アートと食の街ビルバオは建築の街でもあります。
世界遺産や歴史ある建造物から近代建築まで目を惹くデザインの建物が多くありました。また様々な国の建築家が設計している建物があるので、多種多様なデザインを楽しめました。
街の中心の観光エリアに集まっているので、市内観光に建築巡りも組み込んで散策できると思います。
マニアックな建築13
ビルバオの建築といえばグッケンハイム美術館ですが、他にも魅力的な建築物が点在しています。
ビルバオで見かけた素敵な建築をまとめました。
骨格の美しいスビスリ橋
グッケンハイム美術館の裏手を流れるネルビオン川に架かるスビスリ橋(Zubizuri)。スビスリとはバスク語で白い橋を意味しているそうです。
造形が美しいこの橋はスペインの構造建築家カラトラバさんが設計しています。カラトラバさんはビルバオ空港やアテネオリンピックでスタジアムを手がけたりと、青空に映える白い骨組みを美しくデザインするプロです。
夜景に映えるライトアップされたスビスリ橋も美しいそうです。
ちなみに元々は床材が全てガラスタイルだったそうです。雨が降るとあまりにも滑るため市民から苦情が殺到したため、現在は改修されています。ガラスタイルは部分的に残ってました。
ビルバオで最も薄い橋
スビスリ橋のお隣に架かっているペドロ・アルぺ橋(Pedro Arrupe)はグッケンハイム美術館と対岸にある大学をつなぐ歩行者専用の橋です。
全長140mに対してデッキの高さが2mも無いので、川岸からみるとペラペラな橋のように見えました。
橋の外面は金属の冷たい印象に対して、内側は木材で仕上げられています。歩くと少しフカフカするような橋でした。写真で上手に撮れなかったのですが、デザインがカッコよかったです。
ビルバオには他にも美しい橋が多いので観光中は橋にも注目してみてください。
ビスカヤ橋
ビルバオの隣町ポルトゥガレテにあるビスカヤ橋(Vizcaya)は現在も稼働している世界最古の運搬橋で世界遺産にも登録されています。
運搬橋とはゴンドラ付きの橋のことで、車や人がゴンドラに乗って川を渡ることができます。
地下鉄駅
ビルバオの地下鉄の入口はガラスのドームでデザインされています。ビルバオの地下鉄駅はイギリス建築家ノーマン・フォスターが総合監修している近代的なデザインでした。
磯崎新のツインタワー
グッケンハイム美術館のお隣に怯えたつツインタワーのイソザキ・アテア(Isozaki Atea)は日本の建築家の磯崎新さんがデザインしています。
建物の名前に設計者の名前がつくほど、磯崎新さんはスペインで人気の建築家です。
アテアはバスク語で「門」を意味し、新市街の玄関口の意味合いが込められています。
高さ83mで22階建てのツインタワーは1〜2階は商業施設ですが、3階から上は居住スペースです。バスク州で最も高いタワーマンションなんだとか。
ちなみにツインタワー建設中に、目の前に架かるスビスリ橋の手すりの一部をちょっとだけ除去したら、スビスリ橋の設計をしたカラトラバさんに激オコされ裁判沙汰になったそうです。(判決はカラトラバさんの勝訴)
ビルバオアリーナ
丘の上に建つビルバオアリーナ(Bilbo Arena)はバスケットチーム・CBビルバオ・ベリーのホームスタジアム。屋内競技用やコンサートなどのイベント会場にもなっています。
インパクトある見た目がとても印象的でした。見上げたくなる建物です。
官公庁
ビルバオの街中に建つ何これ建築は政府機関の官公庁(Gobierno Vasco)の建物でした。
厳格な建築規制(角は面取り、上階は後退させる、塔を付けるなどなど)に従った結果を元にアレンジしたデザインになってるそうです。
多面的なファサードに対して内側は機能的なオフィスの間取りになっているようです。内側から見たファサードの骨格がカッコ良いっぽいのですが、政府機関なので中に入ることはできません。
カルチャーセンター
1903年に建てられたワイン倉庫だった建物を、フランス建築家のフィリップ・スタルクがリノベーションしたカルチャーセンター(Azkuna Zentroa)は映画館、スポーツセンター、多目的ホール、メディアセンターなどの複合施設です。
大きな吹き抜けや天窓などと空間が素敵な建物です。また43個の柱のデザインが全て異なっているのが特徴的な空間でした。
図書館
ビルバオの街の中心にある県立図書館(Bizkaiko Foru liburutegia)は2007年にオープンした6階建ての建物。ガラス張りのファサードには200カ国の言語で様々なメッセージが書かれています。
館内の吹き抜けと日没後に館内の照明が溢れる様子が綺麗なんだそうです。
劇場
1902年にオープンしたオペラ劇場(Teatro Campos Elíseos Antzokia)。ファサードの装飾が豪華な建物です。
最新の音響設備などが完備されており、スペインの中で最も舞台設備のグレードが高い劇場だそうです。
インテリアも豪華なので、オペラ鑑賞も観光プランに取り入れたいです。
デウスト大学
グッケンハイム美術館の対岸にあるデウスト大学(Deustuko Unibertsitatea)は1886年に開校した歴史ある大学で、当時はビルバオで最も大きい建物でした。
19世紀初頭のスペイン内戦時代には軍事施設として使われていたそうです。
戦後に授業が再開され、現在はスペイン政府とローマ法王庁認定のカトリック大学なんだとか。
建物内をチョコっと覗いてみたらお城のような大学でした。
エウスカルドゥナ国際会議場
会議や見本市などを行うエウスカルドゥナ国際会議場(Euskalduna Jauregia)は、造船所の跡地に建てられたコンベンションセンターです。建物名のエウスカルドゥナは旧造船所の会社の名前が付けられており、今ではエウスカルドゥナ宮殿との愛称で呼ばれています。
多種多様なマテリアルが使われている、とてもユニークなファサードの建物でした。2003年に国際会議場協会によって「世界最高の会議場」に選ばれています。
ホテル メリア ビルバオ
グッケンハイム美術館から徒歩8分の便利なロケーションにあるホテル・メリア・ビルバオ(Meliá Bilbao)はメキシコ建築家のリカルド・レゴレッタさんのデザインです。
ファサードのペイントはこの建物のために特別に用意したレゴレッタさん特別仕様の漆喰らしいです。色合いもデザインもヨーロッパでは目にしない奇抜さがありました。
室内はモダンなインテリア。ホテル内にバスク料理のレストラン、サウナ、プールもある5つ星ホテルです。泊まってみたいホテルです。