オランダにコロナウイルスのパンデミック第二波が到来しています。

9月に入り新規感染者が急増し続け、末日の時点で日に3000人超えの新規感染者が報告、数日後には日に5000人超えになるだろうとの予測があり、オランダ政府も規制を厳しくし始めました。

PCR検査対応件数も増えているので第一波の時より新規感染者数が多いのはもちろんなのですが、感染性の指標が1.4を超えたこのままでは重症患者を受け入れられる病院数が足りなくなってしまうので再びロックダウンの可能性もあると示唆されています。

インテリジェント・ロックダウン終了した6月1日からは少しずつ規制が減ってきて、夏の気候も相まって気が緩みはじめていたのも事実ですが、ようやく日常が少しずつ戻ってきたいた分、第二波はより精神的にも経済的にもストレス過多になりそうです。




マスク不要に意固地になるオランダ

世界規模でコロナウイルスのパンデミックが起こり、アジア圏の感染者の少なさからアジア人のマスク文化が注目され、今では世界中でマスク文化が浸透しています。

マスク文化はヨーロッパでも一般化していますが、それにも関わらずオランダでは一切っと言っていいほど浸透していません。

非医療用マスクではコロナウイルスを100%防ぐことはできないですが、数%でも防げるならした方がいいんじゃなかろうかと思うものの、あまりにもマスクをしないオランダ社会でマスクをすることの方が抵抗を感じるほどです。
アジア人であること + マスク着用
で差別にでもあうんじゃないか、罵声を浴びせられるんじゃないかと不安に感じてしまいます。
実際そんな被害を被ったことはありませんが、マスク姿が邪な目でみられる印象を受けなくもありません。

意地でもマスクを推奨してこなかったオランダですが、結果的にマスクを巡って右往左往しています。
こんなに翻弄されるなら始めからマスクをしましょうって言った方がスムーズだったのではないだろうかと感じてしまいます。

何がこんなにも意固地にしてしまったのか、オランダのマスク騒動を振り返ってみたいと思います。



マスク不足から始まったパンデミック
オランダは3月15日から5月末日までインテリジェント・ロックダウンが施行されていました。
インテリジェント・ロックダウンの最中は外出は可能だったものの、3人以上の集団で集まることは禁止されていたため、マスク云々よりもソーシャル・ディスタンスを図ることに重きが置かれていました。
またマスクの常用文化が無いため、医療用含め深刻なマスク不足で、介護施設のスタッフさえもマスクが手に入らない状態でした。

 

ヨーロッパ各地で広がるマスク義務化
4月中旬にもなると隣国ドイツ、ベルギーが公共交通機関ではマスク着用を推奨し始めました。
その一方、オランダ政府は一般市民のマスク着用は不要と頑なに主張しました。

・マスクは正しく使用しないと逆に感染を高める
・医療従事者のマスク不足が深刻化しているため

と、オランダ政府は2つの理由をあげました。

この当時、医療用マスク不足は深刻だったため、アムステルダム市街地に高値のマスク屋がオープンするとメディアで取りあげられ炎上する騒ぎになったほどです。

 

オランダ初のマスク義務が始まる
インテリジェント・ロックダウンが終了した6月1日より文化施設及び飲食業施設が再び開店し、教育機関も徐々に開校しました。
それに伴い、6月1日から公共交通機関(電車・バス等)に乗車する13歳以上はマスクを着用する義務化が始まりました。

・電車やバスの車内でのソーシャル・ディスタンスの確保が不可能
・すでにマスク着用が一般的になっている隣国と繋がっている鉄道車内でオランダだけ不要にすると不明確な規制となってしまうため

とのような理由からスタートしました。
違反すると95ユーロ(約11700円)の罰金制です。

この規制が始まるとスーパーマーケットやドラッグストアで使捨てマスク(非医療用)の販売が始まり、街中でも購入することができるようになったのですが、当初は5枚で10ユーロなどとちょっと高価でした。

6月以降今でも継続している公共交通機関のマスク規制は駅構内や停留所での着用義務はないため、ほぼ全員が電車から降りたその瞬間にマスクを外すため街中でのマスク着用者はほぼ皆無となっています。

 

マスクは不要と訴え続けるオランダ政府
インテリジェント・ロックダウン終了の6月以降も依然として1.5mのソーシャル・ディスタンスに重きが取られましたが、7月からはソーシャル・ディスタンスが確保不可能な美容院やマッサージ店も再開業が許可されました。
しかしこれらの店舗でマスクの着用義務はありませんでした。

7月半ばに入ると、繁華街の商店はサマーセールを開始し、各地で夏休みが始まり多くの人が繁華街へと繰り出すようになってきました。
また隣国ドイツからの観光客なども多く、ちょっとだけ市街地に活気が戻ってきました。
マスク着用義務が無いオランダ人に対し、マスクの着用が一般的になってきているドイツ人の方がマスクを着けいている

マスク着用者 = 観光客

という印象がみられました。

この頃にはマスク不足は既に解消されて、スーパーマーケットなどで販売している非医療用マスクは価格も下がり、今では10枚で8ユーロ(約1000円)ほどで購入可能になっています。

それでも頑なにマスクを不要としていたオランダ政府、
”マスクは正しく使わないと効果がない” の一点張りでした。

・非医療用マスクではコロナの飛沫は防げない
・マスクをしている安心感からソーシャル・ディスタンスがおろそかになってしまい感染が広がる可能性がある



マスク効果のテストを開始する
6月の新規感染者数は100人/日を下回るのを維持していましたが、バケーションシーズンと開放感から多くの人が出歩いたため、7月末には500人/日超えをしました。

