1月中旬から月末までにオランダでは2回の規制緩和が施行されました。
まず1月15日より小売店や美容室等がオープンされることが許可されました。
そして1月26日より飲食店や美術館等の文化施設のオープンも許可され、最大で夜22時まで営業可能となりました。
約1ヶ月に渡るハード・ロックダウンの解除となり、先週末はショッピング、ミュージアム、カフェ、レストラン、バーなどで当たり前の週末を久しぶりに楽しんだ方も多いのではないでしょうか。
規制の緩和
1月26日から緩和された主な規制がこちらです。
- 5am〜22pmまで商店や施設のオープンが許可
(商店・飲食店・スポーツ・文化施設、美容室、映画館、劇場、動物園、遊園地など)- 店舗や施設内ではマスク着用
- 入場にはコロナチェックが必要(3G)
- イベントは座席指定・人数制限あり
- 学校の学級閉鎖の解除(感染した生徒のみ自宅隔離)
- 自宅訪問は13歳以上の4人以下
(Nos.nlを参照)
正式に規制緩和が発表された翌日からの飲食店オープンにも関わらず、緩和当日から既に予約でいっぱいのレストラン、朝から賑わうカフェ、寒い中でもテラス席まで満席なバーとなったようです。
オランダの感染者数
前回コロナ記事を書いた約3週間前と感染者数を比較しました。
1月31日の集計(1月12日との比較)
新規感染者数:112278人(+80129)
入院患者数:1247人(-188)
ICU:212人(-166)
(NOS.nlより)
規制緩和されましたが感染者数が減少しているわけではありません。年明けからオミクロンの猛威は止まらず、ついに新規感染者数が10万人/日を超えました。
そんな中でも規制が緩和されたのには、これ以上は市民に圧力をかけてルールを守らせることが不可能と判断されたとの見解もあるようです。実際に近隣国はロックダウンが無く、オランダだけ厳しい規制がある事に対する不満は多くの人が抱いていました。
この緩和が吉と出るか凶となるかは、オミクロンが風邪菌になるか重症化に変異するかの賭けな部分もありそうです。感染者数が増えすぎていて不安な面もありますが、正直なところは美術館へ訪れたり、外食ができる、当たり前の日常が戻ってきたことが嬉しくもあります。
ワクチンの有効期限と2Gルール
ヨーロッパではワクチンに有効期限がつくことになりました。
EU加盟国ではコロナ証明書の有効性を制限することが決まり、ブースターショットを接種しない限りコロナパスポートの有効期限は9か月(270日)となります。
例えば2回目のワクチン接種を昨年の7月1日に受けた方は、コロナパスポートの有効期限は3月末までとなります。そのため4月以降はブースターを接種するか陰性証明書を用意するなどの代替手段が必要になります。
陰性証明書を用意すれば、またワクチン接種してれば大丈夫だよね?っと思われるかもしれませんが、残念ながらそうではなく、今後はコロナパスポートの有効性も今までとルールが変わってきますので注意が必要です。
2Gのルール
現在のオランダではコロナチェックのQRコードを発行するには
- ワクチンを完全接種した
- コロナに感染し完治した
- 24時間以内の陰性検査をした
のいずれかが必要となっています。この3択制を3Gと呼びます。しかし今後はヨーロッパでは陰性検査証明では有効性を証明できない2Gの条件が適用される国もでてきます。
2Gの条件
- 指定ワクチンを完全接種した
- コロナに感染して完治して180日以内
完全接種のルール
今後はワクチンの完全接種の意味も異なっているのでここにも注意が必要です。
昨年に接種したワクチンの種類は人によって異なっています。ファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンを接種した方は2回の注射回数で完全接種(フルワクチン)とされ、ヤンセンを接種した方は1回でOKと当初はなっていました。
ですが今はヤンセン1回の接種では完全接種とは認められていません。ヤンセンの場合は1回+mRNAワクチンを1回接種することで完全接種(フルワクチン)とオランダでは見なされる事になっています。
※どの種類のワクチンを何回接種が必要かは国によって基準が異なっています。
回復証明のルール
コロナに感染して完治した方も完治してからの有効期限が異なっているのでここにも注意が必要です。
現在オランダでは感染して完治した場合は180日間は回復証明が認められています。ですがお隣のドイツでは回復証明の有効期限が90日に短縮されました。こちらも国によって基準が異なっています。
EU国内での異なるルール
今まではEU規定のワクチンパスポート(オランダのコロナチェック)のQRコードを持っていればEU国内は自由に旅行でき、美術館やレストランへもアクセスすることができました。
しかし現在はワクチンパスポートに対する取り決めが国ごとに異なり、とても複雑になっています。
ヤンセンのワクチン
オランダではヤンセン1回+mRNAワクチン1回で完全接種(フルワクチン)となっています。
しかしドイツやオーストリアでは、ヤンセン1回+mRNAワクチン2回で完全接種となっています。
完全接種とブースター
オランダでは2回のワクチン接種、または感染後に回復したことでコロナパスポート(コロナチェック)を発行できます。
しかしフランスとイタリアでは、2回のワクチン接種+ブースター、または1回の感染回復+2回のワクチン接種が必要になるとルールが変わってきています。
有効期限
EU加盟国ではコロナ証明書の有効性を制限することが決まり、ブースターショットを接種しない限りコロナパスポートの有効期限は9か月(270日)となります。
しかしイタリアでは予防接種証明書の有効期間が6ヶ月に短縮されます。
子供のワクチンパスポート
ドイツでは6歳以上の子供に2回のワクチン接種を義務付けており、完全接種されていない場合は入国するのに5日間の隔離が必要です。
オランダでは12歳以下のワクチン接種が始まったのが今年からですので、完全接種済みの子どもはまだ居ないのではないでしょうか。2回目の接種を受けれるまでに数週間の間隔が必要で、2回目の接種を受けてから有効になるまで2週間の期間がかかるので、しばらくはお子様を連れてのドイツ旅行も容易では無くなってしまいました。
あとがき
昨年にEU内で共通のワクチンパスポート(QRコード)が発行されたことで、オランダのコロナチェック(QRコード)があれば陰性証明や隔離を必要とせずにEU国内の旅行ができていました。
しかし現在はワクチンや回復証明の有効期限ができたこと、またその日数が統一されていないこと、ワクチンの種類によってルールが違うこと、などとEU国内でのルールがバラバラになっています。
EU国内での移動であっても事前に現地のルールの確認が必要となりそうです。
(※この記事内で記載している各国の状況も今後は変更される可能性がありますので渡航前にご確認ください。またEU内からEU内への渡航と、EU外からEU内への渡航では条件が異なります。)
↓下記のサイトではヨーロッパの規制ニュースがまとめられているのでお出かけ前に情報収集しやすいです。

爆発的に増加している感染者数が今後どのように影響してくるかが分かりませんが、今年の春はチューリップを見に行ったり、パレードやフェスティバルを観覧したり、行楽できることを待望しています。