今週は予定を変更して、オランダの現状を大まかにお伝えしたいと思います。

オランダにもコロナウイルス(COVID-19)の影響が、経済的にも生活的にも煽りを受けています。

オランダで初の感染者が見つかったのが、2月27日。
それから約4週間たった3月22日の時点でオランダのコロナ感染者は4204人、死亡は179人となっています。

数値的にはヨーロッパ内では低い方ですが、オランダの人口はわずか1700万人と日本の約8分の1程度。
人口割合で見ると、このままでは感染者率が上位になる可能性も大いにあります。

日本:1億2680万人、総感染者数1007人、人口比率0.0008%
オランダ:1700万人、総感染者数4204人、人口比率0.025%
(3月21日)




オランダ国内で大々的にコロナ対策発表がされたのが3月15日の17時30分の出来事でした。
発表の30分後、3月15日(日曜日)の18時よりオランダ国内の全ての飲食業施設は4月6日まで閉鎖する、あまりにも突然な方針。
これにはカフェやレストラン以外に、フィットネス施設、サウナ、セックスクラブ、コーヒーショップ(マリファナ店)も含まれました。


<Reference:https://www.dutchnews.nl/>

ここでオランダらしいニュースとなったのが全コーヒーショップの閉店。
コーヒーショップとは大麻の販売を行っているお店で、大麻が合法のオランダには市街地に多くのコーヒーショップがあり、観光業の目玉の1つです。
コーヒーショップでの駈込み購入者の数が想像を絶することになり、お店の前には長蛇の列が。国内のニュースでも取り上げられるほど意表をついた出来事でした。




全ての飲食業施設は先行きの見えないまま突然の3週間閉店に見舞われ、翌月曜日から街はゴーストタウンのように静寂に包まれました。
客足がないので、衣料品店なども時短や閉店しています。

政府の方針に従い突如全店閉店となり、3月15日の時点では国の保障などの方針が見えないままでした。

雇用契約の種類によっては、閉店期間中の収入は0となります。
多くのパートタイムやフリーランサーがこれに当てはまります。
家賃の高いオランダでは、長期間の失業は死活問題となってきます。

正社員などの契約に月(または週)の最低労働時間が保障されている場合は、その最低労働時間分の収入は得られる訳ですが、経営側からすると売上がないのに給料を支払うには、お金の出処がありません。


<Reference:Thuisbezorgd.nl>
16日より一部の飲食店ではテイクアウトやThuisbezorgd.nl(デリバリーサービス)などに限り営業可能と方針が発表されましたが、全ての飲食店が可能という訳ではありません。テイクアウトできる飲食物かなどと細かい取り決めがありますし、お酒だけを取り扱うバーやバプなどは対象の論外です。
デリバリーサービスの登録料に売上の13%が掛かるのですが、それでもここ数日で多くのレストランが新規登録しているそうです。

ちなみにコーヒーショップ(マリファナ店)もテイクアウト形式で販売を再開しているらしく、愛用者には吉報となりました。





<Reference:https://www.dutchnews.nl/>
17日、企業や雇用者への大々的な経済支援案が発表されました。
賃金費用の補助として、最大で給与の90%が補償されるとの事です。(売上高や損失状況により)
まだ細かな部分は未定ですが、ここではフリーランサーを含む個人事業主への救済処置も対応して行く方針を示しました。

ただしオランダの永住権を持たない移住者にも適用されるのかは明確ではありません。
例えば個人事業主のビザを取得してオランダに滞在し活動している場合、ビザのルールとして政府から如何なる生活保護、経済支援を受取ってはいけない事となっています。
生活保護を受取った場合はビザの更新時などに却下される可能性が非常に高いです。
ただし今回の経済支援案がこれに該当するのか明確には分かっていません。