またヨーロッパ各国のロックダウンが終了し、EU内での国境越えが容易になったタイミングと、夏休み休暇が重なったこともあり、多くのヨーロピアンがヨーロッパ各国へサマーバケーションに出かけたようです。

オランダにも例年ほどではないけれども観光客は訪れており、そのため繁華街は人混みで溢れ、歩道で適切なソーシャル・ディスタンスを取ることは不可能となっていました。

そこでオランダでは摩訶不思議なマスク着用義務を8月5日より開始しました。

アムステルダムとロッテルダムの繁華街の一部エリアでのみマスク着用義務。

繁華街全域ではなく、一部メイン通りは着用のルール。
路地に入ったら外してOKっというなんとも曖昧な縛りです。
アムステルダムで指定されたメイン通りの多くは歩行者天国の通りで、車道があるメイン通りは指定されないという、不明瞭なルールでした。

また”規制エリアは〇〇通り、〇〇広場….”、と発表されましたが、土地勘がある人にしか分からない通達です。
アムステルダム在住の筆者ですが、アムステルダムの指定エリアでさえ、どこの通りのことか分からないエリアがありました。ロッテルダムに至っては全く分かりませんでした。

規制範囲が中途半端なのと、どの通りが着用義務エリアなのかも分かりづらかったので実際の着用率は不明ですが、効果があったのか無かったのか8月の新規感染者数は500人/日を行ったり来たりと横ばいが続きました。

アムステルダム市長とロッテルダム市長としてはこれを機にマスクの常用を広げたい意思があったようですが、
”これはマスクが効果あるのかどうかのテストだった、そして効果は見られない”
と判断した政府は、この摩訶不思議なマスク着用義務を8月31日をもって終了させました。

 

夏休みあけに広がる感染者数
夏休み中にヨーロッパ各国へお出かけされていた方々も帰路につき新学期・仕事復帰の9月になると観光地は人混みが減ってきたものの、住宅地区のバーは深夜まで賑わっていました。

9月1日の時点で新規感染者数は500人/日を超えており、
7日には1000人/日を超え、
17日のには2000人/日以上と猛スピードで急増。
感染性の指標が1.4を超えました。

パンデミック第二波の到来です。

摩訶不思議なマスク着用義務が終了した途端に急増加するってどうなのと思っておりましたが、同時期にヨーロッパ各地で急増が見られているので、夏休みに出かけた先で感染してきたのが濃厚と見られています。

なんで旅行したの!?っと感じる所はありますが、夏休み旅行を生きがいにしているヨーロピアンには不可避なイベントです。
夏休みのために春のロックダウンに耐えてきたっと言っても過言ではありません。

 

ついに始まるマスク義務化
8月の新規感染者数は少なくないものの安定していたのに対し、9月の増加率は10日で倍々計算と深刻になってしまいました。

オランダ政府も緊急に新たな規制を9月28日に発表しました。

・全ての飲食店が22時閉店
・屋内外の許容人数の制限
・屋内の公共スペースでのマスク着用を推奨

ついに到来、マスク着用の推奨です。
これまでマスク不要の一点張りだった政府の意見が一転しました。

ただしここでは法的にマスク義務化することは今の法律では不可能なので、着用エリアは各市長に委ねるというものでした。

しかし委ねられた市長達は、指針がなく取締ることも不可能では曖昧になってしまうことから異議申し立て。そして翌9月29日に新たな発表がありました。

”マスク着用を推奨” から ”マスク着用を勧告

に変わり、オランダ全土で公共施設内にてマスク着用を緊急勧告する通達がありました。

マスク着用緊急勧告は9月29日から施行となっていますが、翌日、翌々日と街中でマスク着用者が増えたかというと、実際何も変わっておりません。
マスクを強要するのは虐待だという裁判まで起きそうな一面があるくらいです。

9月29日から10月2日に渡って、マスク着用緊急勧告における新ルールが毎日ニュースで報道され、日に日に細かい取決めができています。
しかしながら法的拘束力がないのでどこまで浸透するのかは見当がつかない現状です。




個人的な考察
世界規模のパンデミックが起きてから半年が経ってようやくマスク着用勧告まできたオランダ。
なんでこんなに時間がかかったのか不思議でしかありません。

初期にマスクは不要っと強く言いすぎたために前言撤回がし辛かったのか、
何が何でもマスクをしたく無かったのか、
マスク着用者の感染リスクは本当に高かったのか。

日本人の典型的な花粉症持ちからすれば、花粉防壁の救世主マスクはメガネと同じ。
メガネをしたままメガネを探す様に、マスクをしたままコーヒーを飲んでしまうくらい体の一部のになってしまいます。

マスクをして、ソーシャル・ディスタンスも確保して、こまめに手を洗う

これを目指すのが手っ取り早いように感じましたが、マスクや手洗いが身についている日本人には容易でも、文化が違うとストレスの違いはあるのかもしれません。

まだまだ続きそうなマスク騒動。
連日繰り広げられるマスクいるいらないのやり取り、それを嘲笑うメディア、マスクは虐待だという変化球意見の団体。
オランダはマスク化するのかしないのか、追って更新したいと思います。