996年にリニューアルオープンしたライデン中央駅はオランダの建築家Harry Reijnders(ハリーレインダース)によって設計された未来的なデザインの駅舎です。
白い木のフレームで構成されおり、エントランスの部分の湾曲した白いシェルが特徴的です。
観光案内所(VVV)
ライデン駅前にある観光案内所(VVV)ではライデンの観光情報をゲットできます。
入り口のLeidenの文字が市章の鍵をあしらってデザインされているのが特徴的です。
デ・ファルク風車
ライデン中央駅の東側にあるデ・ファルク風車(Molen De Valk)は1743年に建設された7階建ての風車で、1964年までの約220年間もの年月も稼働していました。
現在は風車博物館として運営されており、風車の中を見学することができます。
営業時間:10〜17時(日曜13〜17時)(月曜休館)
入場料:€5.00
ミュージアムカード:無料
住所:2e Binnenvestgracht 1, 2312 BZ Leiden
URL:Molen De Valk
デ・プット風車
ライデンにはもう1つ有名な風車があります。デ・プット風車(Molen De Put)は1987年に建てられたから今でも稼働している風車で、ここでは風車で挽いた小麦粉を購入することができます。
土曜日のみオープンしており挽きたての小麦粉を販売しています。(ボランティアによる運営のため土曜日でも閉まっていることもあります。)
城門モールスポート
要塞だったライデンは城壁に囲まれた都市でした。その名残りが残っており、東西に2つの城門があります。
西側の城門モールスポート(Morschpoort)はキューポラ(半球型の屋根)が特徴的で国定記念建築物になっています。城門とは思えない可愛らしいデザインです。
住所:Morsstraat 66, 2312 BN Leiden
ライデン城
9〜10世紀にかけて人工的に高さ20メートルの丘を作り、その上にライデン城(Burcht van Leiden)が建設されました。もともとは木造だったそうですが13世紀頃に石造りで再建されました。
ライデン城は無料公開しています。旧市街中心の丘の上に建つライデン城からは街を360度見渡すことができます。
美しい中庭ライツェ・ホフィエス
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ライデンの市街地は独特な都市計画が施されています。
住宅と住宅の間に表通りからは見えない中庭がポツンポツンと点在しています。車は入れないけど人は通れる秘密の小路のようになっており、その先にある中庭は静かで時間が止まってるかのような雰囲気です。
この中庭のことをライツェ・ホフィエス(Leidse Hofjes)と呼び、ライデンではオススメの散策ルートになっています。
ライツェ・ホフィエスの場所は観光案内所のHPで見ることができます。
日本博物館シーボルトハウス
シーボルトは日本の江戸時代に出島への入国が許可されたドイツ人医師で、鎖国時代の日本に西洋医学(蘭学)を伝えてくれた方です。
オランダ人と偽って日本に滞在していた、また単なる医師・学術研究者ではなかったなどの話もありますが、日本の医療の発展に大きく貢献しています。
シーボルトは幕府禁制の日本地図を国外へと持ち出したことから日本を追放され、その後はライデンに家を借り、日本から持ち帰った多くのコレクションを展示する日本博物館を開設しました。
2005年にオープンした日本博物館シーボルトハウス(Japanmuseum SieboldHuis)ではシーボルトが日本から持ち帰ったコレクションを公開しています。この博物館はライデン大学学生の日本文化学習にも役立っているそうです。
またライデン大学に併設している植物園(Hortus botanicus Leiden)にはシーボルトにより持ち込まれた日本の草花が今でも育成されています。
営業時間:10〜17時(月曜休館)
入場料:€8.50
ミュージアムカード:無料
住所:Rapenburg 19, 2311 GE Leiden
URL:Japanmuseum SieboldHuis
ピーター教会
1121年に建設されたピーター教会(Pieterskerk)はライデンで最も古い教会です。初期のピーター教会には塔がありましたが、1512年に教会が崩壊してしまい、その後に建物は再建されましたが塔は撤去されてしまいました。
1975年からは財団によって管理され、教会コンサートなど多様なイベントが開催されています。
ホーフランセ教会
ライデン城のご近所さんのホーフランセ教会(Hooglandse Kerk)では16世紀のパイプオルガンと、17世紀に発明された振り子時計を見ることができます。
ピーター教会もそうなのですが、このホーフランセ教会も教会の周りに住宅がくっついています。教会がアパートのようになっている不思議な建物で、外周を回ると数十件の住宅の玄関が並んでいます。超珍しい、そして不思議な外観の教会です。
営業時間:5月〜9月の火〜土曜日のみ公開
住所:Nieuwstraat 20, 2312 KC Leiden
URL:Hooglandse Kerk
その他にも天文台や植物園や美術館・博物館などと、まだまだ見どころ満載だったライデンです。
1日では周りきれませんでした〜。