3〜4月はオランダの確定申告の時期となっていますが、税金の支払い遅延の申請も可能となりました。

賃金補助申請やら、確定申告やらと会計士さんの忙しい春になりそうです。




一方生活面では、3月12日からオランダでもトイレットペーパーやパスタなど保存がきく食品の買占めが始まり、SNSなどでは商品棚が空っぽの様子の写真投稿が多数UPされ、スーパーマーケットからは在庫は十分にあるから通常以上に買わないでとのメールがきました。
買い占めるつもりはないけれど、次いつ買えるかわからない点もあると心理上ちょっと多めに買っておこうって気持ちも重々理解できます。

飲食業施設の全店閉店の発表のタイミングとも重なり、週明けからスーパーマーケットのレジには長蛇の列がなしており、普段は絶対在庫があるインスタントヌードルや、ちょっと高価なパスタまで売切れていました。


しかし生鮮食品はほぼ通常並みの品揃えだったので、全く何も買えない訳ではないのが一安心です。

オランダは農産物自給率が高い国なので、急激に物がなくなるとは思えませんが、安価な輸入品ももちろん多くあります。
EU圏内でも国境閉鎖を行っている国も多々あるので、今後品薄や価格高騰がないとも言い切れません。
節度ある範囲で、買い占めない程度に備えておく事も必要かもしれません。





<Reference:https://www.dutchnews.nl/>
教育面では、学校及び託児所は飲食店同様に3月16日から4月6日までの3週間閉鎖することとなりました。
対象となるのは小学校、中学校、中等職業教育施設です。

それに伴い、医療機関や警察、消防、公共交通機関勤務など死活的重要な職を持つ親に対しては、無料の託児所の手配が保障されました。

しかし全ての企業がここに該当する訳ではないため、託児所が手配できない家庭もあります。オランダでは自分の世話をみられない子供を放置する(留守番させる)ことは禁じられており、留守中に子供に何かあれば親が虐待として罰せられます。
明確な年齢指定はありませんが、
11〜12歳:最大2時間程度の留守番ができる
13〜15歳:日中は留守番ができる
16〜17歳:夜も含め留守番ができる
と目安があります。
つまり12歳以下の子供を持つ親は、子供を置いて仕事に行く事はできません。
(多くの企業も可能な限り在宅勤務となっているため、また賃金補助も受けられるため託児所不足などのニュースは耳にしません。)

また大学では数万人の学生が、予定していたインターンシップが取りやめとなってしまっています。
インターンシップの取消は、卒業に必要な単位にも関わってくるため延期または代替演習が検討されています。

 

学校の閉鎖や飲食業施設の閉店措置は現状では4月6日までとなっていますが、その後延長されるかなどはわかっていません。
(3月22日現在)




RIVM(オランダ国立公衆衛生研究所)レポートより
2月27日:感染者数1人
2月28日:感染者数2人、(+1)
2月29日:感染者数2人
3月01日:感染者数10人、(+8)
3月02日:感染者数18人、(+8)
3月03日:感染者数24人、(+6)
3月04日:3日の時点で感染者数38人と訂正、(+14)
3月05日:感染者数82人、(+44)
3月06日:感染者数128人、死者1人、(+46、+1)
3月07日:感染者数188人、死者1人、(+60)
3月08日:感染者数265人、死者3人、(+77、+2)
3月09日:感染者数321人、死者3人、(+77)
3月10日:感染者数382人、死者4人、(+61、+1)
3月11日:感染者数503人、死者5人、(+121、+1)
3月12日:感染者数614人、死者5人、(+111)
3月13日:感染者数804人、死者10人、(+190、+5)
3月14日:感染者数959人、死者12人、(+155、+2)
3月15日:感染者数1135人、死者20人、(+176、+8)
3月16日:感染者数1413人、死者24人、(+278、+4)
3月17日:感染者数1705人、死者43人、(+292、+19)
3月18日:感染者数2051人、死者58人、(+346、+15)
3月19日:感染者数2460人、死者76人、(+409、+18)
3月20日:感染者数2994人、死者106人、(+534、+30)
3月21日:感染者数3631人、死者136人、(+637、+30)
3月22日:感染者数4204人、死者179人、(+573、+43)