オランダ北部の大都市フローニンゲン(Groningen)。
日本語かと勘違いしそうな都市名の由来は諸説あり、神話に出てくる人物Grunoだとか、男性の名前Groniだとか、野原を意味するGroene veldenが由来などと言われています。
「風呂人間」とは関係ないんですね。
フローニンゲンの土地には紀元前300前頃から人が住んでいたとされていますが、町ができたのが1040年頃と、実はアムステルダムよりも歴史が古いかもしれない街です。
第二次世界大戦ではフローニンゲンは激しい戦闘に巻き込まれたくさんの人が命を落としました。しかしドイツからの多くの難民を受け入れていたフローニンゲンは戦後には人口が3万人も増えていたそうです。
現在では人口23万2000人に増え、オランダ第6の大都市です。
ちなみに第1位はアムステルダム(87万)、第2位はロッテルダム(65万)、第3位はハーグ(54万)、第4位はユトレヒト(35万)、第5位はアイントホーヘン(23.4万)です。(2020年統計)
現在のフローニンゲンは市民が住みやすい街づくりを目指し、交通インフラの整備、文化施設の新設、住宅地区の拡大に力を入れています。
街は綺麗でとっても活気があり、歴史ある建造物から新しいランドマークと見どころ満載の街でした。
フローニンゲンの観光スポット
アムステルダムから電車で約2時間ほどのフローニンゲンは、日帰り観光でも十分に楽しめる街でした。
オランダで最も美しい駅舎のフローニンゲン駅
フローニンゲン駅(Groningen Station)はなぜか地元ではHoofdstation(主要駅)と呼ばれている、ちょっと変わった地元あるあるが存在しているようです。
そんなフローニンゲン駅の駅舎はオランダで最も美しい駅舎の1つで、国の文化遺産にも登録されています。
ルネッサンス様式とゴシック様式の要素を良いとこどりした駅舎は1896年に建てられています。天井の装飾が豪勢なコンコースはまるで宮殿です。
駅のスターバックスや小売店も内装がとても素敵なので、ぜひ覗いてみてください。
ポストモダン建築のフローニンゲン美術館
駅を出てから旧市街へと進むにはウェルクマン橋を渡ります。その橋の上にあるのがフローニンゲン美術館(Groninger Museum)です。
駅から見えるビジュアルが既にアートなフローニンゲン美術館は、イタリア建築家アレッサンドロ・メンディーニの設計のポストモダニズム建築です。
展示室となっているパビリオンを複数のデザイナーが設計しているため、部屋ごとに全く違う世界観を感じさせてくれるこの美術館は、美術作品と空間デザインを同時に楽しめる、2度美味しい美術館です。
この投稿をInstagramで見る
メンディーニさんはバンザイするワインオープナーをデザインした方だよ!
エミウス通りで食べ歩き
フローニンゲン美術館から街の中心部へと続くウッボ・エミウス通り(Ubbo Emmiusstraat)には小さなお店が並んでいました。雑貨屋さんや、スイーツ屋さんなどの誘惑が多く、ぜんぜん街の中心地に辿り着けません。
賑わっていたのがフライドポテト屋さんのFrietwinkel。お店の中も外も満席でした。
この日は暑かったのでアイス屋さんのToscana IJssalonも大行列でした。
どうやらフローニンゲンへと訪れるときはお腹を空かせて行くのが良さそうです。
街の中心でお魚マーケット
街の中央広場で開かれるお魚市場(Vismarkt )は市民の台所。新鮮な野菜に果物、お魚にお肉、すぐに食べれるフリッツやサンドイッチのお店もありました。
そんな中で一番人気は魚屋さん。お魚屋さんだけ異様なくらいに人が集まっていました。さすがお魚マーケットと呼ばれているだけありました。
新鮮なお魚は種類が多く、とっっっっても安かったです。さすがにこの後の観光を魚を持って歩くわけにはいかないので買いませんでしたが、地元の方で賑わっているのには納得です。
マーケットにはキベリング(白身魚のフライ)などお魚が食べれる屋台もあったので、その場で食べて味わいましょう。
この投稿をInstagramで見る
歴史建造物が集まるグロート広場
お魚マーケットのお隣にあるのがフローニンゲン市庁舎(Stadhuis Groningen)です。この市庁舎は1774年に建物のデザインコンペが開催され、デザイン案が選ばれるまでに3年もかかったそうです。その後にデザインの修正をおこなってる途中でナポレオンがオランダに侵攻してきたりと時代が大きく動き、建設は遅れに遅れ、完成したのは1810年でした。
その後に増築や改修工事は行われていますが、歴史ある文化遺産として残されており、現在でも市庁舎として使われています。
市庁舎の後ろにある1635年に建てられたルネッサンス様式の建物(Het Goudkantoor)も歴史ある建造物です。現在はレストランになっています。オープンテラスがとても雰囲気が良かったです。ゆっくりお食事するならこの辺がおすすめです。
市庁舎の前にそびえる塔はマティーニ教会(Martinikerk)です。塔の高さは97mとフローニンゲンで最も高い建物です。
この塔には登ることができて、塔の上からは街を一望できます。ただし300段近い階段での昇降なので、翌日は筋肉痛になるかもです。
新しいランドマークのフォーラム・フローニンゲン
2019年にオープンしたフォーラム・フローニンゲン(Forum Groningen)は、ミュージアム、映画館、イベントスペース、図書館、カフェ、レストランなどの複合施設で、市民のために建てられた新しいランドマークとなっています。
六角形をひねったような形状の建物の設計はアムステルダムの設計事務所NL Architectsです。NL Architectsはアムステルダムの集合住宅FUNENPARKでシンボリックなうねる屋根の集合住宅をデザインした事務所。フォーラムも綺麗にうねってました。
10階建の建物の中央は吹き抜けとなっており、地上階から屋上までエスカレーターで自由にアクセスすることができます。ミュージアムではディズニー展が開催されていたので、お子さま連れの方の来場が多いように感じました。
カフェやバーなどもありましたが、誰でも自由に座れるスペースも多く、たくさんの学生さんがパソコンで作業していたり、友達と一緒に課題をやっていたりと、市民交流センターとして成功している雰囲気をとても感じました。
誰でも自由にアクセスできる屋上からはマティーニ教会もよく見えました。
この投稿をInstagramで見る
ルネッサンス様式のプリンス庭園
1594年にオランダ王子の邸宅プリンセンホフ(Prinsenhof)がフローニンゲンに建てられました。その邸宅前に造園されたプリンス庭園(Prinsentuin)は現在でも美しい庭園を保っています。
庭園にはバラ園、ハーブ園、植物のトンネルが剪定されていました。連日の猛暑でお花が少し元気がありませんでしたが、緑が青々としていてとても綺麗な庭園でした。
庭園は入場無料です。15世紀の建物のプリンセンホフは現在はホテルになっており宿泊することができます。
カラフルな桟橋住宅
プリンス庭園からバス1番に乗車し、バスに揺られること約20分。終点のP+R Reitdiepの下車して訪れることができる、フローニンゲンのシンボリックな住宅街が桟橋ハウス(Reitdiephaven)です。
ボートの停留所であるライトディープ港に建てられた100戸の住宅。そのうちの35戸はボートが停留する湖の上に建てられています。
カラフルな色の外壁と、湖に浮かぶ様相が目を惹く、フローニンゲンで有名な建築スポットです。お家に入ることはできませんが、目の前の公園から眺めることができます。
この投稿をInstagramで見る
帰りに食べたラーメン屋さん
遊び疲れたフローニンゲン散策。帰路に着く前にラーメンを食べて帰りました。市庁舎とフローニンゲン駅のちょうど中間くらいにあるヤナギラーメン(Yanagi Ramen)でガッツリ系の濃厚豚骨ラーメンをいただいてきました。
パクチーがのっている斬新なスタイルでしたが、暑い日でも食が進むベストなトッピングでした。お腹が空いていたのと美味しいのとで、一瞬で食べちゃいました。チャーシューがたくさん入ってて満足度が高いです。
観光マップ
フローニンゲンの観光情報をGoogleマップにまとめました。
アクセス
アムステルダムからフローニンゲンまではオランダ鉄道NSで約2時間です。
4日前までにオランダ鉄道(NS)公式サイトでチケットを購入すると10%オフの割引を受けることができます。
オランダ在住の方でOVカードをお持ちの方はオランダ鉄道のサブスクリプションがお得です!
乗車料金は往復で€58.80とそこそこしますが、オランダ鉄道のサブスクリプションに加入する割引料金で乗車できます。(2023年の価格情報)
週末乗り放題プランなら月額€34.95で乗り放題!アムステルダムからフローニンゲンまで訪れるなら週末乗り放題のWeekend Vrijプランが最安値かなと思います。