ハンガリーの首都ブダペストにあるゲッレールト温泉(Gellért fürdő)は、アールヌーボー様式の美しい建築で、かつてはブダペスト一番の高級スパ施設でした。
ゲッレールト温泉は広くはありませんが、35〜40℃のテルマエ温泉が5つ、27℃の室内プールが1つ、26℃の波の出る屋外プールが1つ(夏季のみ)、36℃の露天風呂が1つと、温泉としては十二分の施設となっています。
ゲッレールト温泉へ行こう!
ゲッレールト温泉の歴史
この地に温泉施設が作られたのは13世紀のこと。当時は病院での治療の1つとしてここに療養施設が建てられました。
19世紀末に一度は取り壊されてしまいますが、20世紀になりブダペスト温泉街計画のメインコンセプトの1つとしてアールヌーボー様式で建設され、首都で最初の高級湯屋となりました。当時のヨーロッパで最も近代的なスパとなり、また療養施設(ホテル)が併設されました。
1926年には波の出る屋外プールが増設され、戦前にはオランダのユリアナ王女も訪れたそうです。
戦争では建物の損傷が大きくうけ、戦後〜現在までに何度も大改修が行われていますが、モザイクタイル、大理石の柱、ガラス、彫刻などのオリジナルの家具とスタイルは今でも残されています。
ゲッレールト温泉の成分と効能
温泉の成分は硫酸塩、カルシウム,、マグネシウム、炭酸水素塩、フッ化物等が含まれ、効能は関節痛、関節炎、脊椎疾患、血管収縮、循環器疾患、喘息および慢性気管支炎に効果があると云われています。
硫酸塩や炭酸水素塩を多く含む塩類泉は、「美肌の湯」「清涼の湯」 「傷の湯」「脳卒中の湯」とも呼ばれています。
硫酸塩は、日本だと群馬県・法師温泉、静岡県・天城湯ケ島温泉などが有名で、きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症に効能があります。また飲用では胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘に適しているようです。
炭酸水素塩は、日本だと和歌山県・川湯温泉、長野県・小谷温泉などにあり、きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症に効能があります。また飲用では胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)に適しているようです。
ゲッレールト温泉の建築
ゲッレールト温泉は、その美しい建物と装飾が魅力的で視覚的にも癒される温泉です。
幅11m、奥行き74mの中央ホールにはアーチ型の天井とステンドグラスをあしらったガラス屋根。エントランスのドアをくぐると、宮殿のような佇まいで出迎えてくれます。
メインの室内プールは劇場のような造りで、プールを囲んで眺めるように休憩席が設けられています。2階にはラウンジもあり、食事をとりながらのんびり過ごすこともできます。
右翼と左翼に分かれて設けられているテルマエ温泉はモザイクタイルの壁と天井画が美しく、ガラス屋根からの自然光のみの照明で、洞窟の中の泉のような神聖な領域です。
屋外の露天温泉は冬季はべらぼうに寒かったですが、夏にはアトラクションプールとして大人気なようです。
ゲッレールト温泉の施設概要
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ゲッレールト温泉には6つの温泉と、2つの巨大プールがあります。
温泉は35〜40℃と低めの設定ですが、長風呂をするには適した温度です。サウナ、水風呂、温泉のループができるように構成されています。
露天温泉にはジャグジーもついてましたが、36℃と水温が低いので冬季にはちょっと寒かったです。春や秋頃が気持ちよさそうです。
室内プールは水泳用となっているので、泳ぐにはスイミングキャップが必要です。
屋外プールは夏季のみですが、波のあるプールとして大人気となっています。
併設ホテルDanubius Hotel Gellértは2021年末に閉館してしまいましたが、ゲッレールト温泉は毎日営業しています。
ゲッレールト温泉周辺の人気ホテル
ゲッレールト温泉のお隣に位置するSt. Gellért Square Minilux Apartmanはアパートメントホテルで、レトロなハンガリー家具のアパートに滞在できます。
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