先週末の11月13日(土曜日)よりオランダでは新たなルール下での生活が始まりました。
部分的ロックダウン、マイルド・ロックダウン、ショート・シャープ・ショック、などとさまざまな呼び方がついていますが、
今回の規制のメインは
「夜8時閉店」
あらゆる店舗の営業時間の短縮が決定しました。
新しいルール
11月13日から始まった主な規制がこちらです。
- 多くの商店は18時閉店(映画、劇場、ホール等は除く)
- 飲食店やスーパーマーケットは20時閉店
- 飲食店はコロナチェック必須
- コロナチェックのない屋内施設や商店はマスクが必須
- イベントはコロナチェック・着席が必須で18時まで
- スポーツは無観客試合
- 在宅勤務
- 自宅への来訪者は4人まで
(在オランダ日本国大使館からの情報を参照)
個人的に最も生活に関わってくるのは飲食店やスーパーマーケットの営業時間が20時までとなったことです。
事前リーク情報では19時となっていたのが20時となったのは嬉しい所ですが、20時にスーパーマーケットも閉まってしまうのはちょっと不便です。
仕事帰りにスーパーマーケットに寄れない日が出てくるので、週末に買いだめが必要となりました。
また今までは飲食店の店内席に着く時にのみコロナチェックのQRコードが必要でしたが、今後はあらゆる所で必要になります。
13日のアムステルダム繁華街の様子
新しいルールが施行されたのは13日の土曜日からでした。
アムステルダム駅前の繁華街にはたくさんの観光客がいました。18時に商店は閉まったもののレストランやバーはテラス席まで満席状態でした。
19時を過ぎると新規入店を断られた観光客がマクドナルドやKFCなどのファストフード店に並ぶ姿が目立つようになり、20時前からは飲食店やスーパーマーケットが一斉に閉まったので、街中は人混みで溢れかえっていました。
この日は警察官が多く動員されていたようで、数十メートルごとに巡回している警察官とすれ違いました。そのお陰でか混乱や暴動などは見かけませんでした。
<18時 商店の閉店>
<20時 レストラン閉店>
<20時過ぎに溢れかえる大通り>
<レストランが閉店した後のファストフード店>
オランダ人、またはオランダ在住の方は新しい規制を知っていたので、20時まで外食を楽しんで家路へと着く方が多かったと思われますが、アムステルダムへと訪れていた観光客は新ルールを知らない方が多く、20時以降はテイクアウトを行なっているお店に長蛇の列ができておりました。
先週末は新しい規制が始まったばかりだったので、街の印象が大きく変わった感じはしませんでした。
1万人を超える新規感染者数となっていても、街中のほとんどの方はマスクをしていない、いつも通りのオランダの光景でした。
このルールが3週間、12月4日まで続くので、徐々に繁華街が静かになっていくのかなぁっと思います。
オランダの感染者数
前回コロナ記事を書いた約2週間前と感染者数を比較しました。
11月15日の集計(11月02日との比較)
新規感染者数:19274人(+11513)
入院患者数:1985人(+673)
ICU:380人(+140)
(NOS.nlより)
11月11日のニュースで新規感染者数が16000人/日を超え、病院の入院数も増加し、今回の20時からのロックダウンが導入されました。
新規制が導入された週末は12000人/日前後でしたが、集計システムのエラーによりカウントできなかった分が月曜日に上乗せされ、月曜日の発表は驚愕の19274人/日となりました…。
新しい規制が始まったものの、既にハードロックダウンに片足を突っ込んでいるような状況です。
新規感染者が多過ぎてテストセンターがパンク状態になっており、GGDへの電話が繋がらない、そして数日先まで予約が取れない地域もでてきてしまいました。
感染した疑いがあってもテストを受けることができないとなると、…陽性か陰性かわからないうちは自主隔離するしかありませんが、みんなが皆んな自主隔離するとは思えません。
心配な時はまずはセルフテストで検査し、陽性となった場合はテストセンターで検査できるまで自主的に隔離をしましょう。

今後の対策
有効と考えられている対応策は、ワクチンの3回目の接種・ブースターショットとされており、既にブースターショットの準備は整っているとの事で予定をはやめて11月18日から高齢者のブースターショットが始まるようです。
専門家曰く、10月の統計では入院患者数の44%がワクチン接種者だったそうで、その多くは70歳以上の高齢者だったとのこと。
ですので現段階ではブースターショットは60歳以上の高齢者を対象に計画されており、年内には80歳以上の高齢者、1月からは80〜60歳の方を対象に進められる予定です。
60歳以下はの方は、高齢者の接種が終わった後で希望者はブースターショットを受けれるとの話になっています。ですが現段階ではブースターショットが推奨なのかどうかなどは発表がありません。60歳以下にも有効なのかどうかを含めて今後に案内があるかと思います。
不吉な予感
オランダ人、オランダ在住の方の多くが「去年と一緒じゃん」ってデジャブ感が拭い去れない冬の始まりとなってしまいました。
昨年は10月14日に飲食店が閉店し、当初は4週間と言われていましたが、その後にもっと厳しい規制がかかり、そのまま5月までロックダウンが続きました。
今、多くの方が今回の20時からのロックダウンが3週間で終わらないのでは…っと予感しているではないでしょうか。
オランダ政府の会見でも「3週間で終わるとは限らない」と仄めかしの言葉がありました。
今後の3週間で入院患者数が減少傾向になるのを願うばかりです。
今日のあとがき
「またなのか」って気持ちはありますが、病院の圧迫は切実な問題です。
もし家族や友人がコロナとは関係なく不慮の事故などにあった時に、ICUが満床だから受け入れられないとタライ回しにでもされたらと思えば…、ロックダウン規制は仕方がない事だと思います。
そして今年はワクチンがあるので、去年と同じにはならないでしょう。ブースターショットが進めば元の生活に戻る可能性は高い と信じております。
今後はコロナ証明の2Gと3Gがニューストップになってきそうです。
現在のオランダではコロナチェックのQRコードを発行するには
- ワクチンを完全接種した
- コロナに感染し完治した
- 24時間以内の陰性検査をした
のいずれかが必要となっています。この3択制を3Gと呼びます。
今後、ヨーロッパでは
- ワクチンを完全接種した
- コロナに感染に完治した
の2択になる2Gとなる可能性が高くなってきました。
実際にワクチン接種率の低いオーストリアではワクチン未接種者のみ不要な外出ができなくなるロックダウンが導入されました。この規制によりワクチン未接種者はスーパーマーケットなどの生活に必要不可欠な場所以外には訪れることができなくなっています。
オランダでは2Gが導入されるかどうかは議論の真っ只中です。
ただし2G=ワクチン接種の強制につながるので採用される可能性は低いとは思います。が、EU内での事情もあると思うので、あり得ないとも言えません。
陰性検査で証明できなくなると、ワクチンを打ちたくても打てない人、またはEU外からのビジネスマンや観光客は多くの行動制限を受けることになってしまいますし、接種者と未接種者のあからさまの区別が発生してしまいます。
日本のワクチン接種率は約75%とオランダよりも低いのにもかかわらず新規感染者数は驚異的な低さです。理由が明確にはなっていませんが、感染者数を低く抑える科学的な解明ができればロックダウンや行動制限をかさずに生活できるのになぁ、っとないものねだりをしてしまいたくもなります。
冬季のロックダウンは精神的なダメージが大きいです。
寒い+暗い冬が始まりましたが、アムステルダムの繁華街はイルミネーションが煌びやかで綺麗でした。
今のところは夜間の外出禁止ではありませんので、たまには夜散歩で気晴らしをして冬のオランダも楽しんでお過ごしください。