オランダ国王が日頃に働いている執務室がデン・ハーグにあります。
年に数日間だけ、国王が長期休暇などで不在の時に、その執務室が一般公開されることがあります。
今年の夏はパリ・オリンピックに出場したオランダ選手の応援にかけつけていたオランダ国王一家。
オリンピック開催期間中にガラ空きとなった執務室の見学チケットが取れたので、国王の職場見学に行ってきました。
ノールドアインデ宮殿
公式執務室のノールドアインデ宮殿(Paleis Noordeide)は政治の街デン・ハーグにあります。
ノールドアインデ宮殿はオランダの政治と国事の事務所です。
オランダ国王と奥様のマキシマさんはノールドアインデ宮殿でいつもお仕事をされています。
ノールドアインデ宮殿は王室で働く職員や、外国大使などと限られた人しか入ることのできない執務室です。
ノールドアインデ宮殿が建てられたのは1640年。
ネーデルラント連邦共和国(前オランダ)時代にオラニエ公フレデリック・ヘンリーが建物とその周辺の土地を買い取り、大規模拡張工事が施されノールドアインデ宮殿となりました。
ネーデルラント国王(現オランダ)の初代国王ウィレム1世は退位するまでノールドアインデ宮殿で暮らしていました。
ウィレム2世からは冬の別荘地としてノールドアインデ宮殿が使われ、第二次世界大戦後から国王の執務室と使用用途が変わったそうです。
建物内には宮殿時代からの豪華なインテリアの部屋が何室も現存していました。
執務室を見学
期間限定のノールドアインデ宮殿見学では音声ガイダンスを聴きながら建物内の複数の部屋を閲覧することができました。
音声ガイドはオランダ語か英語を選べました。ウィレム・アレクサンダー現国王のショートビデオから始まります。
巨大なゴールドのシャンデリアがあるホール。天井が高くアーチ状で映画の舞台のように品と華やかさがありました。
部屋ごとにテーマが異なり、どのお部屋も豪華絢爛。これが観光施設などではなく国王の職場で、現在も使っている建物なのだから驚きが2倍。
毎日どんなふうに仕事をしてるのか、庶民には全く想像ができませんでした。
肖像画の間は70席の長テーブルが置かれ会食をする部屋だそうです。
並んでいた休憩用の椅子は実際に会食時に使われている椅子だったようです。後から気がついたのでスルーしちゃってました。座ってくればよかったとプチ後悔です。
宮殿内には歴代国王が幼少期にいたずらした落書きが残されています。
オーディオガイドで落書きの場所も案内してくれる素敵なツアーでした。
子供時代のイタズラが残っているのにほっこりしちゃいました。
ニュースなどのメディアで国王がバルコニーに登場して手を振るシーンがありあます。
見学ルートの最後にそのバルコニーも観覧できました。
ここで手を振っているのかと驚きと、国王側の視点で眺める感動がありました。
そして思っていたよりバルコニーの位置が低かったです。勝手に4階くらいの高さだと想像してましたが2階でした。
バルコニーには出ることはできず、ガラス越しに覗けるくらいですが、国王と同じ場所にいる体験ができてちょっと感激しちゃいました。
このバルコニーを見て初めて「あぁ、ここに国王がいるんだ」と実感しました。
王立厩舎
ノールドアインデ宮殿のご近所にある王室の厩舎も併せて見学ができました。
王室厩舎も普段は見学することができないので、貴重な潜入になりました。
19世紀に建てられて王室厩舎。当時の主要な移動手段は馬車だったため、馬車を引くお馬さんたちの馬房があります。
実際にお馬さんたちにお会いできました。
たくさんの見学者がいる中で全く人間を怖がらないお馬さんたち。大切にされてる感をとても感じました。
王室厩舎では初代国王ウィレム1世から使われている黄金の馬車も見ることができました。
この馬車は毎年9月に行われる政府予算発表の日に国王が乗車して登場する馬車です。
国王の結婚式にも使われたことがある黄金の馬車は装飾から細部に至るまで豪華仕様でした。
外国からのゲストを迎える専用のリムジンの展示もありました。
その他にも歴代の馬車や車も見ることができました。
国王の移動方法など考えたこともなかったので、裏側を見学するような貴重な体験で興味深かったです。
年に数日間のみ見学できるノールドアインデ宮殿はチケット予約が必須です。入場人数に制限があるため、当日券は残っていませんでした。チケットは1〜2週間前には完売してしまいます。
今年は偶然にチケット販売しているのを発見し、予約することができました。
また見学できる機会がある時はブログやSNSを通じてお知らせできればと思います。
次の機会にぜひ訪れてみてください